Y!mobileとUQ mobileの「20GBプラン」が担う役割 メインブランドとの差別化が課題か石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2020年10月31日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

“解約抑止”と“新規獲得”――2つの役割を担うサブブランド

 KDDI、ソフトバンクともに、メインブランドではデータ容量無制限のプランや、大容量プランをプッシュしている。5Gに対応しているのもメインブランドのみ。高速なデータ通信を、思う存分使えるというのがメインブランドの位置付けだ。4Gで中容量の料金プランを選ぶユーザーの受け皿はサブブランドが担っている。料金水準的にもリーズナブルな20GBプランは、サブブランドで投入するのが適していると判断したようだ。

UQ mobile KDDIは、メインブランドのauを5Gやデータ容量無制限でブランディング。中容量でリーズナブルなUQ mobileとすみ分けを図っている
ソフトバンク ソフトバンクも3つのブランドで異なるユーザー層のニーズに応える

 一方で、メインブランドからサブブランドへの移行が加速すれば、収益性が低下するリスクがある。容量無制限や使い放題までは必要ないが、それなりのデータ容量は必要というユーザーが、割安なサブブランドの20GBプランに変更するケースがそれだ。高橋氏も「リスクという言葉は適切ではないが、料金コンシャスなお客さまがUQ mobileに移られることは、一定程度あると思う」と語る。実際、過去には、ソフトバンクからY!mobileへの移行が起り、APUR(1ユーザーあたりの平均利用額)が低下したこともあった。20GBは比較的大容量なため、以前より、移行のハードルは低くなるかもしれない。

 それにも関わらず、2社がサブブランドに力を入れるのは“解約抑止”と“新規獲得”という2つの目的がある。料金を理由に、メインブランドから流出するユーザーをサブブランドで受け止めることができれば、契約者数はプラスマイナス0になる。料金水準が安い分、収益的にはマイナスなるものの、0になってしまうことは防げる。サブブランドが魅力的なら、他社のメインブランドからユーザーを獲得する武器にもなる。ユーザー数が増えれば、結果として収益にも貢献する。

KDDI
ソフトバンク KDDI、ソフトバンクともに、解約抑止や新規獲得がサブブランドの主な役割

 サブブランドで新規に獲得したユーザーの一部がメインブランドに契約を変更すれば、その効果はさらに大きくなる。KDDIの高橋氏は、「auの5Gのよさをお伝えできれば、またアップセルしてもらえる。こういう循環を作れればいい」と語る。実際、KDDIではUQ mobileからauに契約を変更するユーザーが増えており、「効果を見ていると、昨年(2019年)10月に比べ、今年(2020年)の10月は3.5倍のアップセルを実現できている」(同)という。

 ソフトバンクも、当初はメインブランドのソフトバンクからサブブランドのY!mobileへの流出が続き、ARPUは低下してしまったが、徐々にサブブランドからメインブランドへ切り替えるユーザーが増加。2019年5月に開催された決算説明会では、2018年度に、初めてその比率が逆転し、ソフトバンクへの“転入超過”になったことが明かされた。こうしたユーザーを増やすには、サブブランドの20GBプランと、メインブランドのプランにどの程度の差があるのかをしっかり伝えていく必要がある。

ソフトバンク ソフトバンクは、2018年に初めてY!mobileからソフトバンクに転入するユーザーが、流出を上回った。アップセルの効果も出てきているようだ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月21日 更新
  1. ダイソーで330円の「人感・明暗センサーLEDバーライト(Type-C)」が意外と便利 1人暮らしの帰宅時や非常灯に便利  (2026年07月18日)
  2. なぜ「060」携帯番号は18カ月あっても延期になったのか? それでも「慌てる必要はない」現状 (2026年07月20日)
  3. 専用充電器はもう不要? 中韓スマホから国内勢まで巻き込む「USB PPS」急速充電の新常識 (2026年07月14日)
  4. 「Pixel 11」は何が変わる? メモリ減少で100ドル前後の値上げも? 出そろったうわさを整理する (2026年07月19日)
  5. ショップとAIで差別化を図る「ドコモの銀行」――住信SBIネット銀行ユーザーからは戸惑いも (2026年07月19日)
  6. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  7. 携帯番号に「060」が採用されるワケ 「電話番号とは何か」を歴史とともに振り返る (2024年10月09日)
  8. iPhoneやApple Watch一斉値上げ 17無印は14万2800円に、17eは10万円超え 加速する中古スマホ特需 (2026年07月18日)
  9. ドコモの「arrows Alpha」、残価変更と割引終了で2年33円→5万9180円に (2026年07月21日)
  10. “特典終了”が続く「d払い」「dポイント」のお得さはどう変わるのか これからは「dカード」の利用が得策? (2026年07月17日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー