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» 2020年10月09日 06時00分 公開

携帯料金値下げ、一般ユーザーの要望は? 武田総務大臣との意見交換会で見えたこと(2/2 ページ)

[田中聡,ITmedia]
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安くても品質が低下したら困る

 総務省が発表した内外価格調査では、日本の携帯料金は諸外国と比べて高いことが指摘されているが、英国のOpensignalが実施した世界主要各国の通信品質調査では、日本が上位にランクインしているという結果もある。ただ、こうした情報は一般ユーザーには届いておらず、「海外との比較は正直、聞かれてもよく分からない」(木村氏)という状況だ。

 「安いからといって品質が低下しても困る。品質と料金のバランスをきちんと実現してほしい」という悩ましい意見も。MVNOへの乗り換えがなかなか進まないのも、このあたりが大きな要因になっているのかもしれない。

携帯値下げ 英Opensignalの調査によると、日本の4G接続率は主要6ヵ国の中でトップ、平均速度は2位と高い水準にあるが、こうした状況を把握している一般ユーザーがどれだけいるのだろうか

サポートはやはり重要

 近藤氏は、「高齢者がオンラインでスマートフォンの購入手続きができない例がある」ことも問題点に挙げる。高齢者向けのスマホ教室は「間違いなく使われる」という声も多く挙がったそうだ。「データのバックアップと言われても、バックアップって何ですか? という所から始まる」ため、やはりショップをはじめとする手厚いサポートへの期待も大きいことがうかがえる。

どのぐらい安くなればいいのか

 参加した5人から、具体的に「何割下げてほしいという要望はなかった」そうだが、携帯料金が家計に占める割合は大きくなっていることから、値下げ自体を歓迎する声は大きいようだ。

 「低所得者の場合、家族それぞれがスマホを1台ずつ持っていると1万円を超える。さらに、支払いが延滞すると、信用情報にも引っ掛かり、その後のローンにも響く。携帯を手放すような方もいらっしゃるけど、携帯を手放してしまうと、職探しもできなくなってしまう」(赤石氏)

「分かりにくさの改善」と「値下げ」を並行して進める?

 武田氏は、会の最後に「利用者の(料金プランの)中身が分かりにくいという話が印象的だった」と話したという。「(料金プランが)自分に合っているかいないか、そこをしっかりと消費者が理解して購入できるやり方を整えたい」とした。

 「分かりにくい料金体系」は値下げとは別の話なので、割引前の料金をしっかり提示する、期間限定のキャンペーンをやめる、といったことで対応はできるだろう。一方、品質やサポートを重視している声も多かった印象だが、ここは値下げとは相反する部分。サポートや通信サービスの品質を落とさずに値下げを……となると、キャリアはますます難しいかじ取りを迫られているといえる。

 なお、意見交換会について、第2回目以降を開催する予定は現時点ではない。会合で出た意見は高齢者や女性のものが多かった印象だが、もう少し幅広い層にヒアリングしないのか。川野氏は「国民の全員に聞くことはできないので、いろいろな利用者に直接関わる活動をしている団体の方、という視点で(5人を)選んだ。選考過程については控えたい」とコメント。

 「競争ルールの検証、ワーキンググループ、有識者会合は総務省として開催している。(競争ルールの検証に関する)報告書(案)への意見募集を9月に開始し、今日(10月8日)が締め切りなので、出た意見をとりまとめていく」(川野氏)

 今後はパブリックコメントや有識者会合などを通じて、具体的な方向性を定めていくことになりそうだ。

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