世界を変える5G

“軽さは正義”の「AQUOS zero6」と“薄型+大容量バッテリー”の「AQUOS sense6」 シャープ新スマホの特徴(1/2 ページ)

» 2021年09月28日 18時38分 公開
[田中聡ITmedia]
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 シャープが2021年秋冬商戦向けのスマートフォンとして、「AQUOS zero6」と「AQUOS sense6」を発表した。製品写真を見ても分かる通り、2機種のハードウェアやデザインは共通したものを採用しており、サイズや重さ、プロセッサ、バッテリー容量などが主な違いだ。では2機種の狙いはどこにあるのか。シャープは9月28日にオンラインで説明会を開き、2モデルの詳細を解説した。

AQUOS zero6 「AQUOS zero6」
AQUOS sense6 「AQUOS sense6」

AQUOS zero6で“世界最軽量5Gスマホ”を実現できた秘密とは

 AQUOS zero6は、ディスプレイが6型以上、バッテリー容量が4000mAh以上の防水5Gスマートフォンで世界最軽量となる146gを実現した。2世代前の「AQUOS zero2」も141gという軽さを特徴としていたが、イヤフォンジャックやmicroSDを搭載していないなど、軽さと引き換えに省かれた機能も多かった。AQUOS zero6では5Gのミリ波にも対応し、4000mAh以上のバッテリー、イヤフォンジャック、microSDスロット、3眼カメラ+レーザーAFを搭載しながら、AQUOS zero2からわずか5gの増加に抑えた。

AQUOS zero6 5Gスマホの中でも非常に軽い146gを実現した
AQUOS zero6 機能を追加しながら、AQUOS zero2から5g増にとどめた

 他社の5Gスマホを見ると、「iPhone 12 mini」が133g、「iPhone 13 mini」が140gとAQUOS zero6よりも軽いが、ディスプレイサイズが5.4型でサイズが小さいことが効いている。5G対応、バッテリー容量4000mAh以上、microSDスロット・イヤフォンジャック搭載で140台のスマートフォンは存在せず、シャープ 通信事業本部 パーソナル通信事業部 事業部長の小林繁氏は「AQUOS zero6の146gはまさに異次元。他と比較できないほど並外れた軽さだ」とアピールする。

AQUOS zero6 重量と画面サイズをプロットした図。黄色い点が他社スマホ、青い点がAQUOS zero6を示す。AQUOS zero6がいかに軽いかが分かる

 そんなAQUOS zero6で目指したのは、「いつでも身に着けるように軽やかに、どんな用途にもとことん使い倒せること」だと小林氏は続ける。では、AQUOS zero6の軽さはどのように実現したのか。通信事業本部 パーソナル通信事業部 商品企画部 主任の小山誠也氏は、3つの工夫があると説明する。

 1つ目が、マグネシウム合金フレームを採用したこと。これによって軽量化と7.9mmの薄さを両立させた。2つ目が強化ガラスにCorning Gorilla Glass Victusを採用したことで、強度を維持しながら、AQUOS zero5G basicから40%以上の軽量化に成功した。3つ目は背面パネルの薄型化。傷と曲げの両方に強いハイブリッド構造の素材を採用したことで、AQUOS zero5G basicから約10%の軽量化に成功した。この他にも「基板面積を14%削減するなど、数多くの創意工夫によってたどり着いた」と小山氏は胸を張る。

AQUOS zero6 マグネシウム合金フレームをはじめとした工夫で軽量化と薄型化を両立させた

 小山氏は、1日中スマホを使い込んでいる“衣食住スマホ”な人にとって「軽いが正義」だと強調する。「家であおむけに寝転がりながら長時間動画を見るとき、音楽を聴きながらランニングをするとき、通勤時間につり革片手にニュースサイトを眺めるときなど……メガネや腕時計のように、存在を忘れるほどの軽さが、やりたいことに没頭させてくれる」(同氏)

俊敏な動作と進化したカメラにも注目

 「軽快で俊敏な動作」もAQUOS zero6の特徴に挙げる。スマートフォンAQUOSでは初めて5Gのミリ波(n257)に対応し、理論値で下り最大2.8Gbps、上り最大480Mbpsの通信速度を実現する。

 ディスプレイの描画速度にも注力した。「ハイレスポンスモード」に設定したアプリは、120回の画面更新と連動して間に黒画面を挿入することで、1秒間に240回の描画更新とタッチ検出が可能になる。動きの激しいゲームを操作するのに有用だが、AQUOS zero6では、ゲーム以外のアプリも同モードに設定できるようになった。スクロールすることの多いSNSやブラウザでも「残像が少なく、くっきり見やすくなる」(小山氏)とのこと。

AQUOS zero6 ソフトバンクモデルはミリ波に対応する
AQUOS zero6 ゲーム以外のアプリも240Hz駆動のハイレスポンスモードに設定できるようになった

 ディスプレイは10億色表示に対応し、ステレオスピーカーはAQUOS zero5G basicから70%出力がアップしていることから、「臨場感のある映像と音でゲームにより没頭できる」と小山氏はアピールする。

 プロセッサがハイエンドのSnapdragon 888ではなくSnapdragon 750Gなのが惜しいが、小林氏によると、コストと開発効率の問題だという。Snapdragon 750Gと、AQUOS sense6が採用しているSnapdragon 690Gでは「全く同じソフトウェアが動作する」(同氏)ため、より効率よく開発できるという。

 アウトカメラには、AQUOS R6のカメラ画質技術を応用した新画質エンジン「ProPix3」を採用。ノイズ低減やエッジ強調処理により、ディテールをより自然に表現し、広いダイナミックレンジを確保できるとしている。AQUOS R6といえば、ライカの画質監修のもと、1型の大型のセンサーを採用しているが、AQUOS zero6のカメラはライカと共同開発したものではない。またメインカメラのセンサーサイズは1/2型となる。

AQUOS zero6 AQUOS R6譲りの画質エンジンを持つ3眼カメラ

 「ライカが最高級のものを提供するブランド」(小林氏)との考えから、ライカと協業するのはAQUOS R6のようなフラグシップモデルになるようだ。ただ、ゴーストやノイズの低減など、画質向上のチューニングはAQUOS R6と同等のものを施しているという。一方で「ナイトモード」の差は大きく、真っ暗な部屋など、ハードウェアの性能が問われるシーンではAQUOS R6に軍配が上がる。ただ、明るい屋外のシーンでの画質はAQUOS R6に迫るほど改善したという。このProPix3をベースにしたカメラ技術はAQUOS sense6にも用いている。

AQUOS zero6 AQUOS zero6の主な特徴
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