「iPhone SE(第3世代)」で見送られた機能と残念なポイント

» 2022年03月09日 12時21分 公開
[田中聡ITmedia]

 Appleの「iPhone SE(第3世代)」が3月18日に発売される。先代「iPhone SE(第2世代)」とデザインは同じながら、iPhone 13シリーズと同じ「A15 Bionic」を搭載し、SEシリーズとしては初めて5Gに対応したことが大きなトピックだ。

iPhone SE(第3世代) 最新の「iPhone SE(第3世代)」

 ディスプレイとカメラはミッドレンジスマートフォンといえるスペックながら、プロセッサは最上位のものを搭載しており、5万円台からという価格を考えると、バランスの良いモデルにまとまっているといえる。

 一方で、搭載が見送られた機能や要素もある。それらを簡単に紹介したい。

Face ID

 生体認証はTouch IDのみで、顔認証を行うFace IDには対応していない。Touch IDとFace IDの両方を利用できるiPhoneはいまだ存在しない。今後、Touch IDとFace IDに両対応したiPhoneが登場するとして、Touch IDはホームボタンやサイドキーなどの物理キーに内蔵させるのか、あるいはディスプレイ内蔵型になるのか、気になるところだ。

iPhone SE(第3世代) Touch ID内蔵のホームボタンを搭載

MagSafe

 iPhone SE(第3世代)は既存モデルと同じくQi規格のワイヤレス充電に対応しているが、磁石を用いて対応するケースやワイヤレス充電器を取り付けられるMagSafeには対応していない。

複眼カメラ

 A15 Bionicのおかげで、機械学習を用いた画像合成技術のDeep Fusionや、iPhone 13シリーズと同等のHDRなどはサポートしているが、カメラの構成はiPhone SE(第2世代)から変わらない。1200万画素のシングル構成にとどまっており、超広角カメラや望遠カメラは備えていない。Androidではミッドレンジ帯でも複眼カメラを備えているモデル「が多いだけに、ここは少し惜しい点だ。

iPhone SE(第3世代) カメラはシングル構成

ナイトモード

 暗所でも鮮明に撮影できる「ナイトモード」もiPhone SE(第3世代)では見送られた。ナイトモードは、複数の写真を合成して長時間露光することで明るい写真を生成するが、これはプロセッサの処理に依存する部分が大きい。ナイトモードを初めて搭載した「iPhone 11」シリーズのプロセッサは2世代前の「A13 Bionic」。プロセッサの性能を考えればiPhone SE(第3世代)でも対応できたはずなので、ここも残念な点だ。

狭額縁設計

 iPhone SE(第3世代)のディスプレイは4.7型で先代とデザインが同じ……ということは、ディスプレイ上下の広い額縁もしっかり残されている。

iPhone SE(第3世代) 約4年半前の「iPhone 8」から変わらないデザイン。iPhone 13 miniと比べると、だいぶ古く感じる

 iPhone X以降のiPhone(SEを除く)やAndroidでは、ミッドレンジも含めて現行モデルは狭額縁設計が当たり前になっていることを考えると、あの広い額縁はどうしても古めかしく感じてしまう。それもそのはず、デザイン自体は約4年半前の2017年9月に発売された「iPhone 8」から変わっていない。

 約2年ぶりの新機種にしては変化に乏しく、せっかく5Gに対応してリッチなコンテンツを楽しむ機会も増えるのだから、せめて画面サイズは大きくしてほしかった、と個人的には思う。

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