楽天モバイルのキャリアサービス、2021年3月末に全国エリアへ “宇宙”からのエリア化も視野に

» 2020年03月03日 18時15分 公開
[井上翔ITmedia]

 既報の通り、楽天モバイルは4月8日、モバイルキャリア(MNO)としてのサービスを本格的に開始する。

 本格サービスに合わせて用意された料金プラン「Rakuten UN-LIMIT(らくてんアンリミット)」は、自社で構築したエリアにおける高速データ通信は無制限に利用できる。その一方で、国内ローミングエリア(auネットワーク)と海外エリアでの高速データ通信は、月間2GBまでとなる。

 「月額2980円(税別)でデータ容量無制限」は魅力だが、そのメリットはいかに自社エリアを増やすかにかかっている。

2021年3月までに自社エリアを「全国」に拡大

 同社では、2020年3月末までに屋外LTE(4G)基地局を3432局設置する計画を総務省に提出している(参考記事)。2020年2月末時点で開設済みの屋外基地局は3490局で、既に目標値を上回っている。3月中にはこれを約4400局まで拡大する予定だという。

上振れ 屋外LTE基地局の設置数は、総務省に提出した計画よりも上振れしている

 しかし、現時点において屋外基地局を整備しているのは東京都、神奈川県、千葉県、愛知県、大阪府、京都府と兵庫県などの一部に限られており、屋外基地局の未整備エリアや屋内エリアについては、KDDIと沖縄セルラー電話が整備したau 4G LTEネットワークに頼っている。

 先述の通り、MNOサービスが本格的にスタートすると、auネットワークでの高速データ通信に容量制限が設けられる。ユーザーが接続しているネットワークは「my 楽天モバイルアプリ」で確認できるようになる予定だが、わざわざ「どちらのネットワークに接続しているのかな……?」と確認しながら使うのは、考えようによってはストレスフルといえる。

自社エリア少ない 2020年3月末段階のエリアイメージ。auへのローミングによって全国をカバーしているものの、自社エリアが少ないため「国内データ容量無制限」の恩恵にあずかれるユーザーは、このままでは限られる

 そこで楽天モバイルでは、基地局の設置をさらに前倒し、2021年3月までに自社ネットワークの提供エリアを全国に広げるという。

 ただし、具体的に「どこで」「どのくらいの範囲」が自社ネットワークのエリアとなるのかは、具体的に示されていない。しかし、MNOサービスの開始をもってMVNOサービスの新規受け付けを終了することから、“真剣”にエリア拡大を行う方針であることは間違いなさそうだ。

自社エリア拡大 2021年3月末までに自社ネットワークのエリアを全国に拡大する
終了 MVNOサービスは4月7日をもって新規受け付けを終了。MNOサービスのエリア拡大に真剣に取り組む姿勢を示したものと思われる

宇宙からのエリアカバーを視野に「AST」に出資

 楽天モバイルのエリアカバーは、“宇宙”から行うことも視野に入れている。

 同社の親会社である楽天は3月3日、米AST & Science(以下「AST」)と「戦略的パートナーシップ」を締結し、イギリスVodafoneと並ぶ筆頭株主となったことを発表した。

 ASTは「SpaceMobile」と呼ばれる低軌道人工衛星の開発に取り組んでいる。この人工衛星は宇宙空間からLTEや5Gエリアを構築できることが大きな特徴で、地上に設置されたLTE/5Gネットワークとシームレスにローミングできるという。

 宇宙からのエリアカバーが実現できれば、楽天モバイルは山間部を含めて全国で使えるようになる。地上の基地局が災害などで利用できなくなった場合も、宇宙からフォローすることもできる。

 SpaceMobileの試験機「BlueWalker 1」は現在、軌道上を周回しつつ実証実験を続けている。早期に実用化を果たし、日本での利用が認められれば、既存キャリアと比べエリア面で不利な楽天モバイルにとって、大きな“助け”となるだろう。

AST 楽天が出資したAST & Scienceは、宇宙からLTE/5Gネットワークを構築する「SpaceMobile」の開発に取り組んでいる

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年08月12日 更新
  1. 楽天の三木谷氏がStarlinkに言及――「正直に言って……」 AST SpaceMobileは過疎地域や海上で効果発揮か (2026年08月10日)
  2. 新幹線「独りぼっち席」が話題――「2000円追加で“隣が空席”」との声、なぜ導入? (2026年08月11日)
  3. LINEの「ミュートメッセージ」有料化へ 相手のスマホを鳴らさずに送れる便利機能 (2026年08月10日)
  4. 【ワークマン】1900円の「アーバンマルチストレージショルダー」 大きく開く小分けポケット搭載 (2026年08月10日)
  5. “デカすぎるハンディファン”と話題を集める「ゴリラの扇風機」を試す 羽根が大きいと風が強くて静か (2026年08月11日)
  6. 楽天モバイルの「営業損失」と「解約率」は改善を継続――楽天グループが2026年度第2四半期決算を発表 (2026年08月10日)
  7. KDDIからの独り立ちを目指す楽天モバイル、ローミング交渉の現在地――両社の考えを整理 (2026年08月10日)
  8. ハイエンドスマホ「arrows Alpha」、IIJで半額以下の3万円台に 11月4日21時59分まで【スマホお得情報】 (2026年08月10日)
  9. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  10. 米国外初の「Google Store 表参道」13日14時開店 限定ノベルティー配布 (2026年08月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー