フラグシップだがハイエンドじゃない――「Google Pixel 5」がミドルレンジスマートフォンになった理由

» 2020年10月21日 19時00分 公開
[井上翔,ITmedia]

 Googleの5Gスマートフォン「Pixel 4a(5G)」「Pixel 5」が発売されて間もなく1週間経過する。

 今回の新モデルの大きな特徴は、フラグシップモデルであるはずのPixel 5がハイエンドスペックではなくなったことだ。メインメモリこそ6GBから8GBに増量されたものの、肝心のプロセッサがミドルハイレンジ端末向けの「Qualcomm Snapdragon 765G」である。「ミドルハイレンジモデルの5G版」という位置付けのPixel 4a(5G)とスペック面で重複する部分も多い。

 端末仕様のどこに目を向けるかにもよるが、Pixel 5は「Pixel 4」から“スペックダウン”したという見方も不可能ではない。Googleはなぜ、Pixel 5をハイスペックとしなかったのだろうか。

Pixel 5 今までとは異なり、スペック上はミドルハイレンジモデルとなったPixel 5
Pixel 4a(5G)との違い ディスプレイや防水・防塵(じん)性能など、幾つかの差異はあるものの、同時に発売されたPixel 4a(5G)とスペック面で重複する部分は多い

より多くの人にリーチすることを優先

 Googleは「より便利なGoogleを全員(より多くの人々)に提供する」というミッションを掲げている。Pixelスマートフォンは、その一翼を担うデバイスの1つという位置付けだ。

Googleのミッション Googleのミッション

 Pixel 5は、初代「Pixel」(日本未発売)からの系譜を受け継ぐ、Googleの“フラグシップ”スマートフォンという位置付けは変えていない。しかし、繰り返しだが、スペックを見るとPixel 4までのようなハイエンドモデルではない。

 ここには、どのような意図があるのだろうか。10月13日に行われた報道関係者向けの説明会で、この点に関する質問があったのでやりとりを紹介したい。

―― Pixel 3やPixel 4ではハイエンド端末向けのプロセッサを採用していたと思いますが、Pixel 5ではミドル(ハイ)レンジ向けのプロセッサを採用しています。その理由を教えてください。

担当者 Googleでは、Pixelシリーズを通して(Googleの)便利なサービスや機能を使っていただけるように取り組んでいます。(新端末の)開発に当たってはユーザーからのフィードバックも参考にしています。
 今回の新端末では、新技術である5Gを絡めて、Googleのサービスをより多くの人に使っていただきたいと考え、異なる価格帯で、機能のバランス感を調整した2モデル(Pixel 4a(5G)とPixel 5)を用意した次第です。Pixel 5はより多くの人に使っていただきたいという観点から、(あえてミドルハイレンジ向けの)Snapdragon 765Gを採用しました。

―― フラグシップモデルとなるPixel 5で、(ハイエンド端末向けの)Snapdragon 865を採用しなかった理由を教えてください。

担当者 先ほどもお伝えしましたが、Pixel 5では5G(スマホ)をより多くの人に使っていただく仕組みを考えました。Snapdragon 765Gは「Best Google(最適な形でのGoogleサービス)」を届けることと、価格設定とのバランスが一番良く取れるという理由で採用することにした次第です。

 このように、自社サービスの利用に当たって必要な性能と、販売価格のバランスを取った結果、今回はミドルハイレンジというスペックに落ち着いたようだ。

 事実、ハイエンドな3Dグラフィックスを駆使するゲームをやらない限りは、Pixel 5においてスペック不足を感じる場面は少ない。ある意味で合理的な判断だといえる。ただ、Pixelにハイエンドさを求めていた人にとっては、少し残念な判断でもあるのは否めない。

 Pixel 5が踏み出した「フラグシップだがハイエンドではない」路線を踏襲するのか、Pixel 4までの「プロセッサはハイエンド」に回帰するのか――気が早すぎるのは承知だが、将来のPixelがどうなるのか楽しみだ。

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