世界を変える5G

万年4位にとどまるつもりはない――楽天モバイルの2020年とこれから(2/2 ページ)

» 2021年02月12日 21時50分 公開
[井上翔,ITmedia]
前のページへ 1|2       

質疑応答

 2月12日に行われた決算説明会では、楽天モバイルの事業に関する質問が相次いだ。回答は主に楽天の三木谷浩史社長(楽天モバイルの会長を兼務)が行ったが、一部は楽天モバイルの山田社長やアミン副社長も対応している。

 楽天モバイルに関連する主なやりとりは以下の通り。

三木谷さん 質疑に応じる楽天の三木谷浩史社長

―― 今回の決算では、設備投資が赤字として大きくかさんだようです。携帯事業の黒字化について「(ユーザーの)獲得コストは下がるので損益分岐点は変わるものの、そのめどは変わらない」という旨の発言を先日来していると思うのですが、黒字化のめどを改めて教えてください。

三木谷氏 黒字化のタイミングは、具体的には2023年という計画を(総務省には)提出しています。今のところは、そのタイミングに変更はありません。私たちの料金プランは1つ(Rakuten UN-LIMIT)しかないですが、Rakuten UN-LIMIT VIを発表してから申し込み者数が4倍近くに成長しています。いずれはスローダウンするかもしれませんが、非常に強い手応えを得ています。

 (携帯事業は)完全な固定費ビジネスではないものの、変動費は意外と少ないです。そういう意味では、売り上げに対する損益分岐点はそれほど変動しません。一方で、ARPU(1契約者当たりの平均収入)は(プランの仕様変更によって)多少下がると思いますので、ユーザーベースでの損益分岐点は上がるかと思います。

 ただ、実質的な損益分岐点は前倒しされると、個人的には思っています。何年も(赤字ベースの事業を行う)という訳には行きません。現在の予測では(黒字化が早まる可能性は)多少ある、といった感じです。

―― 基地局の設置計画が4万4000局と改められていますが、人口カバー率(の目標)は96%で据え置くという認識でよいでしょうか。それを超えるエリアカバーは地上基地局ではなく(低軌道)衛星からのエリア化をお考えなのでしょうか。

山田氏 4万4000局という数値は、人口カバー率96%を前提にした数値です。2年ほど前に総務省に提出した計画と比べると、より高密度化してつながりやすいネットワークを目指しているということです。ユーザーからの好評を受けて加入者数も増えてきているので、キャパシティ(収容数)を増やす目的もあります。

 96%から先(のエリアカバー)は、地上の基地局と衛星を組み合わせて作ろうと考えています。

三木谷氏 衛星からのカバレッジはキャパシティの問題もあります。人口密度によって地上局を立てるかどうかを考えます。最終的には地理的なカバレッジを99.9%を達成できると思っていますが、「96%で地上局は打ち止め」ではなくて(状況に応じて)さらに増やしていくということです。

―― 5Gエリアの人口カバー率はどうしていくお考えでしょうか。

三木谷氏 携帯電話が2Gから3G、3Gから4Gに置き換わっていったのと同様に、ゆくゆくは4Gは5Gに置き換わっていくと思います。その中でSub-6(6GHz帯未満の電波)、ミリ波、その対極にある低周波数帯――これを「5G」を呼んでいいのかどうかは難しい問題がありますが――と、将来的には4G(LTE)並みのカバレッジにしていくというビジョンに進化していきたいと思っています。

―― (MNOサービスにおける)当初計画の300万契約の達成が見えてきました。今後の目標が何かあれば教えてください。

三木谷氏 私たちとしては4位に甘んじているつもりはありません。契約者数は増やしていきます。(グループ企業の)楽天カードは、間もなく2200万契約という所まで増えてきています。穂坂さん(楽天カードの穂坂雅之社長:楽天の副会長を兼任)には申し訳ないですが、カードの会員数は軽く上回りたいと思っています。

―― (LTE)基地局への投資が30〜40%増えるということですが、5Gへの投資額として見えているものと合わせると1兆円規模になるかと思います。今期以降、モバイルへの投資は毎年どのくらいの規模で行われると考えればいいでしょうか。

山田氏 当初から出ている金額感から少し増えたという認識で大丈夫です。6000億円から3〜4割増えるというイメージで、それが4Gの(人口カバー率)96%まで高めるための累計の投資額ということになります。(筆者注:当初計画では2026年3月末までの累計で6000億円を投資する予定だったが、増額分を含めて前倒して投資することになる)

三木谷氏 カバレッジとキャパシティという問題もあります。先ほども「4位にとどまるつもりはない」という話をしましたが、当初の加入者数の計画よりもかなり多くなる見込みです。(投資額の)3〜4割の増加は「(当初計画よりも)加入者数が増える分、投資も増える」というイメージです。



前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月06日 更新
  1. KDDIのローミング終了で楽天モバイルはどう変わる? 心もとない700MHz帯、独り立ちのカギは5Gにあり (2026年10月03日)
  2. KDDIのローミング縮小でも「やめる理由にはならない」 楽天モバイルユーザー4人が語る本音と“経済圏”の囲い込み (2026年10月05日)
  3. ドコモがほぼ全ての料金プランを値上げ それよりも端末の値上げが気になるこの頃 (2026年10月03日)
  4. ドコモがRCSで同意未取得の不備 約1万6000件に影響、対象ユーザーは利用停止に (2026年10月04日)
  5. JALモバイルはなぜIIJに加え「ahamo」を選んだのか? JALとドコモが明かす“ホワイトレーベル”の狙い (2026年10月05日)
  6. 注目点は“可変絞り”だけじゃない! 「iPhone 18 Pro」のカメラは思った以上に変わっている (2026年10月05日)
  7. 高市首相がAppleに要請――「自殺防止機能の搭載を」 生成AIへの相談増加を受け (2026年10月03日)
  8. ahamoがついに料金プランを改定。段階制へ――「40GB」が業界の新たなスタンダードになるのか (2026年10月04日)
  9. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  10. WAON POINTやAEON Payのキャンペーンまとめ【10月4日最新版】 ポイント10〜20倍の獲得チャンス多数 (2026年10月04日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー