5インチのフルHD(1080×1920ピクセル)ディスプレイや3080mAhの大容量バッテリー、そしてフルセグを搭載するハイスペックなソフトバンクのシャープ製スマートフォン「AQUOS PHONE Xx 206SH」。本コーナーでは、206SHの気になるポイントを数回にわたってレビューしていく。第1回では、前モデル「AQUOS PHONE Xx 203SH」との違いや同梱品をチェックした。
206SHの前モデルにあたる203SHが発売されたのは3月8日。わずか4カ月足らずで後継機が発売されたわけだが、これら2機種はどんな違いがあるのだろうか。
目立つところは、206SHはシャープのスマートフォンとしては初めてフルセグに対応したことと、ディスプレイが203SHの4.9インチHDから5.0インチフルHDに進化したこと。
バッテリー容量が2200mAhから3080mAhへと大きく増量したことも特筆に値する。下記の表にも掲載したが、バッテリーの増量に伴って連続通話時間と連続待受時間も203SHから向上している。一方で、203SHのディスプレイに搭載された「IGZO」は、206SHでは見送られ、「S-CGSilicon液晶システム」を搭載している。バッテリー全般の持ちは206SHに軍配が上がりそうだが、IGZOの特性が生きる静止画表示中は、203SHの方が有利かもしれない。
カメラの画素数は203SHの1630万から1310万に下がったが(それでも十分高い画素だが)、206SHではカメラレンズのF値が1.9に向上し、より明るく撮影できるようになった。一方で、203SHに搭載されていた光学式手ブレ補正は、206SHでは見送られた。ドコモ向け夏モデルの「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」が、F1.9のレンズと光学式手ブレ補正の両方を備えているだけに残念だ。また、206SHは防塵にも対応しておらず、203SHからスペックダウンしている面も多い。
| AQUOS PHONE Xx 206SH | AQUOS PHONE Xx 203SH | |
|---|---|---|
| OS | Android 4.2 | Android 4.1 |
| プロセッサー | Qualcomm Snapdragon APQ8064T/1.7GHzクアッドコア | Qualcomm Snapdragon APQ8064/1.5GHzクアッドコア |
| サイズ(幅×高さ×厚さ) | 約71×140×9.9ミリ | 約69×137×10.9ミリ |
| 重さ | 約159グラム | 約146グラム |
| 連続通話時間 | W-CDMA:約1000分、GSM:約700分 | W-CDMA:約830分、GSM:約630分 |
| 連続待受時間 | AXGP:約430時間、W-CDMA:約500時間、GSM:約430時間 | AXGP:約340時間、W-CDMA:400時間、GSM:約380時間 |
| バッテリー容量 | 3080mAh | 2200mAh |
| メインカメラ | 有効約1310万画素CMOS(AF/手ブレ軽減対応) | 有効約1630万画素裏面照射型CMOS(AF/手ブレ軽減対応) |
| インカメラ | 有効約207万画素CMOS | 有効約120万画素CMOS |
| 光学式手ブレ補正 | − | ○ |
| メモリ | ROM:32Gバイト、RAM:2Gバイト | ROM:32Gバイト、RAM:2Gバイト |
| 外部メモリ | microSDXC(最大64Gバイト/別売) | microSDXC(最大64Gバイト※別売) |
| ディスプレイ | 約5.0インチ フルHD(1080×1920ピクセル)S-CGSilicon液晶システム(1677万色) | 約4.9インチ HD(720×1280ピクセル)IGZO液晶(1677万色) |
| SoftBank 4G | ○ | ○ |
| ULTRA SPEED | ○ | ○ |
| 防水 | ○(IPX5/IPX7) | ○(IPX5/IPX7) |
| 防塵 | − | ○(IP5X) |
| Bluetooth | 4.0 | 4.0 |
| 無線LAN | 802.11a/b/g/n/ac | 802.11a/b/g/n |
| FeliCa | ○ | ○ |
| NFC | ○ | ○ |
| 赤外線通信 | ○ | ○ |
| ワンセグ | ○ | ○ |
| フルセグ | ○ | − |
ディスプレイの大型化やバッテリーの増量などに伴い、206SHのボディは全般的に203SHより大きくなっている。幅は203SHの69ミリから71ミリに増えており、片手で操作し続けるのは少々辛いが、ブラウザやSNSなどでスクロールするだけなら問題ない。文字を片手で入力できるかも気になるが、206SHにプリセットされているiWnnはテンキーを左か右寄せにしたり、高さを調節したりできるので、片手でも問題なく文字を入力できる。
本体は全体的に丸みを帯びているので、持ち心地は良い。203SHはディスプレイ面がやや角張っていたので手に当たるのが少し気になったが、206SHではディスプレイ面の角もしっかり削がれているので持ちやすい。


プリセットされている日本語入力システム「iWnn」は、キーボードの右寄せ/左寄せや高さ変更ができるので、片手でも打ちやすい。ただし、「設定」→「その他設定」→「言語と文字入力」→「iWnn IME-SH edition」→「表示・レイアウト」→「キーサイズと候補行数」から変更する必要があるのは、操作ステップが多くて少々不便。キーボードの表示画面から、タッチ操作で自由に変更できるようにしてほしかった206SHと203SHの外観で1つ大きく違うのは、203SHにはあった「クイック起動キー」が、206SHには搭載されていないことだ。203SHのディスプレイ面左下にあるクイック起動キーは、スリープ時に押すと画面が点灯するほか、画面点灯中に短押し/長押しすると、特定のアプリが起動するショートカットの設定もできた。206SHはディスプレイ面には一切物理キーを搭載していないので、スリープから復帰させるには、上端部にある電源キーを押さなければならず、不便に感じる。203SHに引き続き、ボリュームキーは側面ではなく、ディスプレイ面の右下に、センサーキーとして用意している。
防水スマホでもある206SHは、イヤフォンジャックに加えてMicro USB端子もキャップレスになっているのはうれしい進化点だ(203SHのMicro USB端子はカバー付き)。卓上ホルダも利用できる206SHだが、充電ケーブルを端末に直接差し込む方法でも手軽に充電できる。
206SHのバッテリーは内蔵型で、リカバーも取り外せないので、交換することはできない。本体がフリーズして操作を受け付けなくなった場合、電源キーを11秒間押し続けると、バイブレーターが2回動作して強制的に電源が切れる。電源キーを押しっぱなしにしてバイブレーターが1回動作してから電源キーから指を離すと、強制的に再起動する。
SIMの形状は、従来のmicroSIMよりもさらに小さい「nanoSIM」に変更されている。nanoSIMは「iPhone 5」でもおなじみだが、ソフトバンクのAndroid端末で使われるのは初めて。なお、同じくソフトバンク向け夏モデルの「ARROWS A 202F」と「DIGNO R 202K」もnanoSIMを採用している。
206SHの主な同梱品は、ACアダプター、卓上ホルダ、TVアンテナ入力用microUSB変換ケーブル。卓上ホルダに端末をセットしたままフルセグを起動すれば、全画面で快適にテレビ番組を視聴できる。
5インチフルHD液晶+フルセグ搭載の「AQUOS PHONE Xx 206SH」、6月28日発売
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