au、ソフトバンクと連携を深めるフードデリバリー 「dデリバリー」を失ったドコモはどう出る?石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2021年06月05日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

キャリアが熱視線を注ぐフードデリバリーサービスの現状

 決済サービスを軸にした経済圏を拡大しようとしているキャリアにとって、その入り口の1つであるフードデリバリーサービスの重要性は高い。資本業務提携でmenuを自陣営に呼び込んだ格好のKDDIだが、この分野で先行しているのは、やはりソフトバンクだろう。ソフトバンクは、傘下のLINEが出前館を実質的な子会社に持つ他、先に挙げたUber Eatsを展開する米Uber Technologiesにも、ソフトバンクグループが出資し大株主になっている。タクシー配車アプリのDiDiも、関西圏や福岡などで、DiDi Foodというデリバリーサービスを展開する。

ソフトバンク グループの資産を使って差別化を図る戦略のソフトバンク。LINEは傘下に出前館を擁し、フードデリバリーサービスを展開

 ソフトバンク傘下のPayPayは、Uber Eatsのミニアプリを搭載する他、出前館でもPayPayのネット決済を利用可能。出前館は、LINEとのIDやポイントでの連携も導入済み。KDDIがmenuとの資本業務提携で実現しようとしているサービスの一部は、既に実現済みだ。グループ内でフードデリバリーサービスが複数あり、競合しすぎている状況をどう整理するのかがソフトバンクにとっての課題といえそうだが、キャリアごとのサービスとして見たとき、一歩リードしているのも事実だ。

PayPay PayPayには、Uber Eatsのミニアプリが搭載されている

 一方で、フードデリバリーサービスを手掛けていないのが、ドコモだ。同社は出前館のプラットフォームを利用する形でdデリバリーを展開していたが、5月に注文の受付を終了。サービスそのものも、6月いっぱいで幕を閉じる。dデリバリーを閉鎖した代わりに、出前館でdポイントを増量するキャンペーンなどを展開しているが、menuと資本業務提携したKDDIや、グループ内に複数のフードデリバリーサービスを抱えるソフトバンクに比べ、出遅れている印象も受ける。

 d払いのような決済機能を提供するだけなら、特定の事業者と提携する必要はないが、ID連携やデータ連携などをしていくうえでは、自社サービスや資本関係のある提携先の重要性が増す。ドコモは、NTTによる完全子会社化以降、サービスの見直しを進めている。dデリバリーも“リストラ対象”の1つになった格好だが、コロナ化でフードデリバリー市場が伸びる中、競合他社に後れを取っているようにも見える。dデリバリーに代わる、次の一手に期待したいところだ。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月12日 更新
  1. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」は何が違う? 3万円の価格差をスペックから検証する (2026年03月10日)
  2. 「iPad Air(M4)」実機レビュー 「もうProじゃなくてもいい」と思えた性能、だからこそ欲しかったFace ID (2026年03月09日)
  3. 「iPhone 17e」を試して分かった“16eからの進化” ストレージ倍増と実質値下げで「10万円以下の決定版」に (2026年03月09日)
  4. 自分で修理できるスマホ「Fairphone(6th Gen.)」を見てきた わずか10分で画面交換、2033年まで長期サポート (2026年03月10日)
  5. 携帯キャリアの通信9サービス、総合満足度はpovoがトップ サブブランド勢が好調 MMDが調査 (2026年03月10日)
  6. キーボード付きスマホ「Titan 2 Elite」がUnihertzから登場 実機に触れて分かった“絶妙なサイズ感” (2026年03月09日)
  7. 60ms未満の音声遅延速度で端末をワイヤレス化「UGREEN USBオーディオトランスミッター」が30%オフの2309円に (2026年03月09日)
  8. Qualcommのウェアラブル新チップが「Elite」を冠する理由 最新モデム「X105」は衛星通信100Mbpsへ (2026年03月11日)
  9. 「えっ、地震?」──LINEが安否確認テスト 1日限定で 「紛らわしい」との声も (2026年03月10日)
  10. 【無印良品】ウエストポーチもになる「スリングバッグ」が3990円に値下げ中 植物由来の原料を使用 (2026年03月11日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年