世界初の“カラー電子ペーパースマホ”2機種の発色はどんな感じ?山根康宏の海外モバイル探訪記

» 2020年09月24日 15時08分 公開
[山根康宏ITmedia]

 中国の大手家電メーカー、Hisense(ハイセンス)は世界初のカラー電子ペーパー搭載スマートフォンを販売しています。5.84型4096色表示可能なカラー電子ペーパーは、カラーで描かれた電子コミックや電子絵本の表示に適しています。また電子書籍でも見出しや注釈に赤や青の文字を入れるなど、表現力を高めることもできます。

 家電メーカーが世界初のスマートフォンを出すのもすごいことですが、Hisenseはこのカラー電子ペーパースマートフォンを同時に2機種も発売したのです。一見するとどちらも同じ製品に見えるのですが、細かいところに差異があるので、そのあたりを見ていきましょう。

Hisense Hisenseから出てきた世界初のカラー電子ペーパー搭載スマホ

 2つのモデルは「A5C」と「A5 Pro CC」。1300万画素のアウトカメラ+500万画素のインカメラ、ディスプレイ性能は両者同等です。A5CはプロセッサにSnapdragon 439を採用。A5 Pro CCはプロセッサに中国UNISOCのT610を採用、背面には指紋認証センサーを搭載しています。本体サイズは公式データが見当たりませんが、両社でわずかに違うようです。

Hisense 「A5 Pro CC」(左)と「A5C」(右)。一見すると同じに見える

 本体底面を見ると、A5 Pro CCは左にイヤフォンジャック、右にスピーカーの穴が空いています。A5Cは右にイヤフォンジャックがあり、スピーカーの穴はなし。A5 Pro CCの方が上位モデルということなのでしょう。しかし価格はA5 Pro CCが1799元(約2万8000円)、A5Cが1699元(約2万6000円)と大きな差はありません。

Hisense A5C(上)とA5 Pro CC(下)。イヤフォンジャックの位置、スピーカー穴に差異がある

 こちらは背面の差。どちらもプラスチックの質感そのままの仕上げなので、傷から守るためにカバーの装着は必須と感じました。

Hisense A5 Pro CC(左)は指紋認証センサーを備える。A5C(右)にはない

 さて、電子ペーパーの発色方法は、ディスプレイ上のドットそれぞれが発色する液晶や有機ELと全く異なります。電子ペーパーは色の付いたカプセルをドットの最上位に動かし、太陽光やフロントライトが当たることで表示が見えるのです。その仕組みは印刷した紙に近いのです。画面を書き換える際にそのカプセルを動かすため、どうしても残像が残りやすくなります。そこで電子ペーパーでは表示するコンテンツに最適ないくつかの表示モードを備えています。

 A5 Pro CCは「Clear」「Balanced」「Smooth」「Speed」4つのモードを持ちます。ディスプレイ表示最下段の右側にある四角いアイコン(ディスプレイの形を表している)をタップすると、ディスプレイの明るさと表示モードの切り替え画面が出てきます。

 A5Cは「Clear」と「Smooth」の2種類のみ。表示モード切り替えを出すと、「Clear mode」「Speed mode」の2つのモードがトグルで切り替わります。

Hisense A5 Pro CC(左)は4つの表示モードを持つ。A5C(右)は「Clear mode」「Smoot mode」の切り替えのみ

 Clearモードは文字や色の境界をくっきりとはっきり表示できます。しかし別の画面に切り替えると、前の表示が残像としてしばらく残ってしまいます。それに対してSpeedモードでは動画など画面の書き換えが激しいコンテンツでも、残像なく表示が可能です。しかしそれぞれの画面はClearモードと比べると輪郭が若干甘い感じです。BalancedモードはClearに近いながらも動画の表示もそれなりに見られ、Smoothはより動画の表示に特化している感じがします。

Hisense ClearモードでWebサイトを表示
Hisense 画面を切り替えると、前の表示が残像で残ってしまうこともある

 それでは実際に各モードでの表示の差を見てみます。A5 Pro CCの4つのモードで写真入りのWebサイトを表示してみました。Clearモードが最もざらつきもなくきれいに見えるようです。他のモードはWebページの表示では大きな差はないようです。

Hisense Clearモード
Hisense Balancedモード
Hisense Smoothモード
Hisense Speedモード

 一方、動画を表示してみると、ClearモードよりSmoothモードの方が残像は少なく、それなりに見ることができます。液晶のようにクリアな表示ではないものの、カラー電子ペーパースマートフォンでも動画コンテンツをある程度楽しめそうです。

Hisense Smoothモード(上)と比べ、Clearモード(下)では残像が多い。動画を見るならSmoothかSpeedモードが良い

 カラー電子ペーパースマートフォンの色表現は「カラー」というより「色の付いた紙」という感じです。ゲームをするには不向きなので、子どもに使わせるのにもよさそう。ニッチな製品かもしれませんが、教育用途などには向いているかもしれません。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年05月15日 更新
  1. サイゼリヤは“折りたたみスマホお断り”なのか? セルフ注文画面が話題、真偽を実機で確かめた (2026年05月13日)
  2. なぜ? マクドナルド「巨大セルフ注文端末」に批判殺到の理由 UI/UXに価格表示まで……直面している課題とは (2026年05月14日)
  3. ドコモ、5G速度で首位も「一貫した品質」でなぜ最下位? auが10部門で受賞 Opensignal調査 (2026年05月14日)
  4. 大幅刷新の「iAEON」「AEON Pay」アプリは何が変わった? 使い分け方や便利な機能を解説 (2026年05月12日)
  5. KDDI松田社長「povoを楽天モバイルの副回線に」――自らアイデア例示 ローミングは26年9月で一区切り (2026年05月13日)
  6. 「駅のQRコードが読み取れない」――ネットに落胆の声 なぜ“デジタル時刻表”が裏目に? (2025年12月25日)
  7. IIJ谷脇社長、ドコモ回線問題について「キャリアとMVNOの原因切り分けが難しい」 IIJmioの値上げは予定なし (2026年05月14日)
  8. スマホ“最大規模の値上げ”はいつまで続く? 「1円スマホ」が存続危機、一方で影響を免れる中国メーカーも (2026年05月14日)
  9. 楽天G三木谷氏「(モバイル)ユーザーに迷惑かけない」――KDDI側も理解 気になる2社ローミングの行方は (2026年05月14日)
  10. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年