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» 2020年09月05日 06時00分 公開

石野純也のMobile Eye:接触確認アプリから「通知」が届いて分かったこと 実効性には課題も (1/3)

「COVID-19にさらされた可能性があります」――筆者のスマートフォンにこの通知が届いた。その後、自宅を所管する東京都港区の保健所に相談の上、9月1日にPCR検査を受けた。ここでは、その実録とともに、接触確認アプリの意義や課題を考察していきたい。

[石野純也,ITmedia]

 「COVID-19にさらされた可能性があります」――自身で使うスマートフォンから、こんな通知を受けるユーザーがじわりと増えている。これは、厚生労働省が提供する接触確認アプリ「COCOA」から送られてくる通知だ。新型コロナウイルスの陽性者が陽性であった情報を入力した場合、その陽性者と過去に“接触”していたキーを持つユーザーに対し、通知が送られる。1m以内で15分の接触が、その基準だ。

 実は筆者の持つ「Xperia 1 II」にも、8月28日にこの通知が届いた。より正確に言うと、自分の場合、Androidのシステムとしての通知はなぜか届いていなかったが、たまたま接触確認アプリを開いたときに、「陽性者との接触確認」の画面が表示された。その後、自宅を所管する東京都港区の保健所に相談の上、9月1日にPCR検査を受け、翌日には「陰性」であることが確認されている。ここでは、その実録とともに、接触確認アプリの意義や課題を考察していきたい。

COCOA 筆者のスマートフォンにも、接触確認アプリからの通知が届いた

ある日突然COCOAからの通知が! その流れをチェック

 時系列に整理すると、筆者が陽性登録をした人との接触から、PCR検査を受けるまでの流れは、以下の通り。

 接触確認アプリからの情報によると、どうやら筆者は、8月19日のどこかで新型コロナウイルスの陽性者と接していたようだ。後述するが、システムが正確に動いていたのであれば、場所はランチを食べていたお店ということになる。筆者と接触していた陽性者も、19日時点では発症していなかったのだろう。恐らく、その約1週間後あたりで陽性者であることを登録し、接触日から9日目にあたる8月28日に筆者の端末に通知された流れになる。

COCOACOCOA 通知を受けたのは8月28日。陽性者登録をした人とは、8月19日に接触していたようだ

 ただし実際には通知が来たのではなく、アプリを開いたところ、陽性者との接触情報が表示された。何らかのバグかもしれないが、うっかり通知をまとめて消してしまった可能性もある。いずれにしても、アプリ本体の情報まで、定期的にチェックするようにした方がいいだろう。通知を受けた筆者は、すぐにアプリの指示に従っていった。当時の筆者は健康そのもの。悲しいことに40を過ぎているため、倦怠(けんたい)感は日々感じているものの、特にひどいわけではなく、平熱でせきやのどの痛みもない。

 取りあえず、アプリ上に表示されていた「電話で症状を伝えて相談」をタップし、電話しようとしてみたが、なかなか電話がつながらない。そのため、接触確認アプリに戻って、「症状を入力して相談」をタップした。

 次の画面では症状の有無を聞かれる。上記のように、一切症状がなかったため、ここでは「症状なし」をタップした。次の画面では、心当たりを尋ねられる。この画面の答えも「いいえ」だ。家族や友人には症状がある人はいない上に、筆者は1人で仕事をしているため、取材に行かない限り、職場での接触も考えられない。

COCOACOCOA 症状の有無は、「症状なし」を選択した(写真=左)。周囲に感染した人もいなかったため、いったんは「いいえ」をタップした(写真=右)

 このように入力をしていったところ、「14日間は体調の変化に気を付けてください(原文ママ)」と表示される。つまり、検査を受けたり、隔離生活を送ったりする必要はないというわけだ。あくまで普段より注意していればよく、体調の変化があれば、そのときにあらためて連絡できる仕組みだ。接触確認アプリから通知が来るのは少々心臓に悪いが、無症状でも即隔離されて仕事や生活に支障を来すということはないので、その点は安心できる。また筆者の場合、通知されたのは9日目だったため、細心の注意を払うのは残り5日間。一般的な濃厚接触者には該当しないため、スルーしても問題はなさそうだ。

COCOA アプリの指示では、あと数日だけ、体調に気を付けていればいいとのこと

 ただし懸念もあった。新型コロナウイルス感染症には、無症状の感染者から他人に移してしまうおそれがある。筆者は共働きで、夫婦のどちらかが面倒を見られない時に、子どもを祖母に預けている。子どもの通う幼稚園が、新型コロナウイルスの対策として預かり時間や頻度を大幅に減らしているためだ(低年齢の子どもは、無症状か軽症がほとんどで、重症例や死亡例もないため、ここまで親に過剰な負荷をかける対策に意味があるのかははなはだ疑問だが、本題ではないため割愛する)。ご存じの通り、高齢者になればなるほどリスクは高く、重症化率や死亡率も高くなる。

 検査ができるようであれば、念のためしておいた方が安心かもしれない。そう思った筆者は、画面を1つ前に戻し、「以下の心当たりはありますか」の質問に、「はい」と回答した。この画面には、「上記に心当たりがない場合でも、帰国者・接触者外来等への受診を希望しますか」という質問が添えられているからだ。つまり、身近に新型コロナウイルスの陽性者や、その症状があると思われる人がいなくても、取りあえず受診は可能ということ。ここで「はい」をタップし、次の画面で都道府県を選ぶと、各地域の保健所一覧が表示される。筆者は、所管の「みなと保健所」に電話をかけてみた。

COCOA 心当たりがない場合でも、受診を希望することができる。その場合、各自治体の保健所一覧が表示されるため、スマートフォンから電話すればいい
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