「Xperia 10 IV」と「Xperia Ace III」はどちらが買い? スペックから使い勝手までを徹底比較(3/3 ページ)

» 2022年06月27日 10時00分 公開
[石井徹ITmedia]
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カメラはXperia 10 IVのみ複眼構成 画質の差は?

 背面カメラはXperia 10 IVが3眼構成、Xperia Ace IIIが単眼レンズとなっている。レンズ・センサーの組み合わせは以下の通りだ。

Xperia 10 IV

  • 広角:27mm、F1.8、1200万画素
  • 超広角:16mm、F2.2、800万画素
  • 望遠:54mm、F2.2、800万画素
  • インカメラ:F2.0、800万画素

Xperia Ace III

  • 広角:1300万画素、F1.8
  • インカメラ:500万画素、F2.2

 Xperia 10 IVの3眼レンズは超広角、広角、望遠という3つの焦点距離に対応しており、画角を切り替えて撮影できる。デジタルズームはAIによる画素補完もサポートし、画面表示上で最大10倍の拡大に対応する。撮影モードはポートレートセルフィー、マニュアル、ナイトモード、スローモーション、クリエイティブエフェクト、パノラマなどを搭載する。

Xperia 10 IV Xperia 10 IVのカメラUI

 Xperia Ace IIIは、超広角での撮影には対応しておらず、デジタルズームも5倍まで。撮影モードはポートレートセルフィーとパノラマのみと限定的だ。

 Xperiaシリーズのカメラの傾向として、全体的に穏やかで、柔らかい発色の写真が得られる傾向がある。この傾向はXperia 10 IV/Ace IIIとも共通している。晴れた日との屋外なら、写真の出来に大きな差はないが、屋内などの光量が限られたシーンでの撮影では、Xperia 10 IVの方がより明るく写せると感じた。また、望遠レンズを搭載しているだけあり、ズーム利用時の解像感はXperia 10 IVが上回る。

 なお、このレビューでは開発中の試作機を用いて検証を行っており、画質は商用モデルと異なる可能性がある。特にXperia 10 IVについては、7月上旬の発売前後のアップデートにより、カメラ画質が向上する可能性もある。本レビューで掲載する作例は、試用時点での参考としてご覧いただきたい。

Xperia 10 IV(試作機)の実写サンプル

Xperia 10 IV作例 Xperia 10 IV(試作機)の広角カメラで撮影
Xperia 10 IV作例 Xperia 10 IV(試作機)の広角カメラで撮影
Xperia 10 IV作例 Xperia 10 IV(試作機)の超広角カメラで撮影
Xperia 10 IV作例 Xperia 10 IV(試作機)の望遠カメラで撮影
Xperia 10 IV作例 Xperia 10 IV(試作機)で10倍デジタルズーム撮影
Xperia 10 IV作例 Xperia 10 IV(試作機)で逆光下の鳩を撮影
Xperia 10 IV作例 Xperia 10 IV(試作機)で料理を撮影

Xperia Ace IIIの実写サンプル

Xperia Ace III作例 Xperia Ace IIIで撮影
Xperia Ace III作例 Xperia Ace IIIで撮影
Xperia Ace III作例 Xperia Ace IIIで撮影
Xperia Ace III作例 Xperia Ace IIIで5倍デジタルズーム撮影
Xperia Ace III作例 Xperia Ace IIIで逆光下の鳩を撮影
Xperia Ace III作例 Xperia Ace IIIで料理を撮影

長く使うならXperia 10 IV、価格重視ならXperia Ace III

 ここまで、Xperia 10 IVとXperia Ace IIIを比較してきたが、最後に改めて両機種の位置付けを確認しておこう。

 ドコモオンラインショップでは、Xperia 10 IV SO-52Cの価格が6万4152円、Xperia Ace III SO-53Cは3万4408円となっている。両機種はau、UQmobileとソフトバンク/Y!mobileで取り扱いがあるが、価格はドコモ版と大きくは変わらないものと思われる。

 2022年夏のXperiaには、もう1機種存在する。フラグシップモデル「Xperia 1 IV」だ。Xperia 1 IVは最上位の処理性能を誇り、カメラ、映像、ゲーム関連の豊富な機能を搭載しているが、価格は19万872円(NTTドコモ版)と、従来のフラグシップと比較しても高価格な設定となっている。

 スマートフォンはここ数年続いた飛躍的な性能向上が落ち着きつつある。その中でフラグシップモデルは、最新の技術を存分に体験したいヘビーユーザーに特化する方向で差別化が進められている。そのため、高価格化の傾向が進んでいるのだ。

Xperia 10 IVとXperia Ace III Xperia 10 IV(右)とXperia Ace III

 結果として、ミドルレンジのXperia 10 IVの値ごろ感が引き立つようになっている。軽くてコンパクトなボディーに、必要十分な性能・機能を詰め込んだXperia 10 IVは、多くの人に受け入れられるスタンダードモデルといえるだろう。

 また、エントリーモデルのXperia Ace IIIは、3万円台という価格帯ながら、背面仕上げの素材感など、スペックシートには現れない部分にこだわったモデルとなっている。スマホをヘビーに使い込んでいる人なら、処理能力に不足を感じるかもしれないが、普段使いのアプリの動作は安定して動作し、防水やおサイフケータイにもきっちり対応している。子どもやシニア層で初めてスマホを使う人や、サブ端末として扱いやすいスマホが欲しい人には、検討の候補に入れる価値がある1台だ。

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