背面カメラはXperia 10 IVが3眼構成、Xperia Ace IIIが単眼レンズとなっている。レンズ・センサーの組み合わせは以下の通りだ。
Xperia 10 IVの3眼レンズは超広角、広角、望遠という3つの焦点距離に対応しており、画角を切り替えて撮影できる。デジタルズームはAIによる画素補完もサポートし、画面表示上で最大10倍の拡大に対応する。撮影モードはポートレートセルフィー、マニュアル、ナイトモード、スローモーション、クリエイティブエフェクト、パノラマなどを搭載する。
Xperia Ace IIIは、超広角での撮影には対応しておらず、デジタルズームも5倍まで。撮影モードはポートレートセルフィーとパノラマのみと限定的だ。
Xperiaシリーズのカメラの傾向として、全体的に穏やかで、柔らかい発色の写真が得られる傾向がある。この傾向はXperia 10 IV/Ace IIIとも共通している。晴れた日との屋外なら、写真の出来に大きな差はないが、屋内などの光量が限られたシーンでの撮影では、Xperia 10 IVの方がより明るく写せると感じた。また、望遠レンズを搭載しているだけあり、ズーム利用時の解像感はXperia 10 IVが上回る。
なお、このレビューでは開発中の試作機を用いて検証を行っており、画質は商用モデルと異なる可能性がある。特にXperia 10 IVについては、7月上旬の発売前後のアップデートにより、カメラ画質が向上する可能性もある。本レビューで掲載する作例は、試用時点での参考としてご覧いただきたい。
ここまで、Xperia 10 IVとXperia Ace IIIを比較してきたが、最後に改めて両機種の位置付けを確認しておこう。
ドコモオンラインショップでは、Xperia 10 IV SO-52Cの価格が6万4152円、Xperia Ace III SO-53Cは3万4408円となっている。両機種はau、UQmobileとソフトバンク/Y!mobileで取り扱いがあるが、価格はドコモ版と大きくは変わらないものと思われる。
2022年夏のXperiaには、もう1機種存在する。フラグシップモデル「Xperia 1 IV」だ。Xperia 1 IVは最上位の処理性能を誇り、カメラ、映像、ゲーム関連の豊富な機能を搭載しているが、価格は19万872円(NTTドコモ版)と、従来のフラグシップと比較しても高価格な設定となっている。
スマートフォンはここ数年続いた飛躍的な性能向上が落ち着きつつある。その中でフラグシップモデルは、最新の技術を存分に体験したいヘビーユーザーに特化する方向で差別化が進められている。そのため、高価格化の傾向が進んでいるのだ。
結果として、ミドルレンジのXperia 10 IVの値ごろ感が引き立つようになっている。軽くてコンパクトなボディーに、必要十分な性能・機能を詰め込んだXperia 10 IVは、多くの人に受け入れられるスタンダードモデルといえるだろう。
また、エントリーモデルのXperia Ace IIIは、3万円台という価格帯ながら、背面仕上げの素材感など、スペックシートには現れない部分にこだわったモデルとなっている。スマホをヘビーに使い込んでいる人なら、処理能力に不足を感じるかもしれないが、普段使いのアプリの動作は安定して動作し、防水やおサイフケータイにもきっちり対応している。子どもやシニア層で初めてスマホを使う人や、サブ端末として扱いやすいスマホが欲しい人には、検討の候補に入れる価値がある1台だ。
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