スマホから消えた「ワンセグ」、2021年は搭載機種ゼロに その背景を探る(2/2 ページ)

» 2021年12月02日 12時30分 公開
[石井徹ITmedia]
前のページへ 1|2       

「らくらくスマホ」だけにワンセグが残る理由は

 冒頭で紹介した通り、2021年に発表されたスマートフォンではドコモのらくらくスマートフォン F-52Bのみがワンセグ対応のスマホとなった。前世代までフルセグを搭載していたXperiaとAQUOSは、2021年のハイエンドモデルではテレビ機能自体の搭載を見送ったことになる。

 テレビ機能の搭載を見送った理由をメーカーに聞いてみたところ、次のような答えが返ってきた。

シャープ広報部 環境の変化、ニーズの変化によるものが大きいです。動画配信サービスなどオンデマンドで多様なコンテンツを視聴できる環境が整ってきており、電波受信できる場所であればどこからでも快適に視聴できるようになっているため、ワンセグ機能は非搭載としております。

AQUOS R5G 現時点でシャープスマホ最後のフルセグ搭載機となっている「AQUOS R5G」

 携帯キャリアにとっても、スマホでの動画視聴は快適にできるようになった現在の環境においては、ワンセグは優先順位の高い機能ではないようだ。

ソフトバンク広報部 昨今、通信速度の向上によりスマホでも快適に動画が視聴できるようになり、また多様な動画サービスが存在するなかテレビ機能のニーズ自体も減少している状況です。各メーカー様とはテレビ機能搭載による端末価格への影響など、総合的な協議を踏まえ、テレビ機能については非搭載としております。

 一方で、らくらくスマートフォン F-52Bがワンセグ搭載を続ける理由は、「らくらくシリーズのターゲット層(シニアユーザー)には、アプリを利用しての視聴はハードルが高いと思われるため」(FCNT広報部)。テレビに慣れ親しんだ世代にとって、ワンセグが重要な機能であるとともに、災害時の情報入手の手段としても重宝されているという背景があるという。

 ワンセグ搭載スマホが完全になくなることは当面なさそうだが、今後も、ごく限られた機種にだけ搭載されることになりそうだ。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月25日 更新
  1. 3COINSで1万1000円の「プロジェクター」を試す 自動台形補正、HDMI入力、Android OS搭載で満足度は高め (2025年12月24日)
  2. 「駅のQRコードが読み取れない」――ネットに落胆の声 なぜ“デジタル時刻表”が裏目に? (2025年12月25日)
  3. “やまぬ転売”に終止符か 楽天ラクマが出品ルール改定予告、「健全な取引」推進 (2025年12月23日)
  4. mineo料金プラン改定の真相 最安狙わず「データ増量+低速使い放題」で“ちょうどいい”を追求 (2025年12月25日)
  5. 若いiPhoneユーザーの間で「クリアケース」に人気が集まっている理由 すべては“推し”のために (2025年12月25日)
  6. iPhoneのロック画面で「カメラが起動しちゃった」を防げるようになった! その設定方法は? (2025年12月24日)
  7. 関東地方で5G通信が速いキャリアは? ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルでICT総研が比較(2025年12月) (2025年12月24日)
  8. 「楽天カード」は2枚持てる? 2枚持ちのメリットや注意点を解説、持てない組み合わせもあり (2025年12月23日)
  9. 「HUAWEI WATCH GT 6」レビュー:驚異のスタミナと見やすいディスプレイ、今買うべきスマートウォッチの有力候補だ (2025年12月24日)
  10. CarPlay/Android Auto対応「OttoAibox P3 Pro」発売 従来機から操作性向上、2画面表示も可能 (2025年12月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー