5Gが創出する新ビジネス

ソフトバンクが新たな法人戦略を発表 新型コロナ対策や「プライベート5G」など(2/2 ページ)

» 2020年05月20日 21時26分 公開
[佐野正弘,ITmedia]
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5Gでは「パブリック」と「ローカル」を実現

 ソフトバンクの常務執行役員である藤長国浩氏は、アフターコロナの時代に向けた企業のデジタルトランスフォーメーション推進に向けた取り組みについて説明。ソフトバンクはネットワークからデバイス、ソリューションまでワンストップで提供できることと、多数のソリューションと263のグループ会社を持つという先端テクノロジーの総合力を生かし、企業のIT導入状況に応じて適切なソリューションを提供し、デジタルトランスフォーメーションの推進を図りたいとしている。

ソフトバンク ソフトバンクの藤長氏は、5Gを中心としたデジタルトランスフォーメーションに向けた取り組みを説明

 中でも人手不足が叫ばれる工場や工事の現場など、生産労働力を創出する上で欠かせないのが5Gだと藤長氏は話す。ソフトバンクは2020年3月に5Gの商用サービスを開始しており、法人部門でもパートナー企業らと、産業界が抱える課題解決に向け実用化を前提としたユースケースの創出を進めている。

 そうしたことからソフトバンクでは、「5G×IoT Studio」のお台場ラボを2020年6月にリニューアルし、商用環境と同等の設備で技術検証ができるようにする。9月には大阪にもラボを設立する予定であることを明かした。

ソフトバンク パートナー企業とのユースケース創出に向け、「5G×IoT Studio」のお台場ラボを2020年6月にリニューアル、商用環境と同等の設備で技術検証をできるようにする

 だがその実用化のためには、5Gのネットワークを高度化していく必要があると藤長氏は説明。現在、同社の5Gネットワークは、4Gと5Gを一体で運用し高速大容量通信を実現するノンスタンドアロン(NSA)だが、2021年度の後半ごろには5G単体で動作するスタンドアロン(SA)での運用に移行することで、低遅延・多数同時接続といった残りの特徴を生かせるようになる。

 そうしたことから藤長氏は「5Gが高度化したタイミングでユースケースの実用化を進めていくと思う」と説明。現在はパートナー企業らとユースケースの開発や整備をする、準備段階に位置付けている。

ソフトバンク ソフトバンクは5Gの法人活用に関して、低遅延や多数同時接続が実現できるSA運用への移行が必要と考えており、5Gのユースケース実践はSAへの移行が進む、2021年度後半の本格展開を予定しているという

 藤長氏はもう1つ、ソフトバンクが5Gの法人活用を進めるための新たな取り組みとして「プライベート5G」を打ち出している。これは通信事業者が全国に展開する「パブリック5G」と、通信事業者以外の企業や自治体が場所限定で5G環境を構築する「ローカル5Gと」の中間に当たるものだという。

 より具体的には、ソフトバンクが同社に割り当てられた周波数帯を使って、ローカル5Gと同じく顧客の敷地内にネットワークを個別に構築・運用する。ローカル5Gを利用するには電波免許の取得や、ネットワークの構築・運用などに手間がかかってしまうが、プライベート5Gではそうした部分を全てソフトバンクに任せながらも、ローカル5Gと同じ感覚で5Gを活用できるのがメリットになるとのこと。

ソフトバンク ソフトバンクが新たに打ち出した「プライベート5G」。ソフトバンクが自ら割り当てられた5Gの周波数帯を用いて顧客の敷地内に基地局を設置して運用することで、企業は手間をかけることなく、ローカル5Gと同じ感覚で5Gを活用できるようになるという

 同社が顧客企業にヒアリングしたところ、プライベート5Gには85%の企業が導入に興味を示すなど、高い関心が持たれているという。ただ提供に当たっては、ネットワークスライシングを活用してその企業の要望に応じたコアネットワークを提供することも検討しているそうで、提供のためにはSAへの移行が必要になるなど環境整備が必要なことから、実際の提供時期は2022年を予定しているとのことだ。

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