カメラはiPhone SE(第2世代)とほぼ同じ仕様と思われる1200万画素を搭載。画素数は同じだが、A15 Bionic搭載により、Deep FusionとスマートHDR4による撮影処理や、好みの撮影設定を指定できるフォトグラフスタイルに対応した。なお、iPhone 13/12/11シリーズでおなじみのナイトモードには対応しない。
被写体を複数の露光データを処理するDeep Fusionにより、光量が少ないシーンでも高繊細な撮影が可能だとしている。確かにいくつか撮ったが、室内撮影の解像感が若干向上した印象を受けた。そうなると、暗所撮影性能も気になるところ。そこで、手前は肉眼でも暗くて細部が見えない建物、奥に一般的な夜の街中というシーンで撮り比べてみた。比較対象は前機種iPhone SE(第2世代)と、iPhone 13 Proのナイトモードだ。
結果、暗所での明るさ自体は前機種のiPhone SE(第2世代)とさほど変わらないが、見比べると細部の解像力がかなり向上していることが分かる。このシーンだと中央左のビル手前側の壁面模様や、肉眼では暗くて見えない左の木のパネルの建物のディテールが分かりやすい。暗所撮影性能はiPhone 13 Proなどのナイトモードにはかなわないが、前機種と比べると暗所を含む解像力がある程度向上したといっていいだろう。
iPhone SE(第3世代)は、Apple Storeの価格だと6万円前後と先代からやや高くなったが、それでも高価格帯のスマホ並みの処理性能や機能を備えた使いやすいモデルとなっている。iPhoneでスマートフォンデビューを考えている人や、安価にiPhoneに機種変更したい人にオススメしやすい。LINEやSNSはもちろん、最新の高画質ゲームアプリまで快適に動作する。スマホ初心者から慣れた人まで、快適に扱えるのは間違いない。
携帯キャリアとしても、待望の5G対応低価格iPhoneということで積極的に販売することになるのだろう。ただ、現時点では量販店や携帯電話事業者のショップごとに実売価格の差が大きいという印象を受けた。お得に購入したいなら、取扱店をいくつかチェックしてほしい。
欠点は画面サイズの小ささとバッテリー持ちの悪さだ。スマホの使い方に慣れて動画視聴や高画質ゲームを楽しみ始めると、より大画面でバッテリー持ちの良い上位モデルが欲しくなる。欠点を理解しつつも使いたいなら、モバイルバッテリーの持ち歩きやiPadの併用といった対策をとるといいだろう。
ここまで価格抑えた高性能なスマホだと、ライバル機種と呼べる製品はほぼない。最大のライバルといえるのは、価格差が小さくなり特価販売も増えたiPhone 13やiPhone 12シリーズ、在庫のみ特価などを見かけるiPhone SE(第2世代)だ。iPhoneの買い換えを考える場合は、店頭で他の機種との価格差をしっかり比べてほしい。
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