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» 2021年10月15日 12時30分 公開

女子スマホ「Civi」を立ち上げたXiaomi “3本柱”で世界シェア1位を目指す(1/2 ページ)

Xiaomiが9月27日に中国で実施した発表会で、美顔効果などを前面に押し出した女性向けスマートフォン「Civi」を発表。世界的に使っていた「Mi」ブランドも廃止し「Xiaomi」の名前を強くアピールする。

[山根康宏,ITmedia]

 Xiaomiは9月27日に中国で新製品発表会を行い、新しいスマートフォン「Civi」を発表した。美しい本体デザインにセルフィー機能を強化、女性をターゲットにした新しいラインアップとなる。Xiaomiは9月の新製品からグローバルで使っていた「Mi」ブランドも廃止し、新たに3つの柱で販売数を一気に広げようとしている。

Xiaomi動向 XiaomiのCivi。製品のターゲットは女性だ

本体の美しさとセルフィー機能を売りにするCivi

 CiviはプロセッサにSnapdragon 778Gを搭載、ディスプレイは6.55型(1080×2400ピクセル)、バッテリー容量は4500mAhで55Wの高速充電に対応する(45分で満充電)。カメラは6400万画素+800万画素の超広角+200万画素のマクロというトリプル構成。しかしこれらのスペックはCiviの特徴を表すものではない。

 Civiは本体サイズが71.5(幅)×158.34(高さ)×6.98(厚さ)mm。7mmを切る薄さに重量は166gと軽い。さらに背面処理はOPPOが海外で販売する「Reno6」などに代表される、細かいダイヤモンドカットを施した「Reno Glow」によく似た仕上げとしている。薄くて軽く、さらに美しいボディーがCiviのデザイン上の大きな特徴だ。

Xiaomi動向 外観も美しい仕上げ

 そしてCiviは3200万画素のインカメラを搭載し、美顔機能を強化した。美顔といえば、数年前の中国メーカーのスマートフォンではトレンドとなっていたが、ここ最近はこの機能をフィーチャーした製品はあまり見かけない。それは各メーカーの美顔モードが既に一定のレベルに達しているからだろう。また最近はボケを効かせたポートレート写真にトレンドが移行しているからだ。とはいえ、ボケをかけるにしても、まずは自分の顔を美しく写したいと考えるユーザーは当然ながら多い。

 Civiはより自然な美顔効果が得られることを売りとしており、製品発表会では某社「6 Pro」よりもナチュラルな仕上げのセルフィーが撮れることを見せてくれたが、これは「OPPO Reno6 Pro」との比較だろう。OPPOやvivoなどライバル各社ともに美顔効果は一定水準に達しているが、XiaomiはCiviで「より自然らしさ」をアピールしている。

Xiaomi動向 もともと美顔効果のない「iPhone 12」(左)、某社の6 Proは仕上がりが不自然(中)、Civiは自然な美顔となる(右)とアピール

 このように、Civiはスマートフォンとしての基本スペックで戦う製品ではなく、本体の美しさとセルフィー機能を売りとして女性層に売り込みをかける製品なのだ。化粧品メーカーのL'Oreal(ロレアル)やフィットネスサービスのKeepとのコラボ製品も販売するなど、20代から30代の女性向けのさまざまなキャンペーンも展開予定だ。

世界シェア1位のために女性にも製品を売り込む必要あり

 デザインに注力したスマートフォンは既に中国の他のメーカーからも多数出てきている。しかし中国国内で圧倒的に人気の高いiPhoneに比べるとブランド力で劣ることから、デザインだけで選ばれる製品は多くない。特にブランドにもこだわる女性層をターゲットとするのであれば、なおさらだろう。Xiaomiは2019年11月に女性向けのスマートフォン「CC9」を発売したものの、後継機は出てこなかった。シンプルなデザイン、美しいパッケージ、また前年に買収した女性スマートフォンメーカー「Meitu」のモデルを投入したものの、売れ行きは思わしくなかった。

Xiaomi動向 女性向けを狙った「Xiaomi CC9 Meitu版」

 2019年のやや古いデータだが、中国テンセント系の調査機関が調べたところによると、Xiaomiのスマートフォンの購入者の男女構成比率は男性61.8%、女性38.2%となる。これに対してHuaweiは男性51.5%、女性48.5%と比率は約半々、そしてAppleは男性46.4%、女性53.6%と女性の方が多い。Xiaomiとしてはこの女性層を増やすためにCC9を投入したのだが、当時のXiaomiの状況では時期尚早だったといえる。

Xiaomi動向 2019年4月の中国国内男女別スマートフォン購買層調査。左からXiaomi、Huawei、Apple、Samsung

 しかし今やXiaomiはスマートフォン出荷量でグローバル2位、Android 5Gスマートフォンではグローバル1位メーカーにまで成長した(いずれも各種調査機関による第2四半期データ)。この勢いが続けばいずれ世界シェア1位も実現可能だろう。だがその野望に到達するためには、弱いとされている女性層にも製品を売り込む必要がある。

 CC9投入の2年前に比べ、Xiaomiは高性能カメラフォンを次々と出すなど技術力も認知されている。今度こそ「Civiが欲しい」と女性層に思わせるだけに製品に仕上がっているはずだ。Civiのグローバル展開は不明だが、まずは世界最大市場の中国国内で勝負をかけ、その後アジアやアフリカ市場へ展開する可能性も十分ある。

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