実は誤解? 3G停波で“ケータイ”が終了するわけではないふぉーんなハナシ

» 2021年12月24日 17時09分 公開
[田中聡ITmedia]

 NTTドコモ、au、ソフトバンクの3G停波が近づいています。停波するタイミングは、ドコモが2026年3月31日、auが2022年3月31日、ソフトバンクが2024年1月下旬を予定しています。

 3Gサービスが終了すると、従来型のケータイ(フィーチャーフォン)、いわゆる「ガラケー」が使えなくなる……といった報道をよく見ますが、ここには誤解が含まれています。従来型ケータイの全てが使えなくなるわけではありません。

auケータイ auケータイ(WIN端末)は2022年4月以降、利用できなくなる

 3G停波の時期が最も近いauのケースを見てみましょう。auでは、2022年3月31日に3G通信サービス「CDMA 1X WIN」の提供を終了します。これに伴い、WIN端末とau VoLTE非対応のスマートフォンとケータイで、音声通話とデータ通信が利用できなくなります(LTE対応でもVoLTE非対応だとデータ通信も利用できなくなる)。WIN端末の中には、いわゆるガラケーが含まれますが、実はスマートフォンも一部機種は2022年3月末で使えなくなるのです。iPhoneでいうと、LTE非対応のiPhone 4sや、au VoLTE非対応のiPhone 5/5s/5cが該当します。

auケータイ LTEに対応していても、au VoLTE非対応だと、音声通話とデータ通信のどちらも利用できなくなる

 じゃあケータイはどうなのかというと、先ほどのiPhoneと同じく、au VoLTEに対応していないモデルは2022年3月末で使えなくなります。裏を返せば、au VoLTEに対応している機種なら、2022年4月以降も引き続き使用できます。au VoLTEに対応したケータイは、最新モデルでは12月10日に発売したばかりの「G'zOne TYPE-XX」があります。最も古いのは、2015年7月発売の「AQUOS K SHF32」で、他に「INFOBAR xv」や「GRATINA KYF39/KYF42」「かんたんケータイ KYF41」「かんたんケータイライト KYF43」などもau VoLTEに対応しています。

auケータイ au VoLTEに対応している「AQUOS K SHF32」

 いずれも従来型ケータイでおなじみのテンキーを備えており、INFOBAR xv以外は折りたたみ形状です。サービス終了対象機種のユーザーに対し、KDDIはスマートフォンやau VoLTE対応ケータイに無料で交換する施策を行っています。無料交換できる機種には、かんたんケータイやGRATINA(KYF42)も含まれるので、使い慣れた折りたたみがいいという人は、これら2機種が候補になります。

auケータイ auはサービス終了対象機種を使っているユーザーに、指定機種に無料で交換する施策を行っている

 では、ドコモやソフトバンクはどうなのかというと、LTEとVoLTEに対応したケータイなら、3G停波後もデータ通信と音声通話を使用できます。LTE対応でもVoLTEに対応していないと音声通話が利用できなくなるので注意が必要です。比較的新しい機種では、ドコモは「arrows ケータイ F-03L」「AQUOS ケータイ SH-02L」「カードケータイ KY-01L」、ソフトバンクは「DIGNO ケータイ3」「AQUOS ケータイ3」「かんたん携帯10」などがLTEとVoLTEに対応しています。

arrows ケータイ F-03L ドコモの「arrows ケータイ F-03L」
DIGNO ケータイ3 ソフトバンクの「DIGNO ケータイ3」

 ITmedia Mobileの読者で従来型ケータイをメインで使っている人は少数でしょうが、家族や周りにケータイユーザーがいたら、「LTEとVoLTEに対応しているか」を確認しておくといいでしょう。

 なお、3キャリアともスマホへの乗り換え施策を強化していることもあり、今後、ケータイの新機種は減っていくものと思われます。auはG'zOne TYPE-XXやGRATINAなどをはじめ、2021年もケータイの新製品を投入していますが、ドコモは2020年以降、ソフトバンクは2021年以降、ケータイの新製品は投入していません。まだ数年間はケータイを使いたいという人は、早めに入手しておくといいでしょう。

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