iPhone SE(第2世代)は指紋認証(Touch ID)により、新型コロナ禍や花粉症などでのマスク装着時のロック解除が便利として話題になった。この機能はiPhone SE(第3世代)でも継承している。
だが、現在はiPhone 13/12シリーズの顔認証(Face ID)もマスク装着時のロック解除に対応。便利さの差はほぼなくなり、マスク装着時の快適さを優先してiPhone SE(第3世代)を選ぶ必要はなくなった。好きなモデルを買えばいいだろう。
最新モデルがマスク装着時のロック解除に対応する一方、非対応のiPhone 11シリーズやXS、XR、Xの不便さが目立つようになった。そろそろiPhone SE(第3世代)か、iPhone 13/12シリーズへの買い換えどきだろう。
なお、厳密には指紋認証だと目元を覆うサングラスなどの装着時でもロック解除が可能な他、ロック解除が必要なApple Payメインカードでの非接触決済時のロック解除からタッチへの流れがややスムーズといった利点はある。だが、こだわる人以外にとってはさほど大きな差ではない。
ここからは、5GやA15 Bionicのパフォーマンス、カメラ機能について、他のiPhoneと比較していこう。
5GはSub-6や4Gからの転用周波数帯に対応。ただ、最大通信速度はiPhone 13シリーズと異なる。ドコモやauの場合、iPhone 13シリーズは4×4MIMO対応アンテナ搭載で下り最大4.2Gbps(auは2022年春以降のアップデートで提供開始)、上り最大218Mbpsでの通信に対応する。だが、iPhone SE(第3世代)は2×2MIMO対応アンテナ搭載で、下り最大1.3Gbps前後、上り最大218Mbps前後と下りの最大速度がやや劣る。
実際に5Gが高速なドコモのSubー6エリアと、auの4G周波数帯を5Gに転用したエリアで比較したところ、特に下り速度はiPhone 13 Proの方がやや高速だった。とはいえ、両方とも元の速度が十分高速なので、体感できるほどの速度差ではない。
処理性能について、iPhone SE(第3世代)はA15 Bionicと4GBのメインメモリを搭載している。そこで、同じプロセッサでGPUが1コア多い5コアのiPhone 13 Pro、「A13 Bionic」搭載のiPhone SE(第2世代)、まだ若干だがセール品が見られる「A14 Bionic」搭載の「iPhone 12 mini」の4機種でAntutuベンチマークスコアを比較した。
結果、iPhone SE(第3世代)のA15 Bionicは確かにスマホ全体でも上位クラスの処理性能を持つ。だが、同世代プロセッサ搭載のiPhone 13 Proよりスコアが低く、1世代前のA14 Bionicを搭載のiPhone 12 miniとほぼ同じスコアとなった。前機種iPhone SE(第2世代)と比べるとスコアに約1.26倍の差がある。
とはいえ、iPhone SE(第3世代)ほどの処理性能があれば、負荷の高いアプリやmiHoYoの「原神」のような高画質ゲームアプリも快適に動作する。販売価格を考えれば非常に高性能だ。処理性能に限れば、購入後に不満を感じることはないだろう。
バッテリーの持ちだが、スペック表のビデオ再生時間だとiPhone SE(第3世代)は15時間だ。前機種iPhone SE(第2世代)の13時間より2時間長い。だが、どちらにせよ外出時に動画視聴やアプリをヘビーに使うと、途中でバッテリー切れが気になってくる。長時間の外出時はモバイルバッテリーも持ち歩くようにしよう。バッテリー持ちが気になるならiPhone 13のビデオ再生時間19時間など、上位機種を選んだ方が無難だ。ややヘビーに使っても1日の外出中にバッテリー切れを起こすことは少ない。
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