マイナンバーカードで給付金10万円をスマホから申請、さらに5000円還元もゲットする方法(4/4 ページ)

» 2020年05月31日 06時00分 公開
[島徹ITmedia]
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「マイナンバーカード」と「マイナンバー」の違いは?

 「マイナンバーカード」は時々話題になりますが、実際どういうものか、はっきり理解している人は少ないと思います。

 カード名の「マイナンバーカード」と、「マイナンバー(個人番号)」も紛らわしく、それを混同した情報発信も時々見られます。「特別定額給付金のオンライン申請にマイナンバーを使う」は間違いですが、「マイナンバーカードを使う」「電子証明書を使う」なら問題ありません。これはどういうことでしょうか。

 マイナンバーカードの主な機能を単純化して説明すると、以下の3つとなります。

  • 「顔写真付きの身分証明書」:対面手続きで運転免許証と同様の個人証明
  • 「電子証明書」:オンライン手続きでの個人証明
  • 「マイナンバー(個人番号)の確認」:社会保障や税、災害時の手続きに使う番号
photo マイナンバーカード(表)は、運転免許証やパスポートの代わりを想定した「顔写真付き身分証明書」としての機能を持っています
photo マイナンバーカード(裏)は、マイナンバー(個人番号)が番号とQRコードの形で記載されています。マイナンバー(個人番号)はICチップ内の券面画像と券面事項入力補助にもありますが、用途は制限されています

 個人にとって便利なのは「顔写真付き身分証明書」でしょう。

 また、今後利用が増えそうなのが、オンラインでの個人証明となる「電子証明書」です。電子証明書にもマイナンバー(個人番号)は含まれていないので、オンライン申請にマイナンバー(個人番号)は関係ないというわけです。

 電子証明書は2種類あります。特別定額給付金のオンライン申請やe-Taxで使う「文書署名用電子証明書」は、重要な申請で利用者の証明と文書の改ざんを防ぐものです。マイナポイントのマイキーIDの登録で利用する「利用者証明用電子証明書」は、個人情報を含まないがシリアル番号でマイナンバーカードの所持と個人を証明できるものです。

 マイナンバー(個人番号)は、国や自治体の社会保障や税、災害対策など罰則付きの法律で制限された手続きの範囲で、各所をまたいだ情報の突合せなど事務作業の効率化に利用されます。

 ただ、個人にとってマイナンバー(個人番号)は、役所での手続きが簡略化される間接的なメリットはあっても、分かりやすい直接的なメリットはほぼありません。むしろ、人に見せてはいけないが知らせる場合もあるという、管理の負担が生じます。企業も社会保障や税の手続きで従業員のマイナンバーは必要ですが、番号の管理は負担となります。

 マイナンバーカードは本来証明書として便利なはずですが、個人にとっては説明不足で管理しづらいマイナンバー(個人番号)がカード名や券面の番号記載で目立っており、マイナンバーカード全体がやや微妙な印象になっているのが現状といえます。

今後のマイナンバーカード

 2019年、iPhoneとAndroidスマートフォンの両方でマイナンバーカードの電子証明書を利用できるようになりました。これにより、国や自治体が公共サービスを、より効率的に提供できるスタート地点に立ったといえます。

 本来は、マイナポイントが最初の大きな用途になるところでしたが、新型コロナの影響で特別定額給付金のオンライン申請が急に始まりました。これにより、国や自治体と、個人の利用サービスをひも付けるアカウントサービスの重要性も認識されました。現在だと、マイナポイントでキャッシュレス決済とひも付く予定のマイキーIDが近いところにあります。銀行ともひも付けて公的手続き時の口座証明にもなれば便利でしょう。

 ただ、いくら電子証明書から個人情報なしのアカウントを作成できても、元をたどれば個人とひも付いている事実は変わりません。これを民間で活用する動きもありますが、サービス側や利用者が使い方を間違えれば信用問題に発展する可能性もあります。民間で解決できる内容へ無理に介入せず、最小限必要なもののみにとどめてほしいところです。

 筆者としては、利用機会の少ないマイナンバー(個人番号)の表記を券面から消せる選択肢を追加した上で、必要なときはスマートフォンで読み込むかコンビニの証明書発行サービスで確認できる方が、より便利なように感じます。現状、マイナンバーカードの個人情報保護のスリーブが、マイナンバー(個人番号)は数字だけを隠して、誰でもスマホで記録できるQRコードは隠さないなど、本人の利用意図を無視する仕様も気になります。

 マイナンバーカードは登場から4年がたち、開始当時と違って、対応スマートフォンも普及しました。これにより、求められる用途や活用方法自体も変わってくるでしょう。それらを含め、一度いい意味での仕様や運用の見直しと、今後の方向性の説明を期待したいところです。

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