1カ月のデータ使用量が10GB超〜20GB以下の人に、最適なのはどのプランか。20GBといえば、ドコモの「ahamo」、KDDIの「povo」、ソフトバンクの「LINEMO」といった、大手キャリアのオンライン専用ブランドを思い描く人も多いだろうが、MVNOが大手対抗プランを次々と打ち出した結果、必ずしもオンラインブランドが安いとはいえない。大手からサブブランド、MVNOまで、主なキャリアの料金を比較する。料金は全て税込み。
まずは月に20GBまで使用できる、大手キャリアのオンラインブランド3つを比較してみよう。通話料金を含めると最も安価なのは、5分間までの国内通話かけ放題がセットで月額2970円の「ahamo」。他の2つは同条件の国内通話が月額550円のオプションとなっていて、月額2728円に含まれるのはデータ通信のみだ。
ただし、LINEMOでは現在、5分かけ放題の月額550円を1年間割り引くキャンペーンを実施しており、1年間は月額2728円で20GBのデータ通信と5分かけ放題を利用できる。1年間に限るとLINEMOが最安となる。
大手キャリアのサブブランド、UQ mobileとY!mobileは、ともに利用できるデータ量が3GB(S)、15GB(M)、25GB(L)の3段階で設定されており、10GB超〜20GB以下に該当するのは、上限が15GBのプラン。いずれも通話料金がオプションで基本料金に含まれるのはデータ通信のみ。
15GBプランの割引前料金は、UQ mobileが2728円、Y!mobileが3278円。20GBまで使えるオンラインブランドと比べると高く思えるが、UQ mobileはでんき料金とのセット割で月額2090円、Y!mobileは2回線目以降なら月額2090円と、割引が適用された場合はオンラインブランドよりも安価に利用できる。
オンラインブランドと異なり、店頭や電話でのサポートを受けられるのもサブブランドのメリット。PayPayのポイント還元率アップなども、ソフトバンクとY!mobileは対象になるが、LINEMOはならないといった違いがある。データ使用量が15GB以下で割引の対象になるなら、サブブランドの方がメリットは大きいだろう。
月のデータ使用量が15GBに収まるなら、さらに安価なのがIIJmioの「15ギガプラン(音声)」で、月額1848円で利用できる。オンラインブランドと同じ20GBで比較しても、MVNOではIIJmio「20ギガプラン(音声)」の2068円が最安値となる。光回線とセットで利用すれば、光回線の料金から月額660円が割り引かれる特典もあり、月々の通信料金が抑えられる。
一方で、この金額には通話料金が含まれておらず、電話をかけると22円/30秒(専用アプリを使用した場合は11円/30秒)の通話料金が別途かかる。通話料金も含めて考えると、70分(3080円分)の通話料が込みで月額2178円のHISモバイルの「格安弐拾プラン」と、同じく日本通信の「合理的20GBプラン」がより安価になる。
さらに同じ20GBまで月額2178円で国内通話がかけ放題になるのが、楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」だ。専用アプリ「Rakuten Link」を使用する必要はあるものの、通話時間を気にせず電話を使いたい人にとっては、最適なプランといえる。Rakuten UN-LIMIT VIは、データ使用量が20GBを超過した場合も3278円で使い放題となる。ただしパートナーエリアでは5GB超過後は1Mbpsに制限される点に注意したい。
大手キャリアのオンラインブランドやサブブランドでも、20GB超過後の速度は1Mbps。一方、20GBの月額料金が最安となるIIJmio「20ギガプラン(音声)」は300kbps。70分の通話料込みで安価なHISモバイル「格安弐拾プラン」、日本通信「合理的20GBプラン」は200kbpsとなる点も注意したい。20GBを超えても追加チャージせず、ある程度快適に使いたいなら、MVNOよりMNOの方がオススメだ。
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