カメラの手ブレ補正の手法は2つある。1つはデジタル処理、もう1つはブレと逆の方向にレンズを動かす光学処理である。iPhoneでは後者が採用されていた。スマホのカメラはサイコロのような形状をしており、それなりに高さがある。iPhone 12シリーズは本体の薄型化に伴い、カメラの高さも抑制する必要があったようだ。
iPhone 12 Pro Maxの望遠カメラレンズはiPhone 11 Pro Maxの樹脂6枚構成から樹脂6枚プラスガラス1枚の7枚構成となった。結果としてレンズが重くなり、レンズの代わりにその下にあるカメラのフィルムに相当するCMOSイメージセンサーを動かす「センサーシフト」が採用された。この新技術はアルプス電気が担当したと推定されている。
従来のレンズを動かす手ブレ補正のドライバーICやアクチュエータなどのメカコストはおよそ3ドルと見積もられている。センサーシフトのコストは7〜8ドルと推定している。現在はiPhoneの最上位機種のみ搭載されているが、カメラの低背化ニーズが広がれば、他の機種でも採用が進み、価格も下がる可能性がある。
iPhoneの魅力の1つは、常に将来モデルの話題が豊富な点だ。2021年モデルについてさまざまな予測が立てられている。現時点で確度の高い情報を幾つかご紹介する。2021年のモデル数は、iPhone 12シリーズと同様に4モデル構成となるようだ。ディスプレイは、上位2機種に韓国サムスンディスプレイの新型有機ELパネルが搭載され、従来パネルより20%省エネで、バッテリーの持ちが体感的に長くなることが期待されている。
2022年には、AppleがIntelから買収したモバイルチップ部門で開発されたICが、現在米QualcommのICの多くと置き換わると予想されている。Apple製ARグラスや自動車の話も話題となっており、これからも引き続き最新の情報をご報告したい。
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