Find X3 Proのカメラには「デュアルフラグシップカメラ」「顕微鏡カメラ」に続いて、もう1つ注目すべき新機能がある。
それは「10bitカラー」。今、われわれが普通に使っているカメラ、あるいは日常的に見ているJPEGの写真は1画素あたり1600万色のデータを持っている。1画素あたりのデータ量はRGBそれぞれが8bitで、合計して24bit。それを10進数に直すと約1670万となる。
それに対して、RGBそれぞれ10bitに拡張し(RGB合わせて30bit)、約10億色を表現できるようにしたのが「10bitカラー」だ。ディープカラーとも呼ばれる。設定メニューから「10ビットカラー」をオンにすると、写真モードとナイトモード時に10bitカラーで画像を撮影・処理し、記録される。
1画素あたりの表現力が上がることで、細かく微妙なグラデーションもより滑らかに表現できる。ただ、JPEGは8bitでの記録を前提としているため、10bitでの保存はできず、ファイルは10bitに対応したHEIF形式(拡張子は.heic)となる。
HEIF形式についてはiOSが先行して採用しており、Androidでも採用する端末が増えているが、それらは各色8bitであり、10bitはFind X3 Proが初めてかも。
気になるのは互換性。10bitカラーのHEIF形式に対応した端末で見るときはいいが、全部が対応しているわけではない。
macOSはiOSが対応しているのでHEIFファイルのまま問題なく見られるが、Windows 10では別途アプリを用意しなければならない。Microsoftが提供するHEIF/HEVC機能拡張を使えばHEIF形式に対応するのだが、2021年7月現在、iPhoneで撮った8bitのHEIFファイルは表示できたが、Find X3 Proで撮った10bitのHEIFファイルは開けなかった。
HEIF形式に対応しているアプリでも、10bitには未対応のものもある。ちょっと悩ましいのである。誰かに渡すときはJPEGに変換した方がいいだろう。
で、いろいろと撮り比べてみたが、ぱっと見て違いが分かるかといわれると、シーンによるかなあ。
その辺は買って確かめてみてください、ということでちょっと無責任で申し訳ない。見た目では分からなくても、(ちゃんと10bitカラーに対応したアプリであれば)編集時のレタッチ耐性は強いと思う。
実際に撮影した、ごく普通の作例も紹介する。
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