ソフトバンクのシャープ製スマートフォン「AQUOS PHONE Xx 206SH」は「フルセグ」に対応しており、家庭用テレビ向けの地上デジタルテレビ放送をスマートフォンで視聴できる。ワンセグの解像度/フレームレートはQVGA(320×240か320×180ピクセル)/15fpsだったが、フルセグは1080i(1440×1080か1920×1080ピクセル)/30fpsとなり、より高精細で滑らかな映像を楽しめる。今回は、このフルセグについてレビューしていきたい。
家庭用テレビで地上デジタル放送を視聴するにはB-CASカードが必要だが、206SHをはじめとするスマートフォンやタブレットで実現しているフルセグは、B-CASカードをソフト化したソフトCASをサポートしているので、B-CASカード不要で視聴できる。
フルセグでは、ワンセグよりもデータ量の大きな放送を再生するため、充電なしでどれほど視聴し続けられるのかは気になるところ。ソフトバンクモバイルの公式サイト(外部リンク)によると、206SHのフルセグの連続視聴時間は「約4.5時間」と案内されている。
では実際のところはどうなのか。初期状態の206SHに、バッテリー残量確認用に「Battery Mix」をインストールし、Wi-Fiをオンにした状態で、満充電の状態からフルセグを再生し続けてみた。テスト開始日時は8月14日(水)の13時32分で、フルセグの受信環境が良好なアイティメディア社内でテストした。
4時間26分が経過した17時58分の時点でバッテリー残量は4%になり、フルセグを視聴する「テレビ」アプリが終了した。何度か試してみたが、残量が4%になると、テレビアプリは自動で終了する仕様のようだ。4時間26分は公式スペックの4.5時間と大差なく、おおむね4時間30分程度は再生できると考えていいだろう。
ちなみに、206SHではバッテリー残量が10%未満の状態だと、フルセグ(テレビアプリ)を起動できなくなるが、充電をした状態だと、バッテリー残量に関係なくフルセグを起動できる。
フルセグ/ワンセグ再生中にホームボタンを押すと、音声がバックグラウンドで再生された状態でホーム画面に戻る。そこからほかのアプリを起動しても音声は再生されたままだ。再びテレビアプリを立ち上げるには、「テレビ」アプリをタップするか、通知バーの「フルセグ受信中」をタップすればよい。
テレビアプリを終了するには、フルセグ/ワンセグ再生中に戻るキーを2回押せばよい。
206SHでは、フルセグの録画が可能だ。視聴中に録画ボタンをタップして録画時間を指定すると、録画がスタートする。なお、録画した番組は同梱のTVアンテナ入力用microUSB変換ケーブルを使用した場合のみ、microSDに保存される。同ケーブルを使用しない場合、本体メモリに保存される。206SHの本体メモリの空き容量は20Gバイトほど。フルセグはデータが大きく、1時間分の番組は8Gバイトほどにも及ぶので、長時間の録画には向かない。たっぷり録画したければ、TVアンテナ入力用microUSB変換ケーブルと64GバイトのmicroSDXCを活用したい(それでも録画できるのは8時間ほどだが)。ただし「microSDHC」を使用する場合、連続で録画できるのは1回につき最大4Gバイト(30分程度)となる。
プリインストールされている「Gガイド番組表」アプリを使えば、フルセグ/ワンセグともに、選択した番組の視聴予約や録画予約ができる。
録画した番組はテレビアプリの録画番組一覧、または「コンテンツマネージャー」アプリの「TV/SD-Video」から確認できる。
ワンセグは(データの9回のコピーと1回の移動ができる)「ダビング10」に対応しているが、フルセグはダビング10に対応していないため、本体に保存した録画番組を、microSDにコピーすることはできない(移動はできる)。本体に録画したファイルをmicroSDに移すことができるが、1度移したファイルは本体には戻せなくなるので注意したい(microSDに録画したファイルは本体に移せない)。また、本体に保存した4Gバイト以上のファイルはmicroSDHCには移せない。
また、microSDに保存した録画番組を本体に移動したり、ほかの端末で再生したりすることはできない。
なお、フルセグを録画したmicroSDをPCで確認すると、「PRIVATE」内の「SHARP」フォルダに「FSEG」フォルダがあり、ここにフルセグのデータが保存されていることが確認できる(再生はできない)。
206SHは、電源キーとボリュームキー(下)を同時に押すとスクリーンショットが撮れるが、フルセグとワンセグの画面はスクリーンショットを撮れない。「ミニテレビ」を表示しているときも同様で、画面に少しでもテレビ画面が表示されていると、スクリーンショットは撮れない。
フルセグとワンセグ、どちらもSIMカードを外した状態でも視聴できる。つまり206SHを機種変更/解約した後も、ポータブルテレビとして活用できる。
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