冒頭で紹介した通り、2021年に発表されたスマートフォンではドコモのらくらくスマートフォン F-52Bのみがワンセグ対応のスマホとなった。前世代までフルセグを搭載していたXperiaとAQUOSは、2021年のハイエンドモデルではテレビ機能自体の搭載を見送ったことになる。
テレビ機能の搭載を見送った理由をメーカーに聞いてみたところ、次のような答えが返ってきた。
シャープ広報部 環境の変化、ニーズの変化によるものが大きいです。動画配信サービスなどオンデマンドで多様なコンテンツを視聴できる環境が整ってきており、電波受信できる場所であればどこからでも快適に視聴できるようになっているため、ワンセグ機能は非搭載としております。
携帯キャリアにとっても、スマホでの動画視聴は快適にできるようになった現在の環境においては、ワンセグは優先順位の高い機能ではないようだ。
ソフトバンク広報部 昨今、通信速度の向上によりスマホでも快適に動画が視聴できるようになり、また多様な動画サービスが存在するなかテレビ機能のニーズ自体も減少している状況です。各メーカー様とはテレビ機能搭載による端末価格への影響など、総合的な協議を踏まえ、テレビ機能については非搭載としております。
一方で、らくらくスマートフォン F-52Bがワンセグ搭載を続ける理由は、「らくらくシリーズのターゲット層(シニアユーザー)には、アプリを利用しての視聴はハードルが高いと思われるため」(FCNT広報部)。テレビに慣れ親しんだ世代にとって、ワンセグが重要な機能であるとともに、災害時の情報入手の手段としても重宝されているという背景があるという。
ワンセグ搭載スマホが完全になくなることは当面なさそうだが、今後も、ごく限られた機種にだけ搭載されることになりそうだ。
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