対するKDDIは、「Galaxy Z Flip」の発売に合わせて導入していたかえトクプログラムをリニューアルした。大枠の仕組みは変更しておらず、残価設定型のアップグレードプログラムという点はこれまでと同じだ。新たに用意されたのが、スマホトクするプログラム。残価設定型という点は従来通りだが、適用条件から機種変更をなくしているのが特徴になる。機種変更が必須になるのは、事実上の“縛り”だとして、総務省や公正取引委員会から問題視されていたが、スマホトクするプログラムでは、それを是正した格好だ。
ドコモの場合と同様に、iPhone 13 128GBを例に取って仕組みを紹介してみよう。KDDIは、同モデルの本体価格を11万5020円に設定している。24回目の支払額は5万2920円。これが、KDDIの設定したiPhone 13の残価だ。割賦は本体価格から残価を引いた6万2100円で組むことになり、23回目までは1カ月あたりの支払額が2700円になる。本体価格がドコモよりやや高く、残価が低く設定されているため、毎月の支払額を比較するとドコモより256円ほど高いが、仕組み自体はほぼ同じだ。
一方でスマホトクするプログラムには、ドコモの早期利用特典のような仕組みはなく、約2年間利用し続けることが前提になる。より短期間で手放すことは可能だが、金銭的なインセンティブは存在しない。ただし、スマホトクするプログラムでは、残価を免除するか残価を支払って下取りに出すかの選択はできるという。短期間で機種変更するようであれば、下取り額の方が高い可能性はあるため、1年ごとに機種変更したいという場合は、あえてスマホトクするプログラムを利用しないのも手だ。
KDDIならではなのが、金融事業とポイント還元をセットにしてきた点だ。「スマホトクするボーナス」が、それだ。スマホトクするボーナスは、割賦の支払いにau PAYカードを設定することで受けられる特典で、残価を除いた毎月の支払額の5%がPontaポイントで還元される。先に挙げたiPhone 13 128GBの場合、毎月の支払額が2700円に設定されているため、au PAYカードで支払うと、その5%に相当する135ポイントが毎月還元される。23カ月までボーナスを受けると、還元額は計3105円になる。
早期で機種変更した際のインセンティブが用意されていないのは少々残念だが、1台の端末の利用期間はスマートフォンの成熟化に伴って伸びていることもあり、多くのユーザーはお得に買うことができそうだ。残価の額は中古店の買い取り価格などの市場動向も踏まえて決定されているが、将来的な価格変動や小さな傷での減額などがない分、安心して利用できるのが残価設定型プログラムのメリットといえる。この点に関しては、KDDIに追随して残価型を採用するドコモのいつでもカエドキプログラムにも同じことがいえる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.