携帯電話としての基本機能は、通話、メール、+メッセージ(SMS)などを備える。スマホではなく、あくまでケータイとなるため、使える機能は限られているが、アウトドア向けのオリジナルアプリも収録されている。
ブラウザはいわゆるフルブラウザで、スマホ向けのWebサイトが表示できる。タッチ操作はできないが、Webブラウジング中は、「#」キーの長押しで矢印カーソルを表示できる。十字キーでの上下操作と、カーソル操作を的確に組み合わせていけば、モダンなスマホ向けサイトも案外快適に閲覧できてしまう。
おサイフケータイには対応していないが、スマホ決済のau PAYはプリインストールされている。モバイルSuicaで電車に乗ることはできないが、au PAYがあればコンビニなどでの買い物はある程度まかなえそうだ。
プリインストールアプリの他に、au スマートパスの加入でナビアプリの「au ナビウォーク」やオフィスファイル表示ソフトの「OfficeSuite」、辞書アプリやミニゲームなどをダウンロードできる。
ただし、ラインアップはかなり限られており、LINEなどのSNSアプリは用意されていない。基本的には通話用と割り切った方がいいだろう。
OSは公式には「非公開」とされているが、AOSP版のAndroid 10をベースとしたものとなっている。「デフォルトアプリ」の設定や、あるコマンドを入力して呼び出す「開発者向けオプション」も存在するなど、Androidスマホを使い込んだことがあるマニアならおなじみの機能が残されていたりもする。保証外の使い方になるが、方法を知ってさえいれば、一部のAndroidアプリを動かすことも可能かもしれない。
カメラアプリの機能はオーソドックスなものだが、1300万画素と高解像度になっている。暗所撮影時の暗い部分の写りや、室内でのホワイトバランスの取り方は改善の余地もありそうだと感じた。
スポーツカーのような流麗なデザイン、持ったときのホールド感、ボタンの感触などには、モノとしての所有感を高める仕掛けが随所に組み込まれているように感じる。他の4G LTE対応ケータイよりもやや割高な価格設定ではあるが、少なくとも価格相応の作り込みは十分あるといえる。
さらにG'zOne TYPE-XXでは、オプションアイテムのラインアップも多くそろえている。カラビナとネックストラップを脱着できる「2WAYストラップ&マルチケース(3960円)」が用意されているのは、いかにもアウトドアギアらしい心遣いだ。
また、電池パックも1980円で単品購入が可能だ。こちらはマルチケースに収納できるようになっている。
この他、卓上スタンドもオプションとして用意されている。側面端子から充電するため、やや大ぶりな形状になっているが、デスクに置いておく分には邪魔にならないだろう。
タフネス好きならば憧れのブランドである「カシオのG'zOne」は、いまだに3GケータイのG'zOneを使い続ける熱いファンの声に応えて誕生したモデルだ。カシオデザイン・京セラ設計という異例のタッグでの復活となったが、G'zOneのスピリットは色濃く反映する仕上がりになっている。
auでは2022年3月31日をもって3Gサービス(CDMA 1X WIN)を完全に終了すると予告している。そのタイミングで過去のG'zOneシリーズは携帯電話としては完全に利用できなくなる。3G終了後もケータイとして使い続けるためにも、G'zOne TYPE-XXはよい選択肢となるだろう。
【G'zOne TYPE-XX】主なスペック | |
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ディスプレイ | 3.4型TFT液晶 |
FWVGA、480×854ピクセル | |
連続通話時間 | 約610分(4G LTE) |
連続待受時間 | 約340時間 |
チップセット | Snapdragon 215(QM215)、クアッドコア |
カメラ | 約1300万画素(像面位相差オートフォーカス対応) |
タフネス性能 | |
防水(IP58)、防塵(IP5X) | |
MIL-STD-810H準拠試験19項目をクリア(雨滴、耐衝撃、太陽光照射、高温耐久、高温動作、低温動作、凍結、低圧動作、塩水噴霧、氷ほか) | |
消毒用アルコール、次亜塩素酸ナトリウムでの拭き取り試験 | |
泡ハンドソープでの洗浄試験 | |
その他 | 歩数系、湿度計、気圧計、FMラジオ内蔵 |
外部端子 | USB Type-C(OTG非対応) |
サイズ(幅×高さ×奥行き) | 約55×115×23〜26mm |
重量 | 約183g |
カラー | リキッドグリーン、ソリッドブラック |
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