SC-54Bが「吐き出した」エラーメッセージにもある通り、GalaxyスマートフォンでSmart Switchアプリを使ったソフトウェア更新に失敗した場合、「緊急ソフトウェアリカバリー(Energency Software Recovery)」を実行できます。
その名の通り、この機能はソフトウェア更新に失敗した端末の機能を回復するために存在します。端末ソフトウェアの書き換えに失敗した直後であれば、以下の手順で行えます。
ソフトウェア更新に失敗した端末を認知している場合、Smart Switchアプリは起動の度に「アップデートに失敗した端末がある」旨の警告を出します。「次回から表示しない」にチェックを入れると再表示されなくなりますが、緊急ソフトウェアリカバリーはアプリのメニューからいつでも実行できます。
往訪先での取材完了後、たまたま持っていた別のスマホでテザリングを実行した上で、緊急ソフトウェアリカバリーを実行してみました。
するとリカバリーに必要なデータのダウンロードは問題なく進むものの、端末側でのリカバリーが全然進みません。具体的には、進捗(しんちょく)を示すプログレスバーは端末とPCの両方に出てくるのですが「0%」で固まってしまいます……。
焦った私は、何度か端末の抜き差しや再起動を繰り返してみたのですが、状況は一向に改善しません。あれこれ試行したのですが、PCのバッテリーが干上がってしまい、リカバリー作業は進められなくなってしまいました……。
「ほぼ文鎮」なSC-54Bですが、先述の通りおサイフケータイ機能は問題なく使えます。「ああ、これは修理行きかな……」「データ、バックアップ取ったのいつだっけ……」とか失意のまま家路に就きました。
家に着いてすぐやることといえば、PCの充電とSC-54Bの緊急ソフトウェアリカバリーです。
PCの充電が少し進んだ時点でSmart Switchを起動して、緊急ソフトウェアリカバリーを実行してみます。すると約5分で全プロセスが完了し、SC-54Bが再起動しました。
数時間に渡って苦闘していたものが、たったの5分。何だったのでしょうか、今までの時間は……。
再起動には少し時間を要しましたが、すっかり“元通り”となりました。最悪、端末の完全初期化(≒セットアップのやり直し)を覚悟していただけに、うれしい誤算です。
Smart Switchを使ってGalaxyスマートフォンのソフトウェアを更新する場合は、安定していて高速なネット回線が欠かせないということがよく分かりました。今後はテザリングでムリしてやることは避けようと思います。
スマホのソフトウェア更新は、めったに失敗するものではありませんが、失敗した場合のリカバリーを自分でできるということは非常に大きな安心要素だと改めて思いました。そういう意味で「iTunes」や「Finder」を使ってリカバリーできるiPhoneって本当に“偉大”だと思います。
Androidスマホでは、ソニーのXperiaシリーズもWindows PC/Macを使ったリカバリーに対応しています(一部機種を除く)。比較的新しいモデルなら、Smart Switchと同様に端末内のデータを保持したまま修復可能です。Windows PC/Macに「Xperia Companion」をインストールして、所定の操作を行いましょう。
ただ、iPhoneにしてもGalaxyにしてもXperiaにしても、Windows PCやMacを使わないとリカバリーできないことがユーザーによってはハードルとなります。Macやごく一部のWindows PCのように、スマホもクラウドリカバリーできるようになるといいのですが……。
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