インタビュー
» 2020年02月27日 11時37分 公開

SIMロックフリースマホメーカーに聞く:改正法施行後もモトローラが好調の理由、「razr」日本投入の可能性は? ダニー・アダモポウロス社長に聞く (1/2)

モトローラの最新スマートフォン「moto g8 plus」は、カメラやバッテリーなどの機能を強化した一方で、価格を3万8800円(税込み)に抑えた。電気通信事業法が改正された後も、日本でのモトローラの事業は好調だという。同社の戦略を、ダニー・アダモポウロス社長に聞いた。

[石野純也,ITmedia]

 モトローラ・モビリティ・ジャパンが、ミドルレンジのSIMロックフリースマートフォン「moto g8 plus」を発表した。同モデルは、ミドルレンジながらトリプルカメラを搭載し、メインのセンサーは4つの画素を1つにして感度を上げる「ナイトビジョン」に対応。アクションカメラのように、縦位置のまま横位置の広角動画を撮れる「アクションカム」にも対応する。

 バッテリーも4000mAhと大容量化し、スピーカーもドルビーオーディオ対応のステレオに。機能を全面的に強化した一方で、先代にあたる「moto g7 plus」から価格を10%程度値下げした、3万8800円(税込み)を実現した。モトローラは、moto g8 plusで販路も拡大。取り扱うMVNOの数を2019年からさらに増やし、計8社の事業者で販売されるという。

moto g8 plus
moto g8 plus 3月16日に発売予定の「moto g8 plus」。カラーはコズミックブルーとポイズンベリー

 一方で、moto g7シリーズのときは、派生モデルを含めて3機種を一気に展開するなど、“面を取りにいく”戦略だったのに対し、moto g8 plusは1機種で発表された。ハイエンドモデルも、しばらくお休みになっている。海外では、フィーチャーフォンで人気の高かった「razr」をフォルダブルスマートフォンとして復活させ、話題を集めているだけに、日本での計画も気になるところだ。新機種投入の経緯とともに、こうした疑問の数々をモトローラ・モビリティ・ジャパンのダニー・アダモポウロス社長にぶつけた。

moto g8 plus ダニー・アダモポウロス社長

moto g8 plusは従来よりも前倒しで日本に導入

―― 最初に、moto g8 plusの特徴を紹介してください。

アダモポウロス氏 moto g7 plusの後継機で、カメラがトリプルカメラになったのが最大の特徴です。ナイトビジョンで、4つの画素を1つに合わせることもできます。スピーカーはドルビー対応のステレオに、ディスプレイも19:9のフルHD+になりました。また、カメラ位置を本体の側面寄りにずらしたことで、バッテリー容量を増やすことが可能になり、moto g8 plusでは4000mAhのバッテリーを搭載しています。これによって、連続駆動時間が40時間になりました。

moto g8 plus 最長で約40時間駆動するという4000mAhのバッテリーを搭載しApp Town

―― 一言で言うと、カメラを大幅に強化したミドルレンジモデルということでよろしいでしょうか。

アダモポウロス氏 はい。カメラ機能が最高のミドルレンジスマートフォンの1つという位置付けです。低光量でも非常に優れた性能を示すカメラや、超広角レンズが特徴です。超広角レンズは、撮影時に縦位置で持ったまま撮影ができます。背景を少しボカしたり、スローモーションにしたり、被写体の一部だけが動くといった機能もあります。他にも、被写体に合わせて生成した構図を決めるための分割線を表示できたり、スマイルキャプチャー(笑顔シャッター)を搭載したりと、さまざまな機能に対応しています。

moto g8 plus 4800万画素の標準カメラ、1600万画素の超広角アクションカメラ、500万画素の深度測定用カメラを搭載

―― moto g7 plusが発売されたのは、昨年(2019年)の6月でした。それを考えると、moto g8 plusはかなり発売を前倒しにしている印象も受けますが、いかがでしょうか。

アダモポウロス氏 moto g8ファミリーは、他の国では11月にローンチが始まっています。ですから、日本でも、昨年より発売を前倒しています。モトローラは、ワールドワイドの会社なので、世界各地で開発を行っています。ソフトウェアのインテグレーションはブラジル、ソフトウェア開発は中国、IOT(インターオペラビリティテスト=ネットワークの相互運用性試験)は日本で、インドの拠点ではQualcommと開発を行っています。日本でやや遅れたのは、クリスマスや年末年始、さらに春節や祝日も多く、承認に時間がかかったからです。IOTや工場のテストの関係で、このタイミングになりました。

―― 今、IOTは日本でとおっしゃっていましたが、日本で行ったIOTが、グローバルの端末に反映されているということでしょうか。

アダモポウロス氏 IOTは、KDDIやY!mobile(ソフトバンク)とやりました。彼らからのフィードバックを受け、インドの拠点でQualcommと(改善点を)フィックスしています。moto g8 plusに関して言うと、ソフトウェアは欧州、中近東、アジアで共通のものです。北米と南米は、ハードウェアのコンフィギュレーション(構造)が違います。日本のキャリアと(IOTを)やることで、より多くのもの(検証、改善項目)が出てきて、結果として品質がよくなります。

ミッドレンジは改正法でむしろプラスに転じている

―― moto g7のときは、一気に3機種の発表でした。moto g8はmoto g8 plusだけなのでしょうか。

アダモポウロス氏  これからのアナウンスをお楽しみにしていてください。

―― 昨年10月に電気通信事業法が改正されました。この影響はどう出ていますか。

アダモポウロス氏 いい質問です。第4四半期(10月から12月)の数字が出てきていますが、改正の影響を受けたのは、ハイエンドスマートフォンです。それに対して、3万円から5万円ぐらいのミドルレンジモデルは伸びています。他のメーカーが改正の影響を受けたかというとYESですが、モトローラは受けていません。むしろ、プラスになっているといえるでしょう。モトローラはSIMフリーでやっていますから、このような状況に変わったことで、お金を出す価値が見えるようになってきているのだと思います。

―― 販売台数も伸びていると見ていいのでしょうか。

アダモポウロス氏 対前年比で売り上げは伸びていて、これは大変うれしく思っています。

moto g8 plus 2019年の端末販売数も伸びている

―― その主な要因を教えてください。

アダモポウロス氏 事業が伸びた理由の1つは、パートナーが伸びたからです。2018年には4社から6社にMVNOが拡大し、2020年はそれが8社になっています。より多くのパートナーを獲得でき、フットプリントを拡大しています。これによって、より多くのお客さまにモトローラの製品を買っていただけるようになりました。

―― 製品のコストパフォーマンスが、より評価されているということもあるのでしょうか。

アダモポウロス氏 製品自体もそうですが、日本で「真の価格」が見えるようになったことが大きいですね。今までは補助金があり、極端に言えば1000ドルの製品と400ドルの製品が同じ価格で提供されていました。それが今は変ってきています。

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