ニュース
» 2021年03月29日 15時54分 公開

「TikTok」は未成年でも安心して使える? バイトダンスが“最重要事項”に掲げる施策(1/2 ページ)

短尺の動画を投稿するコミュニケーションサービス「TikTok」は、若者を中心に日本でも人気だ。提供元のバイトダンスは、安心安全のための施策を最重要事項に位置付けている。若年層がトラブルに巻き込まれないようルールを整備し、人気クリエーターと協力して啓発動画も作成している。

[小山安博,ITmedia]

 動画コミュニケーションサービス「TikTok」を提供するバイトダンスが3月26日、同社が取り組む青少年対策など、安心安全のための施策を説明した。「最重要事項」(執行役員公共政策本部長・山口琢也氏)として、継続的に対策を実施していく方針だ。

TikTok さまざまなツールに加え、啓発動画を作成して安心安全なSNSを目指すTikTok

 TikTokは、短尺の動画を投稿してユーザー同士がつながるSNSで、若者を中心に日本でも人気を得ている。もともとは中国発だが、中国版とグローバル版でサービスが分離しており、日本を含む中国以外の国では別サービスとして運営されているとしている。

 若者中心に普及しているため、TikTokではさまざまな問題が起こりうる。2018年9月に入社したという山口氏は、問題が発生することを予測して、当初から安心安全に対する取り組みを強化してきたという。

TikTok 公共政策本部長の山口琢也氏

4つの柱からなる、安心安全に対する取り組み

 その取り組みは4つの柱からなっている。1つ目がルールの整備。利用規約に加えて、どのようなコンテンツをアップロードしてもいいか、どんなコメントをしていいかといったコミュニティガイドラインを整備し、「プライバシーは最も重要」としてプライバシーポリシーも策定。この3つのルールは随時見直しているという。モデレーションの仕組みも常にアップデートし、自殺、自傷行為、虐待など、ユーザーに問題が差し迫っていると判断した場合は関係当局に連絡するなどの連携も推進しているそうだ。

 2つ目がツールの整備で、TikTokでは安心安全に使ってもらうための設定を整備。アカウントを非公開にする、不適切なユーザーをブロックする、自分の動画にコメントできる人を選択する機能などを提供。特に問題となるDM(ダイレクトメッセージ)も自分に送信できる人を選択できる設定を用意した。また、ペアレンタルコントロール機能は、「世界で初めて日本で提供開始した」(山口氏)という。

 3つ目は教育・啓発の推進で、TikTokらしく動画を積極的に活用し、人気クリエーターと協力して啓発動画を作成し、普段の動画視聴の流れで啓発動画を視聴できるような環境を整備している。学校に直接訪問するオフラインの啓発活動も行っており、親子で参加するセミナーも開催。一緒にペアレンタルコントロールを学んでもらい、親子で会話してもらうことも狙っているそうだ。

 4つ目は関係各所との連携で、これも日本が世界に先駆けて導入したというセーフティパートナーカウンシルを設立し、関係NPOなどと協議をする場を設け、2018年から四半期に一度のペースで開催。学識経験者や政府関係者も参加し、最新動向を共有するとともに問題の把握や改善点の指導なども受けているそうだ。ただ、ここ数カ月は、コロナ禍の影響で開催できていないという。

16歳未満のユーザーはDMを廃止、初期設定でアカウント非公開に

 これら4本柱の対策に加え、透明性レポートも重視。どのようなモデレーションをしているか、各国政府機関からどういった情報開示請求があるかといった情報を提供している。2020年9月には「TikTok T&Aセンター(透明化・説明責任情報公開センター)」を米ニューヨークとロサンゼルスに開設。これはTikTokのモデレーションのルールやレコメンデーションのアルゴリズムなど、ソースコードレベルで確認できるセンターで、専門家が詳細にTikTokの動作を確認できるようになっているという(現在は新型コロナの影響でオンラインのみ)。

 こうした方針の具体的な施策としては、未成年者保護のために16歳未満のユーザーのDMを廃止した他、2021年に入って16歳未満のユーザーのプライバシー設定がデフォルトでアカウント非公開とした。これによって本人がフォロワーとして承認した人だけしか動画が見られないようになる。「情報を公開するかどうか、慎重に意思決定してほしい」(同社)という考えからだという。

TikTok 青少年保護のための具体的な施策。16歳未満のプライバシー保護を強化

 同時に、自分の動画にコメントできる人も「友だちのみ」か「オフ」の2種類から選択する形で、通常の「誰でも」が選べないようにした。TikTok特有の「デュエット」「リミックス」といった機能は、16歳未満が上げた動画では利用できず、ダウンロードもできない。これによって本人の意図しない動画の引用、悪用、拡散を防ぐ効果もあるという。

 2020年1月には新規ユーザーの年齢認証を導入したが、既存ユーザーに対しても年齢を確認する機能を追加し、全てのユーザーが年齢確認を行った上で利用するようにした。TikTokはもともと13歳未満の利用を禁止しており、そうした中での対策だ。年齢認証は自己申告だが、アップされている動画などをAIで分析して、年齢層を推定するといったこともしているそうだ。

ペアレンタルコントロールやコメント機能の強化も

 ペアレンタルコントロールの導入は2019年4月。保護者が自分のTikTokアカウントと子どものアカウントを連携させることで、保護者の端末から子どものアカウント管理が可能になる。使用時間を制限したり、見られるコンテンツの質を制限したり、DMの利用を制限したりといった設定が可能となっている。

TikTok ペアレンタルコントロールを強化

 これが2020年11月にアップデート。子どもが動画やユーザー、ハッシュタグ、楽曲といった検索を制限する機能を提供。子どもの動画にコメントできる人の範囲を「全て」「友だち」「誰もコメントできない」という設定もできるようになった。TikTokではユーザーが動画に「いいね」をしたリストが公開されるが、これを非公開にもできる。子どものアカウント自体を非公開とすることも可能だ。

 TikTokアプリ自体はDMやコメントの削除、ブロック、通報といった機能も備えており、ユーザー自身がコントロールできる。誹謗(ひぼう)中傷を防止する観点から、2021年3月には「すべてのコメントのフィルタリング」機能を追加し、コメントを承認しないと表示されないように設定できる。

TikTok 誹謗中傷を防止するためのさまざまな取り組み

 同時に、コメント入力時にAIが単語をチェックして、いじめやハラスメントなど、配慮に欠けるキーワードが検知された場合、登校前に再考を促すメッセージを表示する機能も追加された。

 少し異なる観点だが、光感受性てんかんのある人でも安心して利用できるように、誘発するような恐れのあるエフェクトを使用して動画を投稿しようとすると、投稿者に注意書きを表示したり、動画をAIが解析して誘発する恐れのある動画を表示する前に注意を表示したりする機能も搭載した。

TikTok 光感受性てんかんのある人でも安心できるような機能も搭載
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia Mobile に「いいね!」しよう