画面以外の機能は、基本的に無印のiPhone 14と同じ。プロセッサをはじめとした処理能力や、カメラのスペックなどに差分はない。あとはiPhone 14発売直前に掲載された記事を参照してほしい――と言いたいところだが、ここで終わってしまうのはレビューとしていささかバランスが悪い。また、同レビューは機能面での進化が大きかったProモデルの比重が高く、無印のiPhone 14にはあまり言及できていなかったため、ここではおさらいもかねてiPhone 14 Plusの各機能を紹介していこう。最初に注目したいのは、カメラだ。
メインとなる広角カメラのハードウェアは「iPhone 13 Pro」に近く、iPhone 14シリーズからの新機能となる「フォトニックエンジン」にも対応する。超広角と広角、それぞれのカメラで撮った写真は以下の通り。やや逆光気味のシチュエーションでも、HDRが効き、人物と背景をしっかり描写している。とはいえ、明るい場所で撮った際の画質は、端末間の差が出づらい。
フォトニックエンジンの効果がよく分かるのは、合成処理をRAW画像から行うようになったナイトモードだろう。以下は、部屋を真っ暗にして撮影した写真。参考までに、露出を調整して目で見たときのような部屋の暗さを再現してみた。そことの比較だと、まるで部屋に明かりがついていたかのような仕上がりになる。拡大すると、ディテールがところどころ破綻しているため、合成処理をかけたことは分かるが、真っ暗な部屋で撮れる写真としては十分なクオリティーに仕上がる。
また、デジタルズームもこれまでのモデルと比べると、大きく改善しているようだ。iPhone 14 Plusには、Proモデルのような3倍ズームは搭載されていないため、最大倍率は5倍に抑えられている。以下はその5倍ズームで撮った写真。肌の表現に若干、デジタル処理を加えたような痕跡は見えるが、服やバッグのストラップなどは、デジタルズームをかけたと思えないほどクッキリと写っている。このレベルであれば、5倍ズームもかなり実用的といえそうだ。
iOS 16の機能として、ポートレートモードに前ボケが加えられるようになったが、この効果もはっきり出る。iPhone 14シリーズに限った話ではないが、撮影の幅が広がりそうだ。さらに、インカメラもオートフォーカスに対応し、画質が向上した。センサーサイズの違いもあり、アウトカメラほどの自然なボケは出ないが、ピンボケを防げるのはうれしい。センサーのスペックだけを見ると、iPhone 13 Pro相当だが、ソフトウェアやISPの力で、より画質は向上していることがうかがえる。
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