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» 2020年10月09日 06時00分 公開

携帯料金値下げ、一般ユーザーの要望は? 武田総務大臣との意見交換会で見えたこと (1/2)

10月8日、武田総務大臣と携帯電話利用者の意見交換会が総務省で開催された。安くて分かりやすく、納得感のある料金やサービスを実現すべく、今後の政策立案に役立てることが会の目的。武田総務大臣は「料金プランの中身が分かりにくいという話が印象的だった」と話す。

[田中聡,ITmedia]

 10月8日、武田良太総務大臣と携帯電話利用者の意見交換会が総務省で開催された。

 意見交換会は、安くて分かりやすく、納得感のある料金やサービスを実現すべく、今後の政策立案に役立てることを目的としている。

携帯値下げ 意見交換会に参加した消費者団体の代表者

 菅義偉総理大臣は、かねて携帯キャリアに対して料金値下げの提言を続けており、武田氏も携帯料金は「見直す必要がある」とのスタンス。既に武田氏はキャリアとも意見交換をしたそうで、今回は一般ユーザーの声を拾うべく、消費者団体から5人の代表者が参加した。

 参加者は以下の通り。

  • 赤石千衣子(しんぐるまざあず・ふぉーらむ 理事長)
  • 木村たま代(主婦連合会 事務局長)
  • 近藤則子(老テク研究会 事務局長)
  • 新屋康夫(全国消費生活相談員協会 北陸支部長)
  • 湯田健一郎(クラウドソーシング協会 事務局長)

 武田氏は冒頭で「携帯電話は、日々、生活や仕事の中で欠かせない必需品になっているが、料金や使い勝手の面でさまざまな課題がある。国民にとって安く、分かりやすく、納得感のある料金やサービスの実現に向けて、私自身が先頭に立って取り組んでいきたい。これまでに、携帯事業者とは意見交換をさせていただいた。本日はユーザーの立場として皆さまご自身の考え、また皆さまが団体のさまざまな方々と触れてお感じになっていることを率直にお聞かせいただきたい」とあいさつした。

携帯値下げ 冒頭であいさつをする武田総務大臣

 報道陣は、冒頭の武田氏のあいさつまでは傍聴して撮影もできたが、以降は非公開。会合は17時20分に始まり、約50分後の18時10分頃に終了した。その後、総合通信基盤局 電気通信事業部 料金サービス課長の川野真稔氏が、会合の内容を説明した。ここで挙がった意見から、一般ユーザーが携帯電話に対して抱いている問題点を整理したい。

使うデータ量が増え、すぐに上限に達してしまう

 新型コロナウイルスの影響でオンライン会議をする機会が増えたが、その際にモバイルデータ通信を活用しているため、すぐに容量の上限に達してしまう人が増えているようだ。「Zoomを1時間使うと、0.6GB消費してしまうので、通信料は負担になっている」(しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石氏)。

 また、最近は動画コンテンツが増えており、自動で動画が再生されるケースもあるため、「知らない間に容量を食ってしまい、あっという間に上限まで行ってしまう」(主婦連合会の木村氏)という。「分かっていれば、Wi-Fiが近くにないときは見ないようにする、動画を止めるといったことができるが、知らないと、一気に料金が高くなってしまう。やはり安くしてほしいという要望がある」

 クラウドソーシング協会の湯田氏によると、フリーランスのユーザーで、オンライン会議によって通信料がかさむ人が増えているという。「月初にZoomで会議をして、容量が上限に達してしまうと、会議ができなくなる。公衆Wi-Fiはセキュリティの面で厳しく、自分のスマートフォンでやらざるを(通信せざるを)得ない。大容量プランが安くなった方がいい」

 そもそも、自分の利用実態を把握していない人が多く、まずは利用実態の確認方法や、それをベースにしたプランの選び方を伝えていく必要がありそうだ。

料金体系が分かりにくく家計を管理しづらい

 「最初は安いと思って入ったけど、キャンペーンが終了すると高くなる。家計管理が難しい契約がけっこうある」(赤石氏)というように、時期によって料金が変動することや、条件付きでの割引を問題視する声も多かったようだ。

携帯値下げ キャリアが紹介している料金プランは、割引適用後の価格が前面に出ており、割引前の価格が分かりにくい

 「料金プランが安く見えても、アプリの利用、長期利用、自分がどういうプランに入っているかが分かりにくい。消費者にとって分かりやすい料金体系にしてほしい」(木村氏)。「アプリの利用」とは、アプリへの課金が携帯キャリアへの支払いとは別で発生していることを指しているものと思われるが、スマートフォンでキャリア以外の支払いが増えたことで、結局トータルでいくら支払っているのかが見えにくくなったことも問題視しているようだ。

 「高齢者の中には、ショップで説明が要らないという人はいるが、料金の部分の説明はぜひしてほしい」(全国消費生活相談員協会の新屋氏)という要望も挙がった。

MVNOは音声通話が高い

 MVNOが既に安価な料金プランを提供していることから、そちらへ移行するという選択肢もあるが、「どうやって入っていいか分からず、ハードルが高いという注文」(赤石氏)があるとのこと。

 また、「MVNOが安いといわれるけど、音声通話が高い」という意見も。確かに日本通信が音声定額サービスを始めてはいるが、ほとんどのMVNOが通話については従量課金を採用し、プレフィックスサービスを利用することで通話料を半額にする程度にとどまっている。「MVNOが安いといわれるけど、音声通話が高い。高齢者は電話で話す時間が長いので、必ずしも格安ではない」(老テク研究会の近藤氏)

 VoIPアプリを使えば通話料は発生しないが、「使い方が分からない」(木村氏)というユーザーがいまだに多いのが現状だ。

 総務省側が「格安スマホやサブブランドへの乗り換えは、うまくやっているのか」と質問したところ、「うまくできる人はWi-Fiとあわせて使いこなしているが、リテラシーが低い人だとなかなか厳しい。MVNOにしたけど戻したいという人もいる」とのこと。「戻したい」の理由までは分からなかったが、「自分に合ったプランがなかった」「リアル店舗がないので相談しづらくなった」といった部分が大きいのだろうか。

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