インド製の5Gミリ波対応スマホが米国で販売中 意外な“中の人”も山根康宏の海外モバイル探訪記

» 2022年02月06日 11時00分 公開
[山根康宏ITmedia]

 各キャリアが5Gサービスを展開する米国で、異色のスマートフォンが販売されています。OrbicがVerizon向けに販売している5Gスマートフォン「Myra 5G」はミリ波にも対応した高速データ通信アクセス可能な端末ですが、製造元はインド。インド製の5Gスマートフォンが米国で販売されているのです。

Myra 5G Verizonが販売するOrbicの「Myra 5G」

 2022年1月、ラスベガスで開催されたCES 2022の関連イベントとなるDitigal ExperienceにOrbicは出展し、Verizon向けのミリ波対応端末を幾つか展示していました。Orbicは自社で工場は持たずにODMやEMS企業に製品の製造を委託しています。Myra 5Gはインドの大手EMS企業、Dixon Technologiesと提携して製造されたスマートフォンなのです。

Myra 5G Digital Experienceの会場。ホテルのイベントホールにスタートアップ企業が出展

 Myra 5Gの主なスペックはプロセッサがSnapdragon 750G、ディスプレイサイズは6.78型で解像度は720×1600ピクセル、カメラは4800万画素と800万画素超広角、200万画素深度測定の3つを搭載、インカメラは1600万画素と意外と高性能。そしてバッテリーは5000mAhです。

Myra 5G 背面にはトリプルカメラと指紋認証センサーを搭載

 光沢感あるボディーですが、指紋の跡が若干目立つなどミドルレンジクラスの製品の仕上がりといった感じ。価格は349ドルですが、契約プランによっては大幅な割引販売も行われているようです。米国では他のキャリアも独自の低価格5Gスマートフォンを投入しており、このクラスの製品は5Gユーザー獲得手段用として割引販売が日常化しています。

Myra 5G カメラ部分は出っ張りはほとんどない。ミドルレンジのバランスいい製品だ

 本体サイズは79.7(幅)×172.8(高さ)×9.3(奥行き)mm、重量190g。ディスプレイの解像度は低いものの、サイズは大きいので5G回線を使ってストリーミングで動画を見るのも十分楽しめそうです。

Myra 5G 重量200gを切るため軽く感じられる

 ところでOrbicのブースで説明していただいた方の顔に見覚えのある人もいるかもしれません。以前モトローラ・モビリティ・ジャパンの社長だったダニー・アダモポウロス(Danny Adamopolos)氏が、現在はOrbicで5G製品を扱っているのです。日本にゆかりのある方が開発に関わっているということで、いずれOrbicの製品が日本で販売される日がくるかもしれません。

Myra 5G 元モトローラ・モビリティ・ジャパンモトローラジャパンのダニー・アダモポウロス氏

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