KDDIが国内キャリア初となるXiaomi「Mi 10 Lite 5G」を採用――謎の多いXiaomiの日本における体制は大丈夫なのか石川温のスマホ業界新聞

» 2020年04月03日 10時00分 公開
[石川温]
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 3月23日、KDDIが5Gの新商品・新サービスの発表会を行った。

 端末ラインナップで驚かされたのが、中国のXiaomi「Mi 10 Lite 5G」だ。ZTEもKDDIで初めて採用されるなど、それなりに驚きがあったのだが、まさかこのタイミングでXiaomiが5Gスマホのラインナップとして加わるとは思わなかった。

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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2020年3月28日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額税別500円)の申し込みはこちらから。


 あまりに驚いて、会見後の質疑応答で「Xiaomi、採用するってどういう事ですか」と、高橋誠社長に質問してしまったほどだ。

 なぜ、そんなに驚きなのかといえば、Xiaomiは日本のメディアにとって、まだまだ謎が多いからだ。昨年12月に日本上陸を果たした際には、日本担当にインタビューもしたのだが、Xiaomiに日本法人とオフィスがあるのかも不明であった。取材を仲介してくれたのはPR会社であったが、あまりこの業界には精通していないようで、発表会の段取りなどもいまいち。参加者からは不満の声が上がっていたのが印象的であった(筆者は海外出張があったため、インタビューはしたものの、発表会には参加せず)。

 つい最近も、楽天にオフィシャルショップが出店したとかしないとかと言う騒動も勃発。そもそも、昨年12月に日本に上陸した際にバックについていた企業と、楽天にオフィシャルショップを出した仲介業者は全く別の企業。日本上陸の際にバックについた会社は、今回の楽天への出店は知らされていなかったようだ。

 日本上陸、楽天出店、さらにはKDDI、Xiaomiはそれぞれ別の窓口で対応していたと見られる。よくいえば「中国企業あるある」なのだが、なかなか相手にするには曲者といえそうだ。

 そんな経緯を聞いているので、KDDIがXiaomiを扱うことにかなり驚いたし、KDDIに「Xiaomiを扱って、サポートとか大丈夫?」と思わず聞きたくなったのだ。

 ただ、KDDIの担当者によれば「キャリアと付き合うことにより、そうしたサポート体制などもしっかりと助言をして強化していく。かつてHTCも似たような状態であったが、KDDIと組んだことで、日本市場における振る舞いを理解してくれるようになった」という。

 確かにユーザーとしてみれば「Xiaomiを買う」というよりも「KDDIでXiaomiを買う」という風に見えており、KDDIが責任を負うことは間違いない。Xiaomiにとってみれば、こんなに早い段階でキャリアと組めるのは相当、メリットが大きいといえそうだ。

 一方で、ファーウェイは今回のキャリアにおけるラインナップを見て、相当、悔しかったのではないか。本来なら、3キャリアで製品を納入していてもおかしくない。

 それが、ZTEやOPPO、Xiaomiにその座を奪われたのだから、面白くないはずだ。消費者的にも、5Gのファーウェイが買えないというのは、なんとも残念でならない。

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