世界を変える5G

「razr 5G」や「moto g100」を投入 モトローラが高価格帯モデルにも注力する理由SIMロックフリースマホメーカーに聞く(2/3 ページ)

» 2021年06月09日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

海外モデルとのタイムラグは徐々に短くしていく

―― g100の上にはなりますが、razr 5GのプロセッサはSnapdragon 765Gで、パフォーマンスが逆転しているような印象も受けます。これについてはいかがでしょうか。

松原氏 razr 5Gは、「CPUがどう」ということを飛び抜けた端末です。800番台のチップを使うこともできましたが、ユースケースやバッテリーの持ちなど、トータルで考えたときに、一番いいセットとしてシカゴのエンジニアがSnapdragon 765Gを選択しています。これは車の世界でもそうですが、エンジンが強力で高い車もあれば、そうでなくても高い車もあります。razr 5Gは、そういったスペック競争から一歩飛び出し、次の価値観をお見せすることにトライした端末です。

モトローラ プロセッサはmoto g100よりも低スペックながら、折りたたみという飛び抜けた個性を持つ「motorola razr 5G」

―― 発売後の実績はいかがでしたか。

松原氏 もともと数を追う製品ではありません。モトローラの考えや世界観を、製品の形で見ていただけるシンボルのような役割だと考えていました。実績はどうかというと、弊社が考えていた当初のプランより順調です。ご存じの通り、オープンモデルとしてSIMフリーで出した分と、ソフトバンクに納品した分の2つがありますが、両方とも反響が大きく、数的にも思っていた通りか、少し上振れする形で出ています。

―― 一方で、海外モデルとのタイムラグが少々あったようにも見えました。

松原氏 razr 5Gは特殊な背景もあり、確かに少しタイムラグがありました。ただ、一般的なタイムラグに関しては、以前より短くなっています。以前だと3カ月、4カ月、中には5カ月というものもありましたが、これは徐々に短くしていく方向です。日本特有の認証など、避けられないプロセスはありますが、あと少し短縮することは可能だと考えています。

―― 国内向けに対応バンドを合わせたり、認証を取ったりはあると思いますが、一歩進めて、おサイフケータイなどのローカライズをするお考えはありますか。

松原氏 いろいろなパターンが考えられます。特別な端末を出すこともあれば、グローバルの端末に日本向けのフィーチャー(機能)を入れ、スクラッチから日本のデザインを入れるということも考えられます。全ての可能性は、いつも検討しています。求められるスペックや価格があるので、そこにミートするかどうかの観点で、可能性を見極めながら製品企画をしていくことになります。

―― 障壁もありそうですが。

松原氏 障壁はゼロではありません。インパクトはありますが、それを踏まえた上で、欲しているお客さまが多いとなれば、あえて踏み込むことは考えられます。

キャリアの新料金プランで想定と違う動きがあった

―― razr 5Gは、キャリアモデルとしてソフトバンクからも発売されました。久々のキャリアモデルですが、この比率を増やしていくお考えはありますか。

松原氏 もちろんありますし、キャリアともいろいろな議論をしています。razr 5Gのような価格レンジの端末は象徴的ですが、あの価格帯になると、CPUに思いっきり振ってみたり、カメラをよくしたりと、自由度が高くなります。伝えたいことに沿ったモデルが出せるということです。低価格だと、そういった自由度が低くなりますが、われわれとしては、業界に一石を投じられるものを出していきたい。キャリアにも、こういった商品が考えられるといった提案は、積極的にやっていきます。

モトローラ razr 5Gはソフトバンクも取り扱う。ドコモやauでの取り扱いも期待される

―― 3月には大手3キャリアのオンライン専用プラン、ブランドがスタートしました。ahamoを除き、基本的には端末を取り扱っていませんが、SIMフリーについて、何かポジティブな影響はありましたか。

松原氏 その話が出る前から、月々の料金プランと端末価格を消費者に対して明確に分かれた形で見せていく流れがありました。アグレッシブなプランが出てきたことで、その流れが加速している実感はあります。消費者に認識されていなかったスマホの価格が、現実の数字として見やすくなっています。ここが、端末メーカーとしての競争のしどころです。特徴を持った端末を出したり、ユースケースを考えたりしてご提案していけます。

―― 全体を通した販売状況はいかがでしょうか。SIMフリー市場に参入後は、継続的に成長していたと思います。

松原氏 おかげさまでラインアップが増えていますし、チームも拡充しています。それに比例して、出荷台数も増えています。ただし、今年(2021年)の春商戦は、各キャリアから攻めた料金プランが出た関係もあり、想定と違う動きはありました。台数的に、本来このタイミングで出るというものにタイムラグがあったということです。コンシューマーの皆さまも、いろいろなプランが出ていたので、それを決めてから購入に至っていたのではないでしょうか。そういう影響は、メーカー側からもみて取れました。

―― 簡単に言うと、3月のオンライン専用プランや、4月のMVNOの料金改定を待ってから購入したので、ボリュームが出るタイミングが後ろにズレたということでしょうか。

松原氏 大体そういった流れで、少しずつ後ろにズレています。

―― 前年度と比べていかがでしょうか。

松原氏 そこは開示できませんが、先の四半期で想定外の動きがありました。ただし、ペース的には調子が戻ってきているので、プラン通りになりそうです。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月14日 更新
  1. 誤爆で「ワインが20本も届いちゃう」 押せば注文できる“Amazon Dash Button ”とは何だったのか (2026年07月11日)
  2. スマホをタッチせずに改札もレジも通過 日本で広がる「UWBタッチレス決済」最前線 (2026年07月10日)
  3. ポケモンGOからNianticのロゴが消える 起動画面に「SCOPELY EXPLORE」、10周年の節目に (2026年07月12日)
  4. その使い方、発火リスクあります──モバイルバッテリーで真夏にやってはいけないこと INFORICHが啓発 (2026年07月13日)
  5. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  6. スペックが同じに見えるNothingの「Phone (4a)」と「Phone (4a) Pro」のカメラ 撮り比べて分かった“意外な違い” (2026年07月13日)
  7. ヨドバシカメラがまた“百貨店に進出” 池袋の次は“旧名鉄百貨店跡地”に、駅直結一等地 (2026年07月11日)
  8. スマホは本当に会話を「盗聴」して広告を出しているのか? 専門調査と最新事例から考える (2026年07月13日)
  9. 「060」携帯電話番号の提供延期の原因は? 林総務大臣が改めて説明 (2026年07月10日)
  10. ドコモFGが仕掛ける「グループ連携」と「金融AI構想」 通信との融合でKDDIやソフトバンクに追い付けるか (2026年07月11日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー