MVNOに開放された「+メッセージ」 それでも課題は山積、打倒LINEは遠い?石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

» 2021年09月04日 10時00分 公開
[石野純也ITmedia]

 ドコモ、au、ソフトバンクの大手3キャリアが合同で提供する「+メッセージ」が、サービスの対象を拡大した。9月2日からは、UQ mobileやpovoに加え、au回線を使うMVNOにも対応。ドコモは9月下旬、ソフトバンクは2022年春に、サブブランドやMVNOへの提供を行う予定だ。対象となるユーザーは、自身でアプリをGoogle PlayやApp Storeからダウンロードすれば利用が可能になる。

 「打倒LINE」ともささやかれた+メッセージだが、ユーザー数は7月に2500万を突破。SMSやMMSの進化版として、順調に規模を拡大しているように見える。一方で、対応端末や対応キャリア、サービス面などでは不満点も残る。サブブランドやMVNOへの提供でその1つが解決された格好だが、理想像にはまだ届いていない。ここでは、+メッセージの狙いを改めて振り返りながら、今後の課題を取り上げていく。

+メッセージ ドコモ、au、ソフトバンクの3社で提供する+メッセージが、サブブランドやMVNOにも拡大する

鳴り物入りで登場した+メッセージ、ユーザー数は2500万に到達

 +メッセージは、大手3キャリアが2018年5月に開始したサービス。SMSやMMSを拡張したRCS(Rich Communication Service)の仕様にのっとり、アプリ上でメッセージや画像、位置情報などをやりとりできるのが特徴だ。音声回線を使うSMSとは異なり、その立ち位置はいわゆるメッセンジャ―アプリに近く、一度アクティベーションしてしまえばWi-Fi経由でも利用可能。データはあくまでインターネット経由で流れるため、パケット通信料以外の料金もかからない。

+メッセージ +メッセージは、標準規格のRCSに準拠。テキストメッセージだけでなく、画像や位置情報など、さまざまなデータをやりとりできる

 ただし、+メッセージのアプリケーションレイヤーは、3キャリアが独自に開発したもの。標準に準拠してはいるが、他社が開発したアプリには対応していない。同じくRCSに準拠した楽天モバイルの「Rakuten Link」ともやりとりはできない。これは、+メッセージとRakuten Linkが相互接続していないためだ。9月1日まではMVNOへの提供もなく、大手3キャリアのユーザーに閉じたコミュニケーションツールになっていた。

+メッセージ
+メッセージ 楽天モバイルが提供するRakuten Linkも、RCSを活用したサービスだ

 とはいえ、大手3キャリアで全体の9割弱のシェアを占めることもあり、サービス開始後は順調にユーザー数を増やしていた。キャリアが販売するAndroidのスマートフォンに、SMSアプリを置き換える形で+メッセージアプリがプリンストールされている影響は大きい。サービス登場後に機種変更したユーザーが、半自動的に+メッセージを利用する形になるからだ。こうした背景もあり、ユーザー数は開始から約1年後の2019年8月に1000万に達した。2020年11月には2000万を超え、7月には2500万を突破している。

 機能面も、サービス開始当初から徐々に進化している。2019年には企業アカウントの提供をスタートさせており、キャリア各社はサポートなどにこれを活用。首相官邸や東京海上日動、サカイ引越センターといったアカウントを登録できるようになった。こうした企業アカウントを運用したい法人に向け、「メッセージコネクト」というサービスも用意されている。ユーザーインタフェースも改善された他、徐々にではあるがスタンプも数も増加している。

+メッセージ 企業が運営する公式アカウントも、少しずつだが増えている
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月30日 更新
  1. スマホの「SIM組み合わせ」を3カ月で3回も変えた話 楽天モバイル→日本通信→Y!mobileからの移行先を思案中 (2026年06月29日)
  2. 松屋の券売機が「思いのほか使いやすかった」 それでもネットで不評なのはなぜ? (2026年06月29日)
  3. ティム・クックCEOが「もはや限界」と値上げに言及――すでにAndroidでは値上げラッシュが始まる (2026年06月28日)
  4. 「モラルが欠如している」──LINE安否確認で“悪ふざけ”、SNSで批判の的に (2026年06月26日)
  5. 「EV=長距離は不安」は本当か テスラ・モデルYで東京〜大阪を走破して分かったリアル (2026年06月29日)
  6. ワイヤレス全盛期に「有線イヤフォン」が再注目される理由 (2026年06月30日)
  7. ダイソーで770円の「備えラジオ」は“備える”以上に”ノスタルジック”だった件 目的に徹したシンプルさが懐かしさを呼ぶ (2026年06月27日)
  8. ヨドバシ池袋出店で幕を開ける「新・家電三国志」 ヤマダ、ビックはどう迎え撃つのか (2026年06月30日)
  9. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  10. スマホ決済で「請求書払い」はどれがお得? d払い、au PAY、PayPay、楽天ペイを比較してみた (2026年06月30日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー