2022年2月4日、楽天モバイルは自社の基地局でエリアをカバーする「楽天回線エリアの4G人口カバー率が96%に到達した」と発表しました。データ無制限で使える楽天回線エリアが拡大したことは楽天モバイルユーザーにとって朗報といえます。しかし、楽天モバイルに割り当てられている周波は1.7GHz帯(Band3)のみで、電波が広く届きやすい700〜900MHz帯の「プラチナバンド」が割り当てられていない、基地局の数が大手通信キャリアに比べて少ない、といった理由で「楽天モバイルは(特に建物内で)つながりくい」といった声もあります。
そこで今回は楽天モバイルの「人口カバー率96%」の発表を受けて、東京都内10か所にて楽天モバイルの通信速度を1日かけて測定してきました。比較対象として、MNOであるソフトバンクの「メリハリ無制限」、MVNOであるIIJmio「ギガプラン(ドコモ回線)」を用い、3社の通信速度を「ぱっと見」で比較できる記事にしました。今回の測定は3社の「通信速度」を計測したにすぎず、厳密に言えば「つながりやすさ」の測定ではありませんが、楽天モバイルの比較検討の材料の1つとして参考にしていただければと思います。
調査条件は以下の通りです。
渋谷駅、新宿駅、東京駅、新橋駅、品川駅といった東京の代表的なオフィス街での結果と所感をまとめます。楽天モバイルの下り通信速度はおおむね、20〜40Mbpsを記録しました。「爆速」とまでは言えませんが、このぐらいの通信速度があればストレスなくスマホでブラウザを閲覧したり、YouTubeで動画視聴したりできるでしょう。JR東京駅の京葉線につながる地下コンコースや品川駅の商業施設内といった、建物内においても今回の計測では「とりわけ電波が悪い」とは感じることはありませんでした。
「圧倒的な速さ」を実感したのは、ソフトバンクのメリハリ無制限。渋谷駅、新宿駅、東京駅(丸の内口)、品川駅では下り速度数百Mbpsと、「下り速度3桁」を何度も記録し、段違いの速さでした。一度もiPhoneのステータスバーに5Gの表示が出なかった楽天モバイルに比べ、ソフトバンクのメリハリ無制限ではiPhoneのステータスバーに5Gが表示されるときもありました。
IIJmioの通信速度は楽天モバイルと近い20〜40Mbpsでした。IIJmioはMVNOサービスの1つで、昼時の通信速度は「出ても1〜2Mbps」という日もあり、平日の昼時は速度測定アプリを開くことすらできない日もあるぐらいです。しかし、この日の昼のIIJmioは特に遅いと感じることもなく、「瞬間的には」楽天モバイルより速く感じました。
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