モトローラのスマホは「2019年度比で倍以上に」 ハイエンド機にも意欲 松原社長に聞くSIMロックフリースマホメーカーに聞く(1/3 ページ)

» 2020年10月26日 13時13分 公開
[石野純也ITmedia]

 モトローラ・モビリティ・ジャパンが10月26日、ミドルレンジモデルの「moto g9 play」と、ビジネス仕様を充実させた「moto g PRO」の2機種を発表した。いずれもSIMロックフリーモデルで、前者は直販で2万4800円、後者は3万5800円(いずれも税込み)とリーズナブルな価格を打ち出している。いずれも、同社にとってのボリュームゾーンになる「gシリーズ」で、ラインアップの幅を広げた格好だ。

モトローラ トリプルカメラや5000mAhバッテリーを搭載して2万4800円(税込み)という価格を実現した「moto g9 play」
モトローラ スタイラスペン付きのAndroid Oneスマートフォン「moto g PRO」

 ミドルレンジモデルの販売が上向いていることを好機と捉え、同社は日本での事業をさらに拡大しようとしている。その一環として、7月1日には松原丈太氏が社長に就任。前任のダニー・アダモポウロス氏はアジア・パシフィックを中心とした日本以外の地域担当を兼任していたのに対し、松原氏は日本市場の専任となる。事業拡大に向け、社内体制も強化しているようだ。

 ユーザーにとっても、今まで以上にモトローラ端末の選択肢が増えることになりそうだ。松原氏は、ハイエンドモデルも含め、モトローラ端末のバリエーションを広げていきたいと語る。就任初年度ながら、4月から始まる会計年度単体で見たときの端末数も、2倍以上に拡大していくという。そんな松原氏に、社長就任の経緯や意気込みを語ってもらった。

もっと日本に注力するというトップの判断

モトローラ モトローラ・モビリティ・ジャパンの松原丈太社長

―― まずは、社長就任までの経歴などをお話しいただけないでしょうか。

松原氏 もともと大学時代は理系のエンジニアで、ソフトウェアの分野から通信に興味を持ち、キャリアのスタート時点からずっと通信畑を歩んできました。最初に入社したのが、まだ分割前だったNTTです。そこではソフトウェアエンジニアとして仕事をしていましたが、いつからか、モバイルに興味を持ち、最初はインフラ、そこから徐々にハンドセットへと移っていきました。ハンドセットメーカーとしては、以前HTC Nipponにいましたが、そういったところを経由して、憧れだったモトローラに来ることになりました。

―― やはり、通信と言えばモトローラですか(笑)。

松原氏 この業界にいると、憧れのようなものがありますね(笑)。

―― 端的に言って、日本での事業を強化するためという理解でよろしいでしょうか。

松原氏 ダニー(アダモポウロス前社長)はものすごくエネルギッシュな人間で、今もAPAC(アジア・パシフィック)を見ています。彼のおかげで土台ができましたが、もっともっと日本に注力したいというトップの判断があり、日本のメンバーも増強しています。より面白い端末も、どんどん出していきたいと考えています。

2020年度は前年度比で倍以上の端末を出す

―― その一環が、今回発表したmoto g9 playとmoto g PROでしょうか。

松原氏 モトローラとして目指したいところはいろいろありますが、g9シリーズはどちらかというとリーズナブルな価格で、皆さんにどんどん使っていただけることを考えたものです。こういった品質が高く、動きも軽快なスマートフォンはどんどん出していきたいですね。モトローラの会計年度は4月からですが、今年度(2020年度)は前年度比で倍以上の端末をリリースできればと考えています。

モトローラ
モトローラ moto g9 play

―― moto g PROは、スタイラス内蔵でビジネス利用を強く打ち出しています。法人市場にも取り組んでいくのでしょうか。

松原氏 重点販路としてやっていきたいと考えています。法人に販売するには、法人ならではのサポートがあり、そういったきめ細かなところには今まで対応できていませんでした。それには力を入れていきたいと考えています。

―― グループのレノボの力を借りることもあるのでしょうか。

松原氏 レノボの法人営業と組んで、そのチャネルを生かしながら提案していくことも、積極的にやっていきたいですね。

モトローラ
モトローラ スタイラスペンを本体に収納できるmoto g PRO
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