家族で同じ通信会社を利用することで、毎月の通信費を安く抑えることができる。その1つの方法がデータシェアで、家族の代表者が大容量のプランを契約し、家族でデータを分け合って利用する。かつてはドコモがシェアプランを提供していたが、現在、シェアプランを提供するのはMVNOのみ。そんなシェアプランの最新料金を比較した。料金は全て税込み。なお、家族それぞれが契約して余ったデータを家族で共有できるプランもあるが、ここでは触れない。
シェアプランの仕組みは、基本となるデータプランに、追加で必要な人数分のSIMの料金がプラスされる。SIMには音声通話SIM、SMS対応SIM、データSIMの3種類があり、それぞれ料金が異なる。ここでは家族みんながメイン端末として利用することを前提に、音声通話SIMの料金を採用しているが、LINEなどのアプリ通話で良い場合はSMS対応SIMにすることで、さらに料金を安くできる。
シェアプランを提供するMVNOの中で、一番多くのプランを用意するのがイオンモバイルだ。4GBから50GBまで13プランあり、2021年10月1日以降、音声通話SIMの料金を一律220円値下げしたこともあって、1人あたり3GBや5GBのデータ容量で比較したところ、3人以上でのシェアはイオンモバイルが一番安い。
イオンモバイルの「シェア音声プラン」は音声SIMカード1枚とデータSIM2枚付きで、1つの契約で最大5回線まで利用できる。2枚目以降の音声SIMは1枚に付き月額220円。4枚目以降のSIMカードの追加には月額220円のSIM利用料が必要になる。
2人でシェアする場合に一番安いのはOCN モバイル ONE。1人当たり3GBで月額946円、5GBは月額1166円で利用できる。1つの契約で最大5回線まで利用でき、2枚目以降の音声SIMは1枚に付き月額572円が必要。OCN光モバイル割が適用すれば1契約に付き月額220円が割引になる(カッコ内の料金)。
ただし、OCN モバイル ONEのプランは最大10GBなので、3人以上でシェアすると利用できるデータ量が少なくなる。OCN光モバイル割は最大5契約まで割引になるので、この割引が適用する人なら、家族それぞれが契約した方が安く最適なデータ量のプランを利用できる。
BIGLOBEモバイルは3GBから30GBまで5つのシェアプランを用意する。1つの契約で最大5回線まで利用でき、ビックローブ光の利用で月額220円が割引になるものの、適用は主回線のみ。シェアSIM(音声)の追加が1枚につき月額990円とやや高めなので、家族で利用する場合には2回線目以降、全プランが月額220円割引になる「BIGLOBE家族割」を利用する方が安くなる。一方、シェアSIM(SMS)は月額352円、シェアSIM(データ)は月額220円と安めなので、シェアプランでの利用はスマホとタブレット、PCなど、シェアSIM(データ)を利用する複数の端末での利用に向く。
y.u mobileの20GBの「シェア U-NEXT」は2人までなら追加料金なしで利用でき、3人目、4人目は月額550円が必要になる。ただこの料金に映画やドラマ、マンガなどが見放題の「U-NEXT」の月額プラン2189円が含まれ、4アカウントまで同時視聴ができる。家族それぞれが映画やマンガなどを楽しみたいなら、トータルでお得に利用できる。さらに、毎月付与される1200円分のU-NEXTポイントを使って10GBチャージをすれば、実質30GBを利用できる。
各自がプランを契約するよりも安めに利用できる場合は多いシェアプランだが、他社から乗り換えるときには注意が必要。その1つが乗り換え時には代表者の名義に変更してから「MNP予約番号」の取得手続きを行うこと。また誰か1人が多く使ってデータが足りなくなることがないようにも注意したい。余ったデータの繰り越しができるかどうか、追加データチャージの料金なども調べておきたい。
※この記事は2021年10月20日時点の情報です。
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