au、ソフトバンクと連携を深めるフードデリバリー 「dデリバリー」を失ったドコモはどう出る?:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2021年06月05日 06時00分 公開
[石野純也,ITmedia]

まずはキャンペーンから、IDやユーザーデータの連携も視野に

 では、資本業務提携により、どのようなサービスが実現するのか。短期的に見ると、au向けの割引がユーザーにとってのメリットといえそうだ。資本業務提携が発表された6月2日には、auスマートパスプレミアム会員向けのキャンペーンを開始。auスマートパスプレミアムに新規登録した際に、合計4000円分のクーポンを発行する(既存の会員は3000円分)。会員数の規模の大きなau PAYからmenuへの送客を行う取り組みも実施済み。au PAYアプリの「おすすめサービス」の1つに、KDDIグループ内のサービスと並んでmenuが加わっている。

auとmenu auスマートパスプレミアムの新規会員用クーポンを用意。既存会員も、menuの新規登録で3000円分のクーポンを利用できる

 現状、menuでの支払いにはクレジットカードの登録が必要だが、7月にはau PAYのネット決済が加わり、au PAY残高の利用が可能になるという。現状でもau WALLETプリペイドカードを登録すれば、au PAYの残高で決済することは可能だが、ネット決済が加われば、使い勝手はさらに高まる。マスターカードのプラットフォームを介さないau PAYのネット決済は、KDDIにとって、手数料を節約する効果もありそうだ。

auとmenu 7月にはau PAYのネット決済にも対応する

 さらに、au PAY内にmenuのミニアプリを搭載することも検討しているという。現状はあくまでmenuのアプリへのリンクが張られているにすぎないが、ミニアプリが加われば、au PAYアプリからダイレクトに食べ物の注文が可能になる。これらがユーザーやKDDI、menuにとっての短期的な資本業務提携の効果といえる。一方で、この取り組みはより長期的なID連携やデータの相互活用まで視野に入れたものだ。

 将来的には、au IDとmenu、双方のIDを連携させ、ユーザーの購買履歴などを元にしたマーケティングを強化していくという。多田氏によると、「通常のデリバリーは店舗内飲食とは異なり、店舗側からはデリバリー事業者の先に、どのようなお客さまがいるのかが分からない」ことが課題になっているという。そのため、デリバリーを利用したユーザーが店舗を利用した際に、データに基づいてお勧めのメニューを提案するといったことができない。逆も同様で、店舗内ではデータが取れていても、その情報をデリバリーに生かすのが難しい。

auとmenu ID連携により、店舗側がユーザーへのおすすめをしやすくなる

 多田氏によると、店舗内の決済に利用できるau PAYのau IDと、デリバリーを行うmenuのIDを連携させてデータを統合すれば、こうした課題が解決される可能性があるという。また、au PAYやPontaを組み合わせれば、より幅広い業種とコラボレーションできる。例えば、デリバリーで人気のメニューを元にコンビニエンスストアが商品を開発したり、デリバリーでニーズの高い商品をそろえるのに活用できたりと、マーケティングの幅が広がる。menuとの資本業務提携は、こうしたゴールを見すえたものだという。

auとmenu 異業種で、飲食店やフードデリバリーの情報をマーケティングに役立てることも可能になる

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