防水性能のないスマートフォンを雨天にさらせば、当然故障リスクがある。また、生活防水仕様を備えるスマートフォンでも、水流のある川や、塩分を含む海水に浸したら故障を招く。そのため、屋外のアクティビティーを楽しむ機会が増えるシーズンには、防水ケースを用意しておくと何かと心強い。今回は、スマートフォン向けの防水ケースを選ぶポイントをチェックしつつ、ECサイトで手頃に入手できる製品を5つピックアップして紹介する。
「防水ケース」あるいは「防水ポーチ」などと呼ばれるジャンルの製品を購入する際に、押さえておきたいポイントは主に3つある。
1つ目は、ケースのサイズが適切かどうかだ。特に防水ケースには、特定の機種専用としてデザインされたタイプと、「大体何型までの画面サイズなら使える」という複数機種で使えるタイプがある。どちらの場合も、想定するスマートフォンが収納できるかどうか、購入前に確認しよう。特に画面サイズが同じ機種でも、本体サイズが異なることは多い。使用想定機種が防水ケース側の対応表記にない場合には、対応機種の寸法と照らし合わせると使用可否を判断しやすいだろう。
2つ目は、ストラップやアームバンドなどが備わっているかどうかだ。特に、海水浴やカヌーのような一部のウオータースポーツなどでスマートフォンを携帯したい場合には、水中への落下による紛失を防ぐためにネックストラップが重要になる。また、雨天時にも屋外ランニングをしたい場合などは、アームバンドでスマートフォンを固定できると、防水性能を備えないスマートフォンでも携帯しやすい。
3つ目は、防水ケースやポーチに収納した状態でも、スマートフォンが備える機能を活用できるかどうかだ。具体的には、収納したまま側面のボタン類が操作可能かどうか、顔認証や指紋センサーなどの生体認証が使えるかどうか、背面カメラでの撮影が行えるかどうかなどもチェックするとよい。また、風呂場などで動画を視聴するために活用したい場合には、スピーカーから発せられる音が自然に聞こえるかどうかも注目するといいだろう。
Amazon.co,jpの売れ筋ランキングでも上位を占めるリーズナブルな防水ケース。IPX8相当の防水性能を備え、約6.5型以下の機種に対応。出し入れする部分は、クリップを固定する仕組みになっており、ジッパー式の製品と比べると着脱の手間が少ない。指紋認証や顔認証も利用できるとのこと。
ストラップおよびアームバンドを使って携帯できることも特徴だ。特に、ストラップでは、プラスチック製のカラビナを採用しており、糸のように切れる心配が少ないとされる。999円(税込み、以下同)という安さも魅力だ。
エアポンプが備わっているIPX8等級の防水ケース。収納する端末のサイズに関わらずにケース表面が端末画面に密着させられるため、端末が袋内でずれることなくタッチ操作が行いやすいのが特徴だ。密閉口はジッパーと面ファスナーを合わせた構造になっている。
収納できるスマートフォンは6.7型まで。顔認証や、一部端末の指紋センサーにも対応する。ネックストラップだけではなく、カラビナも付属するので、バッグなどにも固定しやすいだろう。価格は2780円。
IP68の防水・防塵(じん)性能を備えたケース。6.8型までのスマートフォンに対応し、密閉部分はクリップで固定する仕組みだ。なお、顔認証は使用可能だが、指紋認証は推奨されていない。
ケース外周部分には、U字型のエアクッションを備えているため、万が一ケースごと手元から離れたような場合も水面に浮かんで紛失を予防してくれるのが特徴だ。このクッションは、万が一の落下時の衝撃吸収などにも貢献する。価格は1840円。
IPX8の防水性能を備えるケース。6.9型までのスマートフォンに対応し、密閉口はクリップを90度回転させて固定する仕組みだ。こちらも顔認証は利用できる。
ケース側面が柔らかくなっていることで、スマートフォンの側面にあるキー類を操作しやすい。特に水中ではタッチ操作が不正確になることも多いので、例えばカメラでの撮影などが、物理キー操作で行いやすいのはメリットになるだろう。価格は1840円。
最後は完全防水ではないが、お風呂場やキッチンなどの水回りで使いやすい壁掛けタイプの防水スマホケースを紹介しよう。縦ば、湯船につかりながら動画を視聴したいという人などにおすすめだ。ただし、水中に沈めることはできない。装着できるスマートフォンは6.8型まで。壁面に対しては粘着シールによって貼り付ける仕様だ。端末の装着後はディスプレイのタッチ操作のみ行える。
こちらのメリットは、2重構造の防水通音スポンジが備わっていること、シャワーなどの水しぶきがかかっても平気な程度の防水性能を備えつつ、端末内蔵スピーカーからの音をなるべくクリアに届けてくれる。PET防塵フィルムにより入浴中の湯気などによってケースが曇りにくいことも特徴だ。
なお、卓上スタンドも備えているので、例えばキッチンなどでレシピを検索するようなシーンでも、手の汚れからスマートフォンを保護するといった活用が期待できる。価格は2799円。
もし筆者が自分用に購入するならば、この中だとsweetleaffを選ぶ。価格は2000円台後半で、決して安価ではないが、ポンプで空気を抜くという構造によって収納時も操作感が維持されやすいのが興味深い。例えば、料理をしながら検索する用途でキッチンにぶら下げておけば、レシピ検索の画面を確認するために毎回手を洗うような状況を改善できるかもしれない。
一方、海水浴などに行く機会があり、貴重品を携帯するために使うならば、がっつりと水中に沈む想定でいた方がよいだろう。ポンプ付きの防水性能はIP68等級とはいえ、何度も使っていると耐久性にやや不安も感じる。かといって、ひとシーズンに何度も海へ行くわけでもないので、取りあえずSURIAの防水ケースなど安いものを入手して、乗り切る選択を取ると思う。
防水ケースを何度も繰り返し使うかどうかは人によるものだ。特に、ECサイトではさまざまな製品が展開されているので、コストを重視した選択になりやすいが、今回紹介したような最低限のポイントはチェックした上で、用途に最適なものを探してみて欲しいと思う。
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