表にも裏にも曲がる「360度折り曲げディスプレイ」をTCLが開発中山根康宏の海外モバイル探訪記

» 2022年10月11日 10時06分 公開
[山根康宏ITmedia]

 2022年9月頭にドイツ・ベルリンで開催されたIFA 2022を取材しました。TCLブースには同社のディスプレイの開発・製造を行う子会社「CSOT(China Star)」の製品展示コーナーもあり、そこにスマートフォン向けの360度折り曲げ可能ディスプレイが参考出品されていました。

TCL IFA 2022のTCLブース内にあったCSOTの製品展示エリア

 残念ながらCSOTの担当者はIFAに参加していないようで、このディスプレイも透明なアクリルケースの中に入って展示されていただけでした。実際に触って折り曲げてみたかったものの、担当者不在のためNG。曲げていない状態しか見られなかったものの、どのようなものなのかを見ることができただけでも収穫でした。

TCL 360度折り曲げ可能なディスプレイ。残念ながら曲げていない状態での展示

 ディスプレイのスペック表があったので詳細を見てみると、サイズは8.01型で解像度は2480×1860ピクセル。アクティブペンに対応とのことで、どのようなペンかは分かりませんが、スタイラスによる手書き入力にも対応するようです。恐らくサムスンの「Galaxy Z Fold4」のように表面はUTG(Ultra Thing Glass)が貼られているのでしょう。またヒンジ部分の曲げたときの径は内折りがR1.5mm、外折りがR6.0mm。内側に折りたたんだときはヒンジ部分に1.5mmの隙間が開くことを意味します。全体の厚さは7mmに収められるとのことです。

TCL 360度折り曲げディスプレイの主なスペック

 展示されていたディスプレイは実際に表示がされており、このまま基板などを入れればスマートフォンとして動作すると思われます。右側から見ると確かに厚さは10mm以下。十分薄いことが分かります。ディスプレイの中央、ヒンジ部分には「筋」が見えますが、サムスン方式同様に隙間が開くため筋を付けて折り曲げる部分の強度を高めているのでしょう。ただしこのディスプレイは逆側、つまり外側に折り曲げることも可能です。

TCL 右側面。厚さは7mm

 左側面には電源キーがあります。ただしこれはあくまでもレファレンスなので、このまま製品化されるわけではありません。

TCL 左側面

 さて360度、つまり内側にも外側にも曲げられるディスプレイのヒンジ部分はどうなっているのでしょうか? 両方に曲がるために左右のベゼルとヒンジの部分には隙間が空いています。ヒンジ部分に丸い穴が2つ見えますが、それぞれに軸がある構造になっているのかもしれません。このヒンジ部分を見ると、実際にどのように曲がるのか、見てみたいものですね。なお、この構造からすると防水に対応させるのは難しいかもしれません。

TCL ヒンジはどちらの向きにも曲がる

 裏側がうまく撮影できませんでしたが、ヒンジ部分はジャバラのような構造かもしれません。また外に折ったときにカメラが干渉しないように、カメラ部分の出っ張りは薄くなっています。そしてディスプレイをどちらの向きにも曲げられることから、カバーディスプレイは搭載されていません。

TCL 背面のヒンジ部分やカメラの出っ張りに注目

 TCLは縦折りスマートフォンを開発していましたが、CSOTが両方向折り曲げ可能なディスプレイを開発したことで、横折り式のスマートフォンを出してくるかもしれません。実際の使い勝手はどうなのか、早期の製品化に期待したいものです。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年04月03日 更新
  1. KDDI子会社で2461億円の架空取引、なぜ7年間も見過ごされたのか? 社員2人の巧妙な手口と高橋元社長の「懸念」 (2026年04月01日)
  2. d払い、dポイントのキャンペーンまとめ【4月1日最新版】 最大24%還元や10万ポイント還元のチャンスあり (2026年04月01日)
  3. Apple、異例の「iOS 18.7.7」配信対象拡大 Web攻撃「DarkSword」対策で (2026年04月02日)
  4. 選択肢が増えた「Starlink衛星とスマホの直接通信」 ドコモとauのサービスに違いはある? (2026年04月02日)
  5. 車内での通信制限を気にせず動画を楽しめる「Pioneer 車載用 Wi-Fi ルーター DCT-WR200D-E」が22%オフの1万7682円に (2026年04月01日)
  6. IIJmioの「スマホ大特価セール」が6月8日まで延長 「AQUOS wish5」「Pixel 7a」など一部機種は対象外に (2026年04月01日)
  7. 通信衛星とドコモのスマホが直接通信! 「docomo Starlink Direct」が4月27日にスタート 84機種で利用可能 (2026年04月02日)
  8. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  9. ケーブルを持ち歩く手間を省ける大容量モバイルバッテリー「Anker Power Bank (25000mAh)」が30%オフの1万490円に (2026年03月31日)
  10. au PAYとPontaのキャンペーンまとめ【4月2日最新版】 1万ポイント還元や30%還元のチャンスあり (2026年04月02日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年