世界を変える5G

「AQUOS R7」実機レポート、“じゃじゃ馬”だった先代の弱点克服で死角なし?(4/5 ページ)

» 2022年05月10日 22時30分 公開
[石井徹ITmedia]
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ミリ波とeSIMに対応、対応周波数はドコモとソフトバンクで差はなし

 AQUOS R7では新たに、5Gでのミリ波帯での通信をサポートする。ミリ波は展開エリアが限られているものの、5Gらしい超高速な通信には欠かせない周波数帯だ。加えて、大手キャリアが2022年度中に展開を予定している5G SAサービスもサポートしている。

AQUOS R7 体験会では分解展示も公開されていた
AQUOS R7 ミリ波アンテナは本体上部の直接手に当たらない位置にある

 また、興味深い点として、AQUOS R7はnanoSIMとeSIMのデュアルSIM仕様となっている。発表時点ではキャリア向けモデル(NTTドコモ版とソフトバンク版)しか予告されていないが、そのいずれもeSIMをサポートしている。

 対応周波数帯に関しても、AQUOS R7は日本国内の通信キャリアの主要な周波数帯をカバーしている。5Gはn77とn78に加え、ドコモ以外のスマホでは省かれがちなn79にはソフトバンク版も対応している(ソフトバンクが公開している対応周波数一覧※PDF)。ただ、キャリア版は他キャリアでの通信はサポート外となる点は留意しておきたい。

 10万円を超えるハイエンド端末では、ユーザーがキャリアを乗り換えたときも柔軟に対応できる方が望ましい。その点でも、AQUOS R7の幅広い周波数対応は歓迎したい。

 なお、販売キャリア以外の周波数帯に対応するかはメーカーの判断に任されており、シャープによると「経済合理性を考慮して決定している」という。対応周波数を追加するには、電波法やFCCなどの認証に必要な検証試験を行う必要があり、複数の周波数帯を組み合わせて高速化するキャリアアグリゲーションまで考慮すると、無数の組み合わせの検証が必要となる。販売数の少ないハイエンドモデルでは、共通ハード化した方が製造コストを削減できる場合があり、AQUOS R7では結果として、“国内全キャリアのプラチナバンド対応”が実現したという。

ワイヤレス充電も復活

 細かい点だが、うれしい機能追加としては、「ワイヤレス充電(Qi)」のサポートが挙げられる。2019年発売の「AQUOS R3」以来の復活となる。Qiの充電コイルを配置するためには、バッテリー容量を多少削るなどしてスペースを空ける必要があるが、部品の小型化や基板配置の最適化によってQi対応を実現したという。

 バッテリー容量は5000mAhで、充電ICを二重化して放熱を分散する「パラレル充電」も引き続き対応している。電源につなぎっぱなしで使う際にバッテリー劣化を押さえる「ダイレクト給電」もサポートしている。動画再生やゲームなどで長時間使う人には重宝する機能だ。

AQUOS R7 熱設計では放熱シートを1枚にまとめることで端末内のスペースを節約している。熱源を1カ所に集中させることになるが、熱が集中しすぎないよう本体構造とミドルウェア設計の両面で工夫を加えているという

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