AQUOS senseは、シリーズ累計で1000万台の出荷台数を誇る、シャープの人気シリーズ。過去のsenseシリーズでは大容量バッテリーを搭載してきたが、その代償として、本体が大きく、厚くなってしまった。しかしAQUOS sense6では、先代の「AQUOS sense5G」から1mm薄い、厚さ7.9mmを実現。指紋センサーをディスプレイに内蔵し、額縁を狭くしたことで画面占有率も向上している。通信事業本部 パーソナル通信事業部 商品企画部 課長の清水寛幸氏は「薄く見せる必要のない、潔い形だ」と胸を張る。
この薄型ボディーに大きく貢献したのが、IGZO OLEDをディスプレイに採用したことだ。「お札1枚と同じぐらいの厚みしかないフレキシブルOLEDを採用することで、大容量バッテリーと薄型化を両立できた」(清水氏)という。AQUOS sense5Gから1mm薄くしながら、AQUOS zero5G basicの4050mAhより大きな4570mAhのバッテリーを搭載したのは特筆すべき点だ。同社調べで「1週間の電池持ち」を実現したという。
ちなみにAQUOS zero6もディスプレイは有機ELだが、IGZOは採用していない。スペックの低いAQUOS sense6のみにIGZOを採用するのは意外だが、それだけAQUOS sense6で高いスタミナと薄型ボディーの両立に重きを置いていることが分かる。
AQUOS zero6は「ネオハイエンドスマートフォン」とシャープは銘打っているが、スペックを考えれば「ミッドハイ」と言った方が正しいだろう。そこにあえて「ネオ」と付けたのは、AQUOS zero5G basicの発表時に小林氏が強調していた「何となくハイエンドを買う人がいなくなった」ことに関連する。端末値引きが規制される中、ユーザーはより端末価格をシビアに見るようになり、ミッドレンジが売れ筋の中心になりつつある。zeroシリーズもそこに照準を定め、かつてハイエンドスマホを使っていた人が満足できる製品を目指した。
対するAQUOS sense6も、デザインやスペックはAQUOS zero6と似ている部分が多いが、IGZOと大容量バッテリーを合わせた高いスタミナですみ分けを図っている。
気になる価格だが、2モデルとも、先代のAQUOS zero5G basicとAQUOS sense5Gと同等を想定しており、AQUOS zero6が5万円台、AQUOS sense6は3万円台を見込んでいる。AQUOS zero6はKDDIとソフトバンク、AQUOS sense6はドコモとKDDIが取り扱いを表明しているので、詳細はキャリアの発表を待ちたい。
上記の価格に加え、必要十分なスペックと品質を目指したAQUOS zero6か、大容量バッテリーで安心して使えるAQUOS sense6か、といった視点で2モデルを選ぶことになりそうだ。
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