モトローラのスマホは「2019年度比で倍以上に」 ハイエンド機にも意欲 松原社長に聞くSIMロックフリースマホメーカーに聞く(2/3 ページ)

» 2020年10月26日 13時13分 公開
[石野純也ITmedia]

ビックリするようなハイエンドスマホも出したい

―― 先ほど、目指すところがいろいろあるとおっしゃいましたが、ミドルレンジ以外にも広げていくという意味合いでしょうか。

松原氏 SIMフリーの端末は格安スマホと呼ばれることもあり、消費者の意識や関心も高くなっています。ここには、しっかりといいものを出し続けていきたいのですが、それだけではつまらない。皆さんが「こんなものもあるんですか!?」とビックリするようなものにもチャレンジしたいですね。ご存じかと思いますが、モトローラはグローバルだと、ハイエンド端末が顔になっていて、評価も高い。それをそのまま日本で出すとなると、投資という意味でなかなか大変な面もありましたが、そこも積極的にやっていきたいと考えています。

―― 例えば、(razrなど)折りたためたりとか(笑)。就任記念にぜひお願いします。

松原氏 就任したんだからやってくれと、本社にねじ込んでいる最中です。バリュー・フォー・プライスばかりではつまらないですし、携帯業界が停滞してしまいます。製品に限らず、サービスもいろいろなことを考えていきたいですね。

モトローラ moto gやeのミッドレンジ〜エントリーモデル以外に、先進的なモデルも投入していく

FeliCaの対応も前向きに検討したい

―― 一方で、他のメーカーを見ると、日本市場へのローカライズも積極的に行っているところもあります。こちらについては、松原さんが就任されて、何か変化はあるのでしょうか。

松原氏 ゆくゆくは、そういったところまで考えていきたいですね。日本のコンシューマーのユニークなリクワイアメント(要求)は確かに存在します。こちらについては、徐々に体制を整えながら対応していきたいと思います。

―― FeliCa対応も望まれていると思います。

松原氏 そこは、日本の消費者と向き合う上で、避けては通れません。前向きに検討したいと考えています。まだまだニーズはありますからね。

―― 松原さんが社長に就任されて、組織的にも変わっていくのでしょうか。

松原氏 1つのコミットメントの側面ですが、私はシカゴのCFO(最高財務責任者)に直でレポートする形になっています。一般的には、カントリーを任される人間と本社の間に、別の人間が入りますが、日本は重点的に見ていく国ということで、ダイレクトな組織になっています。日本は、まだまだこれからも増強していきます。まだそんなに大きな組織ではありませんが、モトローラのいいところは、全世界からのサポートを受けられることです。ファイナンスのバックアップはインドの人たち、製品はブラジルやシカゴ、生産は中国と、日本のチームはまだまだ小さいですが、全世界からバックアップしてもらえます。そのぶん、会話がとんちんかんになることもありますが(笑)。

右肩上がりで成長を続けている要因は?

―― ダニーさんが社長をされていたころは、業績が右肩上がりというお話がありました。それについては、今も続いているのでしょうか。

松原氏 数字は公開できませんが、かなりの割合で右肩上がりになっています。ただ、コロナの影響はご多分に漏れずありました。年度の始まりに影響が出ています。ただ、そのぶん市場も変わっていきますし、ユーザーの意識としてオンライン化がどんどん進んでいるので、チャンスもあると捉えるようにしています。

―― その成長要因は、どう分析されていますか。

松原氏 他社のことはなかなか分かりませんが、大体(通信の)ジェネレーションが変わるときには、ギャップができ、メーカーが入れ替わることがあります。今からそういったタイミングが来ると思っているので、他社もいろいろ考えているとは思いますが、モトローラはモトローラの強みを掘り下げていきたいと考えています。

―― その強みとはどういったものでしょうか。

松原氏 1つはクオリティーだと思っています。ここは長年の経験があり、鍛え上げられています。それと、バリュー・フォー・プライスですね。お求めやすい価格で、十分な機能の端末を出していくことができます。他にも強みはいろいろありますが、今後リリースしていく製品の中でぜひご確認いただければと思います。

モトローラ gシリーズではユーザーのニーズを追求しつつ、購入しやすい価格帯を特徴としている

―― ブランド力も、その1つでしょうか。

松原氏 それもあります。モトローラはアメリカ発のブランドですが、多様化していて、世界中で協力しながらビジネスを回しています。そういった多様性をアイデンティティーとして大事にしています。私たちのブランドがどういうものであるかは、もっと分かりやすい形で皆さんにお伝えしていきたいと考えています。また、認知度はまだまだ上げていく必要があります。私たちならではの方法で認知を上げ、ブランドを知っていただきたいですね。

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