ソニーのスマートウォッチ「wena 3」を試す 実用性向上も、Bluetooth接続は改善の余地あり(3/4 ページ)

» 2021年02月25日 10時30分 公開
[石井徹ITmedia]

可能性を感じるAlexa機能

 新機能のAlexa対応は、wena 3の可能性を広げるユニークな機能だ。使い方はシンプルで、wena 3に向かって話しかけ、しばらく待つとAlexaの応答が画面に表示される。ただし、Alexa機能はサーバとの通信が必要なため、スマホが接続圏内にある場合のみ利用できる。

wena 3 Amazonの音声アシスタント「Alexa」を利用できる

 Alexaの起動はwenaのメニュー項目から選ぶか、電源キーのショートカットに登録できる。「アレクサ」という発話ワードは不要だ。レスポンスは起動に1〜2秒、発話の認識から応答までに5〜10秒ほどと、スマホに直接話しかけるよりは遅い。それでも、スマホを取り出してアプリを起動するよりは素早く活用できそうだ。

 応答はテキストのみで、複雑な質問は「詳しくはスマホを開いて」という応答になることが多い。制約はあるものの、天気予報を確認したり、ふと耳にした言葉を調べたりするシーンでスマホを取り出すよりも手軽に素早く調べ物ができる点は魅力に感じた。

wena 3 聞き取りに若干の時間がかかるものの、30cmほど離してしゃべってもしっかり認識する
wena 3 「1987年は“平成”何年?」と聞いてみた

 Alexa機能では、家のスマート家電の操作も対応している。Alexa対応のスマートシーリングを登録しておけば、「リビングの電気をつけて」となどと話しかけて操作できる。例えば帰宅時に家の中を暖めておきたいときは、出先からwenaに話しかけてAlexa対応のエアコンを起動するといったように、アイデア次第では便利に使えそうだ。

 ただし、筆者がAmazon Alexaとの連携を試したときにはスマートホーム機器の操作機能は利用できなかった。以下は推測となるが、どうもwena 3アプリのAmazonとの連携に関する仕様が原因となっているようだ。wena 3アプリは米国版の「Amazon.com」アカウントと連携する仕様となっている。日本版のAmazon.co.jpと米国のAmazon.comの両方に登録があるメールアドレスの場合、米国版のアカウントが優先して接続されるため、日本版アカウントとひも付けたスマートホーム機器は操作できないようだ。

MAMORIO対応でwenaもスマホも探せる

 wena 3はまた、「MAMORIO」との連携機能も備えている。MAMORIOはスマホと連携する探し物タグだが、wenaの場合は本体がMAMORIOタグとして機能し、スマホから探せる。

wena 3

 MAMORIOは鉄道事業者と協力して、忘れ物センターにタグを検知する機器を置いているため、そういった場所で検知された場合もアプリに通知される。思い入れのある文字盤を使っている場合には特に重宝する機能となるだろう。

 反対に、時計の側からペアリングしているスマホを探す機能も備えている。スマホを探す機能はスマホ側から音を鳴らして、すぐ見つけることができる。

スマートロックも開錠できる

 同じソニーグループではスマートロック「Qrio」との連携機能も備えている。wena 3をQrioの鍵「Qrioキー」として登録できるというもので、機能としてはwenaのキーを押すだけでQrioを解錠できるという至ってシンプルな内容だ。電源キーのショートカットに設定すれば、より素早く起動できる。

wena 3

 スマホを取り出してアプリを使う手間も省けるため、Qrioを持っている人なら活用できるだろう。例えば家の前のごみ捨て場でごみ出しをして、ついでに近くのコンビニで買い物をするといったときに、わざわざスマホを出さずにwena 3だけで完結するのが便利だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年