KDDIがDAZNをパックにした新料金プランを投入――通信トラフィック増と解約抑止を狙う石川温のスマホ業界新聞

» 2022年02月05日 10時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 KDDIが2月下旬よりDAZNの視聴料をセットにしたパック料金を開始する。DAZNは2月22日より3000円への値上げが発表されたばかり。サッカーやプロ野球、F1ファンが値上げに阿鼻叫喚のなか、救世主が現れた格好だ。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2021年1月29日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。


 DAZNパックの導入について、KDDIの高橋誠社長は1月28日に行われた決算会見で「5Gを展開し始めてから分かってきたことがある。ユーザーに利用シーンを提案していくのだが、5Gになると道路は高速道路となって広くなる。

 スマートフォンのパフォーマンスも非常によくなっており、スーパーカーといえる。au 5Gユーザーは、au 4G LTEユーザーの約2.5倍を超える通信を行っている。

 ユーザーが何をどのように使っているのかを考えた時、OTTやハイパースケーラーのコンテンツを楽しむ人が、ここ最近はさらに増えている。

 私たちが他社に先駆けて作ったALL STARパックをより魅力的なものにしようと、今回DAZNだけでなく、AmazonプライムやGeForce NOWも追加した。

 OTTサービスの月額料金は総額で9000円を超えているが、プランは月額9988円のまま据え置た。コンテンツを楽しむことが大好きな方にとって、より魅力的なプランになったと思う」と語る。

 実際、我が家も、家族でNetflixを視聴しつつ、クルマのなかではApple Musicをかける。YouTube Premiumで広告のない動画視聴から逃れられなくなっている。買い物はAmazon Primeだし、中学生の頃から観ているF1は、いまやフジテレビではなく、DAZNだ。

 ちなみにDAZNはNTTドコモが提供した初期から契約しているので月額980円が継続されそうなので「3000円に値上げされて関係ない」と思っていたが、今シーズンからはauのプランに切り替えるつもりだ。

 ユーザーとしてメリットの多そうなプランであるが、一方で提供する側のキャリアやOTT、ハイパースケーラーにとっても魅力的な立て付けのようだ。

 「パックプランのようにセットにしたプランを使うユーザーは、そうでないプランを契約しているお客さまと比べると解約率が極めて低い。その効果を見定めながら、より魅力的なプランを作るべく分析やシミュレーションもしていく。今後も強化していきたい」(高橋社長)というのだ。

 実際に5Gにおいては動画サービスの利用意向が高まる傾向にあるという。

 ちなみに高橋社長は7日間760円でデータ利用量と視聴料がセットになったpovo2.0のDAZNトッピングも推していた。サッカー日本代表戦はDAZN独占配信もあるため、手軽に観るならpovo2.0という選択肢も魅力と言えるのだ。

 知り合いがやっているF1メディアでは「DAZNの値上げを受けて、すでに年間契約に切り替えた」とアピールしていた。

 DAZN値上げで路頭に迷っているスポーツファンの気持ちを年間契約ではなく、auへの契約にいかに振り向かせられるか。シーズン開幕前のプロモーションが重要になってきそうだ。

© DWANGO Co., Ltd.

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