XiaomiがAppleを抜きスマホ出荷数3位に さらに上を目指すのに必要なことは?山根康宏の中国携帯最新事情(1/2 ページ)

» 2020年12月16日 14時43分 公開
[山根康宏ITmedia]

 新型コロナウイルスの影響で2020年のスマートフォン市場は先の読めない展開となっている。ウイルスがアジアを中心に猛威を振るい始めた第1四半期(1月〜3月)は、各社が出荷台数を大幅にダウンさせた。第2四半期(4月〜6月)はいち早く新型コロナウイルスの拡散を抑え、また消費者のオンラインショッピング利用が加速した中国市場で出荷台数を回復させたHuaweiがSamsungをわずかな差で抜いて初のシェア1位となった(調査会社によってはSamsungが1位)。そして迎えた第3四半期(7月〜9月)は、XiaomiがついにAppleを抜いて3位に浮上したのだ。

Xiaomi Appleを追い抜いたXiaomi

新製品の積極投入でAppleを抜くことに成功

 あらゆるスマートフォンの代名詞といえるiPhoneも、出荷台数が好調なのは毎年第4四半期(10月〜11月)、新製品の発売直後だけであり、それ以外の各四半期の出荷台数は大幅に落ちている。Samsungとトップ争いを繰り広げているのは同期だけで、他の四半期は2019年を見ても2位Huaweiと大きな差をつけられている。

 ガートナーの四半期ごとのデータを見ると、2019年第2四半期はAppleが約3852万台、Xiaomiが約3319万台と両者の差は500万台程度に縮まった。とはいえ、これはAppleが最も落ち込む時期であり、市場の予想としては想定済みのこと。第3四半期は9月後半に新型iPhoneが登場してAppleの勢いに加速がつくことから、XiaomiがAppleを抜くなど考えられないことだった。そして第4四半期にAppleが好調なのは前述した通りだ。

Xiaomi ガートナーの調査結果からグラフを作成した。Xiaomiの勢いが分かる

 2020年に入ってもAppleとXiaomiの差は開いたままで、Xiaomiは出荷台数の減少が続いたままだった。しかし第3四半期は前期比で1.7倍となる約4441万台を出荷し、約4060万台だったAppleを抜き去った。

 Appleは新型iPhoneの発売前であり、例年9月後半に登場していた新モデルも2020年は10月に延期されたことから、買い控えが例年以上に進んだと考えられる。一方。Xiaomiは新製品を積極的に投入したことで、大幅な伸びを達成できたのだ。

 2020年第3四半期、Xiaomiが投入したスマートフォンの新製品は低価格なRedmiシリーズが目立つ。グローバルでは「Redmi 9」(インド版)、「Redmi 9AT」「Redmi 9i」「Redmi 9 Prime」「Redmi K30 Ultra」といったラインアップだ。6月には「Redmi 9」「Redmi 9A」「Redmi 9C」「Redmi 9C NFC」も出しており、市場により投入モデルは異なるものの多数のRedmiが販売された。なお、日本でも6月にクアッドカメラで2万円台の「Redmi Note 9S」が発売されたのは記憶に新しい。

Xiaomi 筆者の居住する香港でもRedmiシリーズは多数販売されている

新興国で売れている「Poco」と「Redmi」

 新興国を中心にサブブランド「Poco」モデルも投入している。「Poco M2」「Poco M2 Pro」「Poco X3」「Poco X3 NFC」を第3四半期に投入している。同期に投入されたMiブランドモデルは高画質カメラ搭載の「MI 10 Ultra」だけであり、Redmi、Pocoのラインアップを強化したことが分かる。

 RedmiやPocoが売れている市場は新興国が中心であり、インドではRedmiの大画面モデル、Redmi Noteシリーズが常にベストセラーになっている。先進国では低価格モデルはハイエンドモデルに比べて販売キャンペーンやメディア露出は控え気味になるが、新興国では逆によく売れる低価格モデルは積極的にアピールしている。Instagramを見ても新興国では芸能人がエントリーモデルを手に持ったメーカー広告が目立つ。

Xiaomi XiaomiインドのWebサイト。Redmiシリーズがトップを飾る

 中国に次ぐ世界2位のスマートフォン市場となったインドを見ると、各メーカーが第2四半期の落ち込みを第3四半期で大きくカバーしていることが分かる。Canalysの調査によると、Xiaomiはインドで過去最高の出荷台数を記録した。これは低価格モデルを多数投入した結果がもたらしたものだ。

 実はXiaomi同様、サムスンも第3四半期は好調なパフォーマンスを残している。サムスンの第3四半期の新製品を見ると、新製品はハイエンドの「Galaxy Note20」シリーズや「Galaxy Z Fold2」「Galaxy Z Flip 5G」「Galaxy S20 FE」などがすぐに思いつくだろう。しかしそれだけではなく「Galaxy A01 Core」「Galaxy M01 Core」「Galaxy M01s」「Galaxy M31s」といったエントリーモデルも多数出している。Galaxy Mシリーズは特にインドで売れており、インド市場でXiaomiを追いかける戦略モデルになっている。

Xiaomi Canalysによるインド市場の出荷台数の動き。2020年第3四半期は各社好調だ

 中国やインド市場はスマートフォンの販売が回復傾向を見せている。また先進国は新型コロナウイルスの影響で景気停滞が続いているが、低価格モデルはハイエンドモデルよりも購入しやすい。高価格なハイエンドモデルの販売は景気動向に大きく左右されるが、価格の低いモデルは影響を受けにくい。

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