ついにマスクを着けたままでもiPhoneの「Face ID」(顔認証)が使えるようになった。
これまではiOS 14.5以降のiPhoneとwatchOS 7.4以降のApple Watchを併用することで、パスコードを入力せずにiPhoneのロックを解除できたが、3月15日に配信開始されたiOS 15.4なら、ロック解除の際にApple Watchが不要になるだけでなく、Apple Payの利用時やSafariとアプリ内のパスワード自動入力時においても、マスクをしたまま「Face ID」を使える。
Appleによると、目の周りの特徴を認識することで、マスク着用時でもiPhoneのロックを解除できるとのこと。
【訂正:2022年3月17日10時20分 初出時、マスクありFace IDの認識率について、誤った記述がありました。おわびして訂正いたします。】
ただし対応機種が限られており、iPhone 12以降(下記)でなければ機能しない。
iOSのアップデートは、「設定」→「一般」→「ソフトウェア・アップデート」の順に進み、それ以降は画面に表示される手順に従えば行える。
アップデートが終わると、Face IDのセットアップに進めるが、「設定」→「Face IDとパスコード」の順に進み、「マスク着用時 Face ID」を有効にすることも可能だ。
「マスク着用時にFace IDを使用する」という項目では、2つの項目が表示されるので上段の「マスク着用時にFace IDを使用する(設定中にマスクを着用する必要はありません)」を選択する。
設定後、ロック解除、Apple Pay、それにSafariとアプリ内のパスワード自動入力において、マスクを付けたままFace IDを試してみたが、スムーズに動作することを確認できた。なお、正面を向いていないと認識しないことを念のためお伝えしておく。
また、iOS 15.4では「メガネを追加」という項目が追加された。画面には普段かけているメガネ(複数ある場合はそれぞれ)を認識するように設定できるが、マスク着用時のFace IDはサングラスには対応していない。
こちらのセットアップを終えると、マスクとメガネの両方を着用している状態でも、Face IDが機能した。しかし、メガネが曇っていたり、目をつぶっていたりすると、認証できなかった。
ここまでお伝えしたように、iOS 15.4によってこれまでのストレスはかなり解消されたように思う。ただ、先に述べた通り、Face IDを搭載した全てのiPhoneが対象ではない点と、同日に配信が始まったiPadの最新OS「iPadOS 15.4」ではマスク着用時にFace IDを使えない点が留意点となる。
ちなみに、イギリスやフランスなどのヨーロッパでは、屋外でのマスク着用義務が緩和されており、アメリカでも屋内では原則マスクを着用しなくてもいいことになっている。一方の日本はマスク着用が習慣化しており、マスクなしでの生活はまだできないだろう。
マスク着用時にFace IDを使える機種が増えることを切望したい。
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