世界を変える5G

ドコモ、新型コロナの影響で来店数が7割減 5Gのエリア構築に遅れも?

» 2020年04月28日 19時55分 公開
[田中聡ITmedia]

 NTTドコモの吉澤和弘社長が、4月28日の決算説明会で、新型コロナウイルスが同社に及ぼした影響について説明した。特に3月25日に商用サービスを始めた「5G」の展開にどこまで影響があるのかが気になるところだ。

ドコモ オンラインでの開催となった決算説明会

 モバイル通信トラフィックについて、音声通話は対面コミュニケーション機会が減ったことで増加しているが、「実際は定額に入っている人がほとんど。定額プランが増えているというと必ずしもそうではない」(吉澤氏)とのことで、収益アップにつながるかは微妙なようだ。

 データ通信は増加傾向にあるが、新型コロナウイルスの影響かは見えにくい状況。2020年1月から「ギガホ」の月間データ容量を30GBから60GBに増量したことで、1月〜2月は対前年で5〜6%伸びたそうだが、3月後半以降はそれほど伸びていないため「微増」と言うにとどめている。一方、渡航者や来訪者が減ることで、国際ローミングは大幅減となっている。

ドコモ 新型コロナウイルスがドコモに与えた影響

 端末販売や通信サービス契約については、ドコモショップの時短営業、端末物品の納入遅れ、4Gや5Gへの移行が減速することで、減少している。4月時点のショップへの来店数は、対前年比で7割減となっているという。特に60〜70代の来店が減っており、ケータイからスマートフォンへの移行も鈍化しているようだ。オンラインでの販売数は増えているが、ドコモショップのマイナス分が上回っている。

 5Gの契約数は3月末時点で1万4000で、こちらは「計画通り」(吉澤氏)との評価。現在の5G契約数は4万弱で、4月末に4万を超える見通し。料金プラン「5Gギガホ」の選択率は約半分とのことで、LTE向け「ギガホ」の20数%と比べると約2倍多い。現時点で5Gエリアは非常に限られることから、(キャンペーンによって)容量無制限で使えるプランに魅力を感じて5Gを契約している人も多いようだ。

 コンテンツは在宅需要が高まることで微増となるが、店頭での販売が減ることで微減の側面も。dポイント、dカード、d払いなどの金融・決済関連は外出自粛や消費の落ち込みにより減少になる。

 設備投資については、物品納入や建築工程が遅れることで、遅延が見られる。ドコモは2020年6月までに47都道府県、2021年3月までに政令指定都市を含む500都市に、2021年6月までに1万局の5G基地局を開設する計画だが、新型コロナウイルスの影響で、この数字を見直す必要が出てくる可能性もある。「工事業者にはフルで対応してもらっているわけではない。年度内の500都市はぜひ実現させたいが、新型コロナの影響で今と同じような状況で続くと、2021年6月までの1万局はかなり難しくなると思う」と吉澤氏は言う。

ドコモ 5Gへの設備投資が遅れることで、エリア化の計画にも影響が出そうだ
ドコモ 5Gについては、オープンでインテリジェントな基地局配置を可能にする「O-RAN」の推進、ミリ波への対応、ミッドレンジの5G端末投入などの戦略が改めて語られた

 新型コロナウイルスの影響が半年続くのか1年続くのかが分からず、不確定要素が多いことから、業績予想の合理的な算定が難しいと判断。「前年度と同水準の利益は目指したい」(吉澤氏)が、2020年度の業績予想は現段階では非公表としている。吉澤氏は「通信サービスの安定運用に努めるとともに、ドコモが果たすべき役割を考えて、新型コロナウイルスの感染拡大の防止、社会構造の変化に対応して、新たな価値相応や社会課題の解決に取り組んでいく」と話した。

ドコモ 2020年度の業績予想は非公表とする

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