米Twitterは4月5日(現地時間)、ツイートを後から編集できる編集機能に取り組んでいると明らかにしました。
今後数カ月以内にサブスクリプションサービスTwitter Blueにてテストを実施する予定です。編集は過去にさかのぼって行えるのか、直近のツイートだけなのかなど、詳細は今のところ不明ですが、Twitterは「テストを通じて何がうまくいき、何がうまくいかないのか、そして何が可能なのかを学習する」としており、同社としても手探りの様子がうかがえます。
なお、Twitterの発表の直前、筆頭株主となったイーロン・マスク氏が「編集ボタンが必要か?」というアンケートをTwitter上で実施。7割以上の人が必要と回答し、いよいよ編集機能を追加するのではないかと盛り上がっていました。ただし、Twitterによれば、編集機能は2021年から取り組んでおり、今回のアンケートは無関係だとしています。
ツイートを編集する機能は、これまでたびたび話題になっていたものの、Twitterがかたくなに導入を拒んでいた機能です。2021年6月にはTwitterの公式アカウントが「編集ボタンは必要ない、自分を許せばいいだけだ」とツイート。2011年にはTwitterの創設者であり、当時のCEOだったジャック・ドーシー氏が「最良の編集は書き直しすることだ」とツイートしており、編集機能については否定的な考えを示していました。
とはいえ、編集機能が全く検討されていなかったわけではありません。ドーシー氏は、2016年12月末に2017年にTwitterに望むものは何かという問いかけを行いました。
リプライには、編集機能を望む声が多く寄せられ、ドーシー氏も「スペル修正のために編集が必要なのか、編集可能なのは5分間でいいのか、それともいつでも編集できる必要があるのか」などの確認をユーザーに行っています。
その後、「ツイートが公の記録であることを考えると、編集履歴を表示する必要がある」と編集機能を導入した場合の対応についても、その考えを示していました。
しかし、こうしたやりとりがありながらも、現在に至るまで編集機能は導入されていません。その理由は推測するしかありませんが、編集機能の悪用を懸念しているというのが有力です。
例えば、ある主張がツイートされ、その内容が反響を呼び、多くのリツイートやいいね!を獲得したとします。その状態で、元のツイートが真逆の主張に修正し、あたかも修正後の主張が評価されているような印象操作を行える可能性もあります。ここまで極端でなくとも、ツイートに対してリプライなどで議論が行われているときに元のツイートが修正されてしまうと、何について話をしているのか分からなくなってしまうということも起こり得ます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.