さて、グローバル市場を見てみると、9月から製品名の「Mi」ブランドを撤廃した。もともと中国市場では「小米」(Xiaomiの中国語名)そして「紅米」(Redmi)の2つのブランドで展開しており、「Mi」に相当するブランドはなかった。その後、中国国内では両ブランドを明確に区別するために、紅米をRedmiとあえて英語表記に変更した。グローバルでは最初からRedmiブランドで展開しており、中国国内とグローバルでブランド名を共通化したのだ。
9月には「Mi MIXシリーズ」の最新モデル「MIX 4」のグローバル発表に合わせ、Miブランドの使用を取りやめた。Miシリーズはこれまでメインラインの「Mi」、最新技術を搭載する「Mi MIX」という2つのシリーズ展開が行われていたが、これからは「Xiaomi」「Xiaomi MIX」となる。Xiaomiブランドを使う理由はXiaomiのブランド浸透力をより広げるためでもあるが、「Mi」と「Mi MIX」をよりシンプルに分かりやすいネーミングに変更する狙いもあるだろう。なお中国でもMIX 4は「小米MIX 4」ではなく「Xiaomi MIX 4」という製品名になっている。中国の「小米」、グローバルの「Mi」を、世界共通で「Xiaomi」に統一するということなのだろう。
日本でも発売予定のメインモデルの最新機種は「Xiaomi 11Tシリーズ」である。製品名にメーカー名も含まれることから、今まで以上にXiaomiの名前が日本でも浸透することだろう。またMIXシリーズの今後のモデルのグローバル展開は不明だが、2021年春に発売した折りたたみスマートフォン「Mi MIX Fold」も、「Xiaomi MIX Fold 2」として後継機が出てくるかもしれない。製品のネーミングも後者の方がより分かりやすいはずだ。
このようにXiaomiは2022年に向けて、スマートフォンラインアップのブランド統一と拡充を図った。今後Xiaomiの製品は、
という3つのラインアップとなる。これはHuaweiが「P」「Mate」「nova」と3つの製品を軸に多数の製品展開を進めていった戦略にも似ている。Huaweiもnovaは女性や若い層を狙った製品であり、P/Mateでカバーできないユーザーにnovaを展開していったのだ。
また低価格シリーズのRedmiも、
と同じく3つの柱で展開していくことになる。こうしてXiaomiの全製品を見てみると、隙のないラインアップに加え、製品名の区分も今までより分かりやすくなったと感じられる。
Xiaomi 11TはiPhone 13を意識したかのように、動画機能も大きくアピールしている。製品ブランドの整理は2位争いを行っているAppleを抜き去り、そしてSamsungと1位競争を行うための準備と見ることができる。2022年のXiaomiは大きな躍進が期待できそうだ。
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